金沢 ことば悦覧 2008年4月28〜5月01日   home 

  鷲田めるろ さん ことば紀行  4月28日 夜 小さい呑み屋にて  
    その01 その02 

  その01もの凄いポップな音楽が鳴り響く 店内 大いに正確ではないが
  林野紀子 鷲田めるろ 一ノ瀬彩 野田直樹 佐藤敏宏が呑んでいる

佐藤:
お互いに持って喋れば音は採れるから。めるろさんの名前はどういう意味なんでしょうかはい
鷲田:これは私の父が付けてくれたんですけど メルロポンティーから。うちの父が
佐藤:哲学者の名だ

鷲田:メルロポンティーが好きでそれで 付けてくれたものです 
佐藤:迷惑してるんじゃないですか
鷲田:いやいや そんなことはないです

佐藤:京都からなんでここまで流れて来たのは
鷲田:それはもともと 最初高校まで京都に居て 
佐藤:高校まで京都ですか
鷲田:高校まで京都です で今も実家は京都なんですけど。それで大学は東京に来て、東京で美術史を勉強して

佐藤:美術史は広いけど何の美術史ですか
鷲田:西洋美術史です
佐藤:絵画、彫刻 
鷲田:大学の頃は ルネサンスの絵画を 
佐藤:16世紀あたり

鷲田:16世紀とか15世紀とか その辺の頃をやっていて 、それから大学院に行って大学では19世紀終わり頃から20世紀初頭の バウハウス
佐藤:バウハウスですか
鷲田:バウハウスの 
佐藤:建築ではないけどグロピュース
鷲田:そういうふうにアメリカに入って来た感じです。まあそういう処をやっていて。でまあ そんな頃から美術館で仕事をしたいな〜と思うようになりって

佐藤:なんで美術館で仕事をしたいと思ったんですか。研究の方が面白いじゃないですか
鷲田:でも現場の方、現場でやりたかったと言うのが 社会から切り離されている
佐藤:社会から切り離されている。大学ってそういう処じゃないんですか
鷲田:うん
佐藤:そういうのに反発を感じちゃうわけだ。研究やっていると不安になるんだ 

鷲田:ちょっとありまして 
佐藤:それは何に対する不安なんでしょうかね
鷲田:何に対してと言うか 
佐藤:皆さんそういうふうに言うんですよ 大学で勉強してると急に不安が襲うって、社会とコミットしたくなるって言う その脅迫観念はなんだ〜と俺は聞きたいわけです ハッキリわかってない。源が。何か 社会とコミットしないで生きていってもいいんだと思うけど なんでかね。聞かしてもらいましょう。僕は学問してないので興味が湧くので

鷲田: うん
佐藤:父親が金稼いで来いと言ったわけじゃないんでしょう 
鷲田:いやいや そんなわけじゃない。 
佐藤:人間とはやっぱり金稼がなきゃまずいとか 
鷲田:いやいや お金じゃない。 

佐藤:学問とは過去のものか もう。
鷲田:何か閉じ籠もって居る感じかする
佐藤:学問と言う境界を作るんだからしょうがない 閉じ籠もるに決まっているじゃないですか〜
鷲田:うん〜ん 感じが
佐藤:自己矛盾ですね。学問の自己矛盾

鷲田:言うのはありますね 
佐藤:やっぱりそれを壊したい 
鷲田:壊すと言うか 両方出来ると良いな〜と 
佐藤:欲深いですな〜 共におおきくわいわいと わらう そんなに欲深くって上手く行くのでしょうかね〜 

鷲田:だから上手く行かないかもしれない 
佐藤:行かなくって良いよね 
鷲田:うん 

鷲田:でも有る程度何か  大学にずーっと居ると 
佐藤:博士号とかとってですか
鷲田:とってないです
佐藤:途中でやめちゃた
鷲田:修士まで
佐藤:修士まで そいれでいきなり金沢21世紀美術館に就職したんですか 

鷲田:そうですね 
佐藤:修士終えていきなり美術館ですか
鷲田:非常勤で 世田谷美術館に行ってました 
佐藤:世田谷美術館最 初におこした人の名前なんだつけ 
鷲田:最初の方は判らないですね。私が行ったのは99年と 
佐藤:うちいしょうぞうが 設計した建物だよね

鷲田:そうです そうです 
佐藤:あれは活用されているんですか
鷲田:活用されてますけど
佐藤:地域と繋がりって運営されているのですか

鷲田結構 世田谷美術館は その辺は結構大事にしていた
佐藤:大学に行きながら世田谷美術館に関わりだして
鷲田:そうです。大学行きながらと言うか 修士 卒業してその時に大学でずーっと研究するのではなくって 美術館で働きたいと言うことを先生と話をして

佐藤:美術館で働きたいとは 極一般の人は思わないよね
鷲田:そうですか 
佐藤:美術館って何も生み出さないじゃないですか、一般の目でみては
鷲田:ああそうですか 
佐藤:美術館で働くって言うことは

鷲田:美術に関わるような 仕事を何かしたいと言うふうに思って 
佐藤:ひろい〜よね美術って範囲は
鷲田:うん。そんなかで
佐藤:広すぎてなんだか判らないよね 

鷲田:何か画廊で働くのも何か リアリティが湧かない し、。それで大学で研究を続けるって言うことも わりと美術館と言うのは過ごしやすかった。あと大学の美術を研究し始めた頃から 美術館のアルバイトをしたんで。なんとなくこんな感じの職場かな〜と 

佐藤:美術館のアルバとと言うのは 荷解きとかするんですか。
鷲田:荷解きとかじゃなくって、もっと何か写真の整理とか まあまあ雑誌の整理とか
佐藤:展示する間を整えるわけだね
鷲田:はい 

佐藤:作品が入って来てからの間を整える ような作業をしていたんだ
鷲田:そこまで深い処はやらなかったですけども カタログを編集する処の、何か校正をしたり
佐藤:校正の下働きね

鷲田:シタ働きです
佐藤:それで好きになった
鷲田:好きって言うか 好きだけど、美術館っていうのはこういう処かと言うのは 何となくイメージが出来る様に成って

佐藤:ゲンナリはしなかったんでしょう
鷲田:げんなりはしなかったですね
佐藤:益々関わっているわけだからね  
鷲田:そうですね 
佐藤:あんたも好きだね本当に 共にわらう

鷲田:そうですね 後は大学院まで行ってしまったので 
佐藤:大学院の上にまだ博士課程があるじゃないですか。行けばいいじゃないですか
鷲田:いや
佐藤:学者にもなっちゃう
鷲田:博士課程は行ったけど 
佐藤:なんでやめたの

鷲田:美術館で働くのに別に博士課程に
佐藤:それは舐めすぎだよう。美術館で働くためにだって博士号ないと
鷲田;そんなこと無いですよ
佐藤:おれは言っている市民を代表してね
鷲田:ああああ。 博士号ぐらい取ってくださいと

佐藤:博士号ぐらいとらないで学芸員になんかなっちゃいけませんよと 市民の俺が言っているんだ
鷲田:判りました
佐藤:市民の要望としては 。美術は人間の感情をアウトプットするそのものなので切りも限りもない世界じゃないですか と僕は想うんですけども 絵画とか写真とか映画とかね 境界を作って そう言うジャンルはあるけれど も。これからは その境界を横断する 表現者が居たって、出現するわけですよね 。それをどうやって編集し伝えるんですか?

鷲田そこは限定せずに 
佐藤:それを限定しないと、市民から「ふざけんじゃねーこんなの芸術じゃない」と作品じゃネーと怒られちゃうないですか 
鷲田:それは言われますけどね そこは区別することが そんなにメリットがあると思えないから。だからまあそこは そういう組織をしていく

佐藤:忍耐強く
鷲田:そうですね 作家自身も色んなジャンルの方そういうふうにやっているから そういう意味では あんまり一部だけ取り出しても意味が無いと言うか 
佐藤:これからもう一回博士課程に入って論文「美術品と市民概論」について書けばいいわだから。別に諦めないでほしい 共にわらう て 今一番 なういのはインタビューすると事だと僕は想って居るんですけど 。アートで一番なういのは なんでしょうかね やっぱり屋台ですか 共にわらう 一番新しい芸術はインタビューだと
鷲田:ああ〜

佐藤:それをどうやって定着するか、アウトプットのし方がよくわからないので 模索しているんですけど ここに居れば一番アートだよね。 このリアルな感情というのを、アウトプットしたいために映画作ったり絵画作ったり。詩を書いたり するわけじゃないですかそれは 異時同図だったり同時居図 だったり いろいろあるんだけど その人の感覚と技術に任せるしかないけど も ニューゼネレーションのアートと言うのはなんでしょうか?野菜育てる事とか それがいいだけどね

鷲田:でも新しいかどうか判らないけど 自分関心もっているのは何か 場を作ると言うか 
佐藤:ああそれは俺と一緒じゃないですか  なんで俺たちは一緒の動機があるのだ〜 新しいアーチストだね 爆笑 
鷲田:キューレターとアートの境界もかなり曖昧に成って来ていると
佐藤:おれは場を作ると言うことで路上(路乗)とか言っているけど 路場でも出来るわけですよね この居酒屋でも出来るじゃないですか。さっきのCAAKでも出来てるじゃないですか。境内でもできる 。金沢大学付属高校でも場は出来ているよね 。その対面の自衛隊でも場は出来ているよね。 さあどういう場を作ろうとしているのでしょうか?めるろさんはどういう場を作りたいのですか?市民を守るための自衛隊ですか

鷲田:自由にものが発言できるような 場 
佐藤:そこは アナーキーな場所ですか
鷲田:アナーキーというか アナーキーじゃなくって 
佐藤:アナーキーじゃない
鷲田:アナーキーじゃなくって 自由に思った事を言う

佐藤:難しいですね〜 
鷲田:言えると言うことが守られている
佐藤:自由に言うっていうんは詩人じゃない限りは出来ないですよ そんな行為は
鷲田:完全に自由は出来ないけれども 

佐藤:僕は一番 自由な詩人は吉増剛造だと思いますけども あの人以外 意味から離れて自由に語る人は見たこと無いな〜 自由に発言するって難しですよ
鷲田:100%は無理だ思いますけど すこし普段生活している場所を よりは少し 自由に
佐藤:ああそうかそうか 境融だな とりあえず境界を明示して そこから如何に自由に語るかって言う 自由だよね 

鷲田:境界というか、何らかの処に所属をしてたりとか そこの立場で話ができたり 出来なかったり。まあ 何かこう 自分の立場から 自分の有利に成るように発言せざるを得なかったり 有ると思う。そういう事から離れて思った事を多少思考実験的にでも  もの凄い音楽にて聞き取れず 
佐藤:日本人は形式を作るのが好きだと思うので 定型詩とか俳句とか和歌とか その形式で自由を謳歌して来たと思うんですが アートの形式って何ですか 美術館の形式って言うのはなですか? これをやるとアートじゃなくなって 現代美術館にとての形式ってのが それは何ですか?

鷲田:それは
佐藤:和歌だと31文字 17文字に填れば何を入れてもいいわけですよね。アートの縛りはなんですか おれは判らないから来ているんだから現場の人に、それを選別してるんですから

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