8 石取会館

 天下の奇祭と呼ばれる春日神社と赤須賀神明社の石取祭を紹介する展示館。
石取祭は毎年夏に行われる宵祭りで、鉦(かね)と太鼓で「日本一やかましい祭り」といわれています。
 会館内には2台の祭車が展示され、祭りの様子はビデオで楽しむことが出来ます。また壁面には市内にある48台の全祭車の写真が展示されています。

 祭車は全国的にも珍しい三輪形式で、これに施された彫刻、金具、漆、天幕などは美術工芸品として一見の価値があります。祭車の上には12張の提灯飾りが取り付けられ、神社へ参拝するときや、電線の下をくぐるときにはこれが真ん中から折れて御辞儀をします。また羅陵王や神功皇后などをかたどった造り物を載せた祭車もあります。

 この会館の建物は昭和2年(1927)に建てられた銀行の建物を活用したもので、ギリシャ神殿の柱列を模した外観や、アールデコ調のインテリアがこの地方としては珍しいようです。

石取会館利用案内
入館無料
開館時間AM9:30〜PM5:00(入館は4:30まで)
休館日
・月曜日(月曜が祝日の時は火・水曜日)
・祝日の翌日(土曜が祝日の時は火曜)
・12月29日〜1月3日
TEL 0594-24-6085


春日神社の石取祭(国指定重要無形民俗文化財)
 春日神社(桑名宗社)の中の桑名神社の大祭である比与利祭の一神事が江戸時代中期に独立してできたものです。比与利祭を行うため、桑名市街南郊の町屋川から清浄な石を奉納する神事から発展したお祭りです。石取祭は桑名城下の町民市街地の町内が参加します。この石取祭は平成19年に「桑名の石取祭の祭車行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
 石の奉納の起源は@石占を行うため、A流鏑馬(やぶさめ)の馬場整備のため、B桑名城の城郭造営のため等の諸説があります。春日神社の石取祭りは8月第1日曜日が本楽(ほんがく)、前日が試楽(しんがく)です。祭りのクライマックスである本楽の日の宵には全祭車が整列し春日神社へ渡祭します。

赤須賀神明社の石取祭(市指定無形民俗文化財)
8月14日・15日に試楽、16日に本楽
 赤須賀は桑名市東部の揖斐川沿いにある6町内からなる漁業の町です。桑名市街とは、江戸時代に武家地であった鎮国守国神社の氏子区域を隔てているため、春日神社の石取祭とは別に8月の旧盆に赤須賀神明社の祭事として行われています。

 このほか、桑名市には長島町秋葉神社の石取祭、多度町内母(ないも)神社の石取祭があります。また周辺の市町村には石取祭と同様の祭礼行事が継承されているところがみられ、その範囲は、名古屋市から津島市、岐阜県南濃町、員弁町、鈴鹿市あたりにまで及んでいます。