大阪えべっさん2005年1月11日(戎神社)
 


今年の福娘さんも美人ぞろい!
 


偽札警戒中の張り紙があちこちに(あちこち=あちらこちら)

寒波の中、今年も大阪今宮戎の「残り福(11日)」の日に、阿倍王子神社の氏子青年会の一員として「おみくじ係りのご奉仕」に行ってきました。

今年で二回目なので、少しは要領もわかり、参拝者が引いた番号のおみくじを箱の中からまごつかずにさっと取り出して渡せるようになりました。

しかし、なんといっても今年はお正月から各地の神社でにせ札が大量に横行しているので、おみくじ代200円でにせ札を使われて9800円も搾取されては大変! 、一万円札でおみくじを引く人がいる場合は特に緊張してしまいました。

でもなかには一万円札を出すときに「これ偽札やで!」と、にこにこ笑いながら渡す人がいたりして…、一瞬の緊張が溶けて「はあ〜上手にスカシまではいってますねぇ〜」とみんなで大爆笑
さすが大阪人のユーモアセンスはすごいと感心してしまいました。



炭に火がつかない

おみくじ売り場はちょうど参道のまがり角にあり、囲いがないので風が吹き抜けてものすごく寒いのです。

暖房といえば炭火だけなのですが、肝心の炭に火がつかなくて大変でした。古い笹の葉やそこらにある紙を燃やしながら一時間以上悪戦苦闘してやっと炭が熾った時はみんなで大感激!

もらってきた小さな種火があわや消えそうになったり、風を送るために口をとんがらせながらフウフウと種火に風を送りすぎて酸欠になりそうになったり、笹がくすぶって煙がもうもうとあがって回りの人から「煙たい!」と叱られたり、火の在り難さが身にしみました。

やっと火がついて炭が赤くなり暖かくなったので、嬉しくて記念写真を撮りました。(やっと=ようやく)

午前中だったので参拝客がまだ少なく、近くの幼稚園児が先生たちと一緒にたくさんお参りに来ていました。戎さんの境内でこんなにたくさんの小さな子供たちを見るのは初めてです。

拝殿の裏のドラを叩くために大人に混じって幼稚園児もおとなしく並んでいたので、「みんなも商売繁盛をお願いに来たんか?
」と聞いたら頭を左右に振りながら「商売繁盛と違うでぇ〜」と大きな声で返事をしてくれました。元気なこどもたちの顔をたくさん見ているとこちらもなんだかとてもうれしくなります。


 去年も書きましたが、ここのおみくじは50番のうち凶が11番もあってとても厳しいことで有名です。

そのうち大吉はたった二枚しかないのです。

今年はなぜか凶を引く人が目に付いて、その人たちは凶のおみくじを神社に置いていくために境内のおみくじを結ぶ木に結んで行きます。

今年は変わった買い方をする人がいました。「まとめて60枚おみくじを下さい」というのです。「えっ〜60枚ですか?」「神社にお話して了解を頂いているので、凶は入れないでください」ということで晴明さんがアトランダムに凶の入っていないおみくじだけを60枚選んで渡しました。

でも結局、凶のないおみくじは「OOの入っていない××」だと思い直したのでしょう、しばらくすると、またやってきて「すみません4枚だけ凶を混ぜてくれますか」ということでした。

それにしても60枚もおみくじのまとめ買いをする人は、初めてです。どうするのでしょうね。やっぱり人生山在り谷在りですから良いことばっかりだと味わいが半減しますよね。今年おみくじで凶を引いた人はきっとこれから上り坂の人生となることでしょう! そういう私もじつは「凶」だったのです。

一大決心。すべてを捨てよう

ところで、もう一つとっときの話があります。これも前に書いたと思うのですが、私たちが大阪の今宮戎神社に行くようになったのは2000年から。「古事記のものがたり」を自費出版したときからなのです。

本が日本全国へと広がることを祈って、戎さまへお参りに行きました。

でも一回目は本を出版するためにお金を使い果たしたので、笹にいっぱい縁起物をぶら下げている人を尻目に、お賽銭を入れて参拝しただけでした。

そのとき境内の地面に靴で踏まれて落ちていた、汚れた小さな戎さまの人形を見つけ、「かわいそう…」といいながら家に持って帰り、棚にお祀りしていました。

二年目には、小さなざるに付いた戎さまの縁起物を一つだけ買いました(写真右の右隅のやつ)。そして、靴に踏まれていた去年の戎さんと仲良く並べて飾りました。

三年目と四年目には、初めて笹を貰って縁起物を二つ買って笹にくくりつけてもらいました。もちろん福娘にです。(^o^)丿

家に帰ってから、返さずに置いておいた今までの縁起物を笹に取り付けてお祀りしました。こんな風に毎年、笹だけお返しして縁起ものを少しずつ増やして賑やかにして喜んでいたのですが、今年は二人で散々考えたあげく、一大決心して、いままでに買った縁起物を笹と一緒にすべてお返ししようということにしました。

そして晴明さんはこう宣言したのです「ことしは第七刷を改定して増版したことだし、今までのすべてを一度捨てて新しく再出発する意味で、笹も縁起物も何も買わないことにしよう!」と。

私は内心、そんなことして今年は本がぜんぜん売れないというか商売繁盛しなかったらどうしよう……と思ったのですが、晴明さんの言うことも一理あるような気がして黙っていたのです。

そしたら、なんとなんと、おみくじのご奉仕が終わったときに、お世話をしてくださる氏子会の方が「縁起物持って帰るか?」といって縁起物やお札をいっぱいぶら下げた笹を「はい、ごくろうさん!」とニコニコしながら手渡してくださったのです!

まったく予期していないうれしいことが起こり、私たちは
「やっぱり、神さんはいてはったんや! 無欲になって手離したら、むこうから福はやってくるんや」

こうして私たちの平成17年の今宮戎神社の「おみくじ奉仕」が終わりました!また、来年はどんなことが起こるか楽しみ! 楽しみ!





この縁起物いったいなんぼ?(訳=値段はいくら)

えべっさんの境内にはいろいろな縁起物がひとつ1500円均一で頒布されていますが、境内の外でもものすごい数のお店が並んでいて、写真のような縁起物が販売されています。


ちなみに、ざるに入った戎さんは大きいので4万円、少し小さいのが3万円です。ざるに入るお米の量が、それぞれ一升五合だったり、一升だったりで値段が変わっていきます。

この縁起物を、大阪の商売人は少しでも安く買おうと一生懸命値切るのです。店側と買う側の真剣な駆け引きを聞くことができます。えべっさんのもうひとつの楽しみ方ですね。

さて皆さん!

上の写真の一番大きい「額入りの戎大黒」の縁起物はいったいいくらだとおもいますか? 横幅1m、長さ50cmぐらいです。

正解は、なんと30万円! これを読んでくださっている皆さんは、高いと思われますか安いと思われますか。


いろいろな屋台
えべっさんは、参拝者に縁起物だけを売っているわけではありません。

ほかにも戎神社から難波までの沿道にずらっと、いろいろな屋台が並んでいます。だから商売とはまったく縁のない一般の方も、このえべっさんへ遊びにきます。

今回はいろいろな露店をご紹介しますので、写真を見てください。夏祭りや秋祭りでおなじみの店だとおもいますが、一つだけ「おおっ」というのを発見しました。

それは「でっかいたこ焼き」です。ひとつ200円で、その大きさは普通サイズの5倍くらいでしょうか。握りこぶしほどのでかさです。「いいだこ」がまるまる一つ入っています。

写真を撮ろうとしたら店の女の子がポーズを取ってくれました。

いろんな店を冷やかしながら歩くのも10日戎参拝の楽しみのひとつですよね。
 
 

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