少年サッカークラブ

セルジオ越後との出会い

練習に嫌気がさしていた私は、土日がとてもユウウツでサボリたくなるぐらいの状態であった。

練習そのものも、丈夫な体をつくること中心に行っていた為、楽しみよりも苦しさのほうが

圧倒的に先行し、クラブを本気でやめたいと思っていたのである。

そんな時、私の所属チームが某有名飲料会社主催のサッカー教室に参加する話があり、

それは神奈川県内及びその近隣のクラブチームが多数集まり、セルジオ越後という選手と

サッカー交流するというものらしいのだが、体を鍛えることを中心に考えていた私には

あまり興味をひく内容ではなかった。

しかし、現地にてその内容を見てから私の思いは一転する。

まず、フェイント指導。

数ある参加人数の中から指名された1〜2人が越後選手の持つボールを奪おうと

こころみるが、全くダメ! 何度も試みるが結果は変わらないのである。

しかも越後選手はその場から動かず、右足を素早く動かしただけで、まるで手品を

見ているような感覚であった。

次にヘディング指導。

これも先程とは異なる人が指名されて越後選手とプレイしていたが、技術的な指導と

言うよりは、一種の遊び感覚でボールを受け渡ししている様子であった。

今で言うと、有名TVサッカーアニメの主人公が言う ”ボールは友達だ。” 状態である。

結局その日はなんとも言えない感覚のまま帰宅したが、後に県のサッカー協会発行の

新聞記事の中で、セルジオ越後選手があのサッカー教室を通じて私たちに伝えたかった

ことが載っており、その記事を読んだ私は納得した。 と同時に以後数年間サッカーを

続けようとするきっかけともなった。

記事の原文通りではないが、下記の通りである。

    「僕は決してサッカーを教えているのではない。 ボール1つを通じてサッカーが

     いかに楽しいものであるということを一人でも多くの少年達に感じとってほしい

     んだ。」

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