少年サッカークラブ
猛暑の合宿!(後編)
やっとの思いで初日のメニューをこなした私は宿舎に戻り、入浴・食事を済ませて部屋の方へ行った。
しばらくしてコーチが来てミーティングの開始。
ミーティング内容は、オフサイドの具体的な例と対処方法・パス・ドリブルのタイミング・各ポジションの
動き方等を一問一答式で行うもので、まだあまりサッカーの戦略を知らない私にとっては覚えることが
満ちあふれ、しかも難しすぎて覚えきれるのかなと感じていた。
しかし日中とは一転してみんなの顔には笑みが戻り、コーチの教え方にもユーモアセンスがある為か
比較的和やかな雰囲気であった。
こうなると不思議なもので、通常ならば量・質ともに覚えきれないものでもあっさり覚えてしまえる。
もともと覚えの悪い私には、とても好都合な雰囲気であった。
ミーティングが終わってからは就寝(22:00)になるまで自由時間。
サッカークラブの仲間とは言っても小学校の同年代の集まりとなれば、自然に学校の話も
出てくるもので、普段引っ込み思案のはずの私が、いつのまにかみんなと抵抗なく会話して
いたのには正直びっくりした。
就寝時間になり、消灯して床に入っても皆しゃべり足りないせいか小声で話しをしていたが、
さすがに日中の疲れが出たせいか気付かぬうちに深い眠りにおちていた。
2日目の練習も走り込みの練習はあったが、午後からはやっとボールを使った練習になる。
ここで印象に残ったのは、コーチの提案でミュージックを流しながらドリブルの練習を行ったこと。
それも様々なジャンルのミュージックを流すので、あるジャンルだと肩の力が抜け、また他のジャンル
だといつもよりスピードが上がり、これまた他のジャンルとなると左右に大きく動いてしまうというように、
同じようなドリブルをしてるつもりでも、動きが変わってしまうのである。
どうやらコーチは様々なイメージを私たちに持たせることにより、ボールの扱いを上手くさせる様に
したかったらしい。 通常では取り入れていなかった練習である。
この練習を境に、猛暑が続いたにも関わらず最終日までのメニューをこなせることが出来た。
さらに最終日、コーチが参加者全員に自分宛の手紙を書くようにと言い、それを書いて送った為、
帰宅後の楽しみも出来たのである。
確かにハードスケジュールな合宿ではあったが、今回述べた体験のおかげで、ものすごく充実した
3日間に出来たことを一生忘れることは無いであろう。