私たち部員は試合会場に到着した。
皆それぞれの荷物を置き、顧問の先生の合図で集合したのだが、その中に私が見たことない人が1人
混じっていたのである。
「新入りか? いやそれにしては誰もそんなのが入ったとは言っていなかったし・・・・・・ そうか! 先輩の
なかで久しぶりに出てきた人か。」
そう思っていると顧問から私だけ残るように言われ、その後に告げられた言葉は信じたくない程プライドを
傷つけるものであった。
顧問:「すまない! 彼にユニフォームを貸してやってくれ。」
私:「なんでですか! あの人は一体何なんですか!!」
顧問:「おまえにも分かる通り、うちの高校は部員数が少ない。 それで助っ人を呼んだんだ。」
私:「だからといって、普段練習に出ていない人を試合に出すんですか!?」
顧問:「気持ちは分かるが、この日の為だけに呼んだ助っ人を試合に出さない訳にはいかないし、
それに彼は中学時代からサッカーの経験がある。 それにおまえより学年が上だ。
うちはどんなに練習が不十分でも学年が上のやつを優先して出場させる方針だから
来年まで我慢してくれ!」
私はしぶしぶ彼にユニフォームを渡した。
結果は言わなくても分かる通り、我が高校の惨敗に終わった。
「当たり前だ!!! たとえ経験があろうと普段練習に参加していない人がポンと試合に出て勝てる程
サッカーは甘くないんだよ!!!!」 と心のなかで私は思った。
サッカー人生最大の屈辱!!
高校のサッカー部