その後は新入部員の活躍、部の試合出場の方針変更などで、私は再びレギュラーからはずされたが、それでも
念願であった公式試合に(交代要員ではあるが)数試合ほど出場することが叶い、3年生の最後の試合をもって
私はサッカー人生に幕をおろしたのである。
その最後の試合もベンチにいたが、顧問からウオームアップするように言われていたので出場するチャンスは
あった。 しかし交代予定の選手が調子を再び上げた為に私は出場出来ずに終わったのである。
「ああっ これでもうサッカーボールを相手に悪戦苦闘することも無くなるんだなー。」
もう私の心に悔いというものは無く、サッカーを止めるんだなあという実感がこみ上げていた。
そして数ヶ月後、卒業アルバムにのせる写真に収まり、サッカーをやっていたという証を残して完全に私は
撤退したのである。
……………
あれから20年近く経つが、サッカーというものは体力も頭脳も信頼もバランスよく整い、
かつ高レベルの技術が要求される最高に難しいスポーツであると私は確信している。
特に空間把握。 つまり全体の流れをどれだけつかめるかが選手1人1人の力量にかかっており、
1人でもその力を発揮出来ないとチーム全体の動きがチグハグになり、パスやドリブルがつながりにくくなる。
あとは運。 いくら上記の5項目が達成出来ても既に同じような人が11人以上いる場合や自分の目指す
ポジションに大勢のライバルがいた場合、レギュラーを獲得出来る可能性は常に100%でないので、
チームを替えるか目指すポジションを替えるかまたはお祈りでもして運気を上げるきっかけを造らなくては
ならない。
心・技・体・運・勘
これらが全部満たされない限り、レギュラーへの道は遠く厳しいものとなるであろう。
(サッカー奮闘記 完)
さよならサッカー!
高校のサッカー部