飛んできたボールに私はビビったが、すぐに足でトラップ(キャッチ)して前へ前へとドリブルした。
ゴールが見え、キーパーが待ちかまえる。
味方の選手が何か言っていたようだが、聞く余裕など無く思いっきり左へ向けてシュートした!
キーパーがボールに向かって横に飛ぶ!
「入ってくれーーーーーー!!!!!!」
そして・・・・・ボールはキーパーの少し左を抜け、回転しながらゴールネットの内側に絡みついて止まった!
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!!!!!!!!
私は感動のあまり、高くジャンプしてガッツポーズした!
その後に異様な歓声があがったので我にかえって見回すと、味方の選手も試合を観戦していた人も皆
ア然とした顔で、“まさかあいつが” という雰囲気であった。 しかしすぐに祝福ムードに変わったのである。
「すげー! おまえやったじゃん!!」 「おまえ、ゴールしたんだよなー。」 「やったな ○○! この調子で
次も入れようぜ!」
数々の仲間に(この時だけであるが)歓迎されたのは試合としては初めてであった。
この後、相手キーパーのクリアミスや味方の援護などで3点を返すが時すでに遅く、チームの調子が
上がって来ている時にタイムアップ(試合終了)となるが、試合に負けたという落胆さがチーム内になく、
むしろ私が点を入れた事に話題が集中し、愉快なムードとなっていたのには驚いた。
「少し笑いのネタにされているようなとこがあるけど、サッカーを長くやって良かった。」
私がサッカーをやっていて初めて心の底から思った言葉である。
念願のシュート!
高校のサッカー部