沖縄 西表島・石垣島 4日間


2004年9月20日

朝は、朝日を撮りに、昨日の星砂海岸へ向かう。
日の出の頃は、ちょうど干潮の時間で、昨日とは全く違った光景になっていた。泳いでいかなければならなかった島も、今朝はすぐ近くまで歩いていけそうだ。

私は、太陽が顔を出す前の、この紫色の空がとても好きだ。
でも、この色が楽しめるのはほんのわずかな時間。太陽が昇り始めると、刻々と空は表情を変えていく。
空のグラデーションが美しい 海も太陽の反射で、赤く染まっていた


朝日を撮ったら、とりあえずホテルに帰って朝食だ。
昨日は気がつかなかったのだが、ホテルの中庭には、たくさんのダイビングの機材が干してあった。どうやらこの島には、多くのダイバーが集まるらしい。

食事がすんだらチェックアウト。
今日は浦内川クルーズに出発だ。


浦内川は沖縄県最大の川で河口付近の川幅は200mを越える大きな川だ。浦内橋を出発した遊覧船は、約8キロのクルーズで、「軍艦岩」と言われる船着場に着く。
この間、川の両側に広がるのは、マングローブの原生林。亜熱帯のジャングルが川の両側に広がる中を、船で進んでいくのだ。
まさしくジャングルクルーズそのもの。本当にここは日本なのだろうか・・・なんて思ってしまう。



マングローブという植物は存在しない。マングローブというのは、熱帯の海岸沿いの海水と淡水が混じりあう場所に生育する植物の総称なのだ。
高山植物という名前の植物はないのと同様に、マングローブというのは一つの木の名前ではなく、潮の満ち干にさらされる海岸や河口近くの植物全体を指す言葉なのである。
マングローブと呼ばれる植物は熱帯や亜熱帯に90〜100種類ほどあるといわれている。
ここで見られるのは、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、マヤプシキ、ヒルギモドキ、メヒルギ、ニッパヤシなどである。
他にもシダの群生など亜熱帯の植物が生い茂り、また、野鳥の姿もあちこちで見かけた。
→ このように、ヤエヤマヒルギの根は、幹を支えるようにタコ足状に四方に伸びている。 「支柱根」は水を吸う働き以外にも、不安定な泥地で自分の体をしっかりと支えるという役目もあるんだって。


「軍艦岩」の船着場まで、途中説明を聞きながら約30分で到着だ。 船着場から、山道を約45分登ると、マリユドゥの滝を見ることができる。
滝を見に行きたい人は、ここで船を降りる。もちろん、下船せずにそのまま船で帰る人もいる。
船を降りる人には、迎えにくる船の出発時間が告げられる。その時間に遅れないように、船着場まで戻らなければならないのだ。

実は、私の沖縄旅行で一番楽しみにしていたのは、青い海を見ることではなく、ジャングルを歩くことだった。亜熱帯のジャングルの中を歩くなんて、考えただけでもワクワクしちゃう♪
しかし、歩き始めるとそんな気持ちはどこかへ吹っ飛んでしまった。(笑)
道自体は、悪いものでない。舗装はされていないけど、きちんと踏み固められている一本道だし、登り坂も緩やかでさほどきついものではない。
木の根が張り出しているので、それにつまづくことさえ注意すれば、小さな子供だって、お年寄りだって歩けるところだ。

しかし、この日はとにかく暑かった。
いや、気温的にはそれほど暑くはないのだろう。せいぜい30℃といったところだろうが、とにかく湿気がすごいのだ。
人間っていうのは、これほどまでに汗をかけるのかって驚くほどの汗が流れてくる。シャツはもちろん、ジーンズまで汗で湿ってくる。
こんなのだったら、通気性の良いトレッキング用のズボンにすればよかったって思ったけど、後の祭りである。
それに加えて、カメラ機材&三脚がいつにもまして、ずっしりと重く感じられ、結構厳しいトレッキングだった。

← サキシマスオウの木。

歩き始めて、どれくらいたっただろうか。
マリユドゥの滝が見える展望台についた。ここでちょっと休憩。小さな東屋に座ると、通り抜ける風がとても心地いい。
ああ、もう歩きたくないなって思うけど、気を取り直してマリユドゥの滝に向かう。ここまでくれば、滝はもうすぐなのだから。
展望台からマリユドゥの滝までは、ほんの数百メートル。道はほぼ平坦なのだが、木の根や大きな石があったり、ぬかるんでいるところがあったりと、あまり歩きやすい道とはいえなかった。
ほどんどの観光客は、先ほどの展望台で引き返してしまうのか、展望台を過ぎると、ぐぐっと人の数が減ったように感じた。


マリユドゥの滝が近づくと、轟音が聞こえてくる。
このマリユドゥの滝は、日本の滝百選にも選ばれている美しい滝だ。落差は約4mと小さいが、幅が約20mあり水量は豊富である。
特に、私が行ったのは台風の後だったので、水量が多く、ものすごい轟音を立てて水が流れるさまは圧巻であった。
マリユドゥとは島の言葉で「円い淀み」という意味だそうだ。

今まで鬱蒼としたジャングルの中にいたのに、滝の周りは日陰がなくて、強烈な直射日光が照り付けてくる。
半袖を着ていたら、すぐに真っ黒になってしまうだろうな。
でも、豊かな水の流れは見ていてとても気持ちがいい。しばらく腰を下ろして、そんな滝の様子を眺めていた。
希少種といわれるアカイトトンボを見ることができた。

このマリユドゥの先を、10分くらい歩くと「カンビレーの滝」がある。残念ながら、時間の都合で、この滝までは足を伸ばすことができなかった。
カンビレーとは「神々の座」という意味で、昔、島の神様たちはこの滝の回りに集まって、会議をしたのだといわれている。

このジャングルクルーズ&トレッキングは、オススメだ。
だいたい旅というのは、日常から非日常へと我々を誘ってくれるものだが、西表島のすごい自然はまさしく非日常である。
っていうか、こんなところが日本にあるなんて思いもつかなかったもの。

指定された時刻に、船着場に戻る。
帰りのクルーズでは、何艘かのカヌーを見ることができた。私たちが遊覧船で来たルートを、自分たちでカヌーを漕ぐこともできるんだって。
楽しそうだけど、疲れそう。東京ディズニーランドのカヌーでさえも、結構ハードだと思っている私には、無理だろうな。

クルーズを終えたら、港に向かい、石垣島へ移動する。
西表島から石垣島へは約40分。船室の中は、エアコンが効いてて、極楽、極楽♪
早起きしたのと、山歩きの疲れからか、席に着いたとたん爆睡。

石垣島のお宿は、日航ホテル八重山。チェックインの前に、撮った夕陽です。


■ひとくちメモ
浦内川クルーズの遊覧船では、進行方向に向かって左側の席を取ったほうがいいと思います。ガイドさんの説明は、左側のほうが多いように思いました。帰りも同じルートで戻ってくるのですが、帰りは説明なしのノンストップで戻ってくるので、行きに左側に座りましょう。
また、船を下りてしまうと、そこには自動販売機などは一切ありません。船に乗る前に、飲料水などは用意しておきましょう。


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