イエローストーン&グランドティートン国立公園 7日間



■■ 旅を終えて ■■

1872年3月、世界初の国立公園として誕生したイエローストーン。(日本では福沢諭吉の「学問ノススメ」が出された年)
そこでは、美しい白いテラス、数々の温泉群、豪快な滝と壮大な渓谷、ゆったりと流れる川と平原、花が咲き乱れる草原地帯など、さまざまな表情を見ることができる。
ロッジなどの建物は自然に溶け込むようにつくられ、たくさんのプールやガイザーへ、滝へと歩きやすいボードウォークが続いている。自然を傷つけないよう、保護しようと配慮していながら、私たち訪問者がその自然を充分に楽しめるように作られているのである。

以前行ったハワイ島でも、地球のパワーをひしひしと感じたけれど、ハワイ島とイエローストーンは全く異なったところである。
ハワイ島は、ドロドロの赤いマグマが流れ(私は見えなかったけど)、すべての生命を否定するかのような真っ黒な溶岩台地が一面に広がっている様は、恐怖さえ覚えるほどだった。
しかし、イエローストーンで感じる地球のパワーは、同じ地熱活動でも、もっともっと穏やかで優しいものであった。
石灰岩で作られた美しいテラス、天高く吹き上がる間欠泉、色鮮やかなプールなど。どれも地球のパワーを強烈に感じつつも、溶岩台地のようなおどろおどろしさは少しもない。
草の1本も生えないような溶岩台地とは大きく異なっているのは、イエローストーンでは木々が育ち、花が咲き乱れ、多くの動物たちが住んでいることだ。生命感に溢れた美しい場所であった。

小さい頃から、ずっと行きたかったイエローストーン。
ロボはこの平原を駆けていたんだろうか?峰の王者フラッグも、あの断崖にいたのかしら?なんて、物語のひとつひとつを思い出しながら周った5日間の旅。まるで、初めて本を読んだときのように、心を躍らせて毎日を過ごすことができた。
立ち枯れた木々が痛々しかったが、新しい木たちも確実に育っている。イエローストーンがもとの緑に溢れた地域に戻るのも、そう遠いことではないだろう。
命はこうして継承されていくんだね。そしてイエローストーンの美しい自然の中で、ロボやフラッグの子孫たちがいつまでも安心して暮らせるように、心から願わずにはいられない。



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