イエローストーン&グランドティートン国立公園 7日間



2004年7月20日その1

私たちの車は、イエローストーンへと戻ってきた。
この頃になると、青空が広がってきていた。気温も高くなっていて、昨日大雪が降ったなんて信じられないくらいの快晴だ。
でも、南門で聞いたところ、まだ東門は閉鎖中だという。

ヘルガは、ランチの前にWest Thumb Geyser Basin (ウエストサムガイザーベイスン)へ連れて行ってくれた。
「ここはすっごくすてきなところだから、最後に取っておいたのよ」なーんて言ってたっけ。

ここは、イエローストーンレイクのウェストサムの湖岸に広がる、大きなガイザーベイスンである。
イエローストーンレイクの西側に、親指のような形で飛び出している湖の部分をウエストサムと呼んでいる。
ここは15万年に起こった大きな火山爆発によって形成されたものである。火山の爆発によってカルデラができ、その後、そこに水が満たされてイエローストーンレイクがができたのである。


駐車場からボードウォークに沿って歩いていくと、大きなガイザーベイズンが広がっており、色も形も形状もさまざまなプールを見ることができる。
今まで見てきたベイスンと趣が違うのは、後ろに透明な水をたたえて、静かに横たわっているイエローストーンレイクが広がっているせいだろうか。
ここでは、とても気持ちがいい、そして絵になる風景を堪能することができる。





これはAbyss Pool (アビスプール)。
このエリアで一番有名なプールのようだ。
Abyssとは「深いふち,底の知れない深い穴」といった意味であるが、このプールのあまりの深さから1935年にこう名づけられたという。
1871年には、今春の「明るい日光中の透明な深さの紺青色調は、かつて見た中で、最もまぶしく美しい光景だった」と調査報告書に記されている。
その通り、とても美しいプールであった。


→ こちらはBlack Pool
どうしてこの色でブラックプール?って思うでしょ。
このプール、昔はバクテリアの影響で、その名のとおりの真っ黒な色をしていたんだそうだ。
しかし、ある日突然、地熱活動によって急激にプールが沸騰し始め、生息していたバクテリアはすべて死滅し、このようなきれいな青色のプールになってしまったのだそうだ。
けれど、名前は以前のままのものが使われているので、こんなふうに名前と姿が全く違うプールなのである。



イエローストーンレイクは、透明度が高く、とてもきれいな湖だった。

Fishing Cone(フィシイングコーン)は、イエローストーンレイクの中に位置するコーン型の温泉である。
ここからは沸騰した温泉が湧き出ているので、昔の釣り人たちは、釣った魚をこのコーンの中で茹でて食べたと言われている。
しかし、事故も多かったらしい。一時期はこのコーンは40フィートも熱湯を噴出することがあり、近くに寄るのは危険だったのだ。
実際、1921年には1人の釣り人がここで大やけどを負ったそうである。
現在では、ここで釣りをすることも、フィッシングコーンで調理することも禁止されている。


→ Twin Geyser
名前のとおり、同じような大きさのガイザーがふたつ並んでいる。
周囲の茶色いのは、バクテリアが生息しているのだ。白い部分は、温泉の中に含まれている石灰質。

このほかにも、このベイスンではマッドポッドなど、いろいろな地熱活動を見ることができる。
同じエリアにありながら、プールの色は全く違うものだし、大きさも形もさまざまだ
自然のパワーってすごいねぇ。

時計は今日もピクニックランチ。
イエローストーンレイク沿いのピクニックエリアで食べることにする。
私のリクエストで、ジャクソンでベーグルを買ってきたのだ。これがとってもおいしいベーグルだったの♪
生野菜やソーセージ、クリームチーズなどをはさんでいただきまーす。
「カルシウムもとらなきゃよっ」って、ヘルガはヨーグルトも買ってくれていた。(^^)
やっぱり自然の中で食べる食事っておいしいね♪
日本に帰っても、たまにはお弁当をもってどこかにピクニックに行こうかしら・・なんて思っちゃいました。

ランチがすんだら、もう帰らなければならない時間である。動物ウォッチングをしながらボーズマンへと向かう。何だかほんとうにあっという間の旅行だったな。
イエローストーンに来る時は北門から入ったけど、帰りは西門からボーズマンへ向かう。西門からボーズマンまでは約1時間半くらい。
でも、ずっと憧れていた場所で本当にいい経験ができた。


ボーズマンに着いたのは6時を過ぎた頃だった。
ヘルガとはここでお別れ。本当にすばらしいガイドと出会えて、私たちの旅は最高のものになった。
いくらお礼を言っても、言い足りないくらい。
一緒に過ごした時間がすばらしいものであればあるほど、お別れは悲しくなる。

アメリカ最後のディナーでは、初めて子牛の背中の肉を食べたけど、思っていたより柔らかくておいしかった。
楽しかった旅の思い出を語り合いつつ、赤ワインで乾杯。
来る前は「イエローストーンって何だ?」なんていっていたダンナ。私が無理やり決めた旅だったのだが、彼が「すごいところに来たねぇ。良かったねー。」と言ってくれたのは本当に嬉しかった。


● ひとくちメモ
私たちは、イエローストーンで連泊する方が楽かなと思い、1日目ボースマン、2,3日目ウエストイエローストーン、4日目ジャクソン、5日目ボーズマン泊という日程にしたのですが、ジャクソンからボーズマンまで一日で移動するのはかなり疲れます。
むしろ、1日目ボーズマン、2日目ウエストイエローストーン、3日目ジャクソン、4日目ウエストイエローストーン、5日目ボーズマン泊という日程にすればよかったなと後悔しました。

また、イエローストーン国立公園では、ほとんど日本人に会うことがありませんでした。公園に滞在中、ほんの数組にあったくらいです。
まだまだ日本では知名度が低いのかもしれませんね。

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