インド ベンガルドラを見に行こう 10日間




2006年12月06日 その2

さあ、この午後からのサファリが私たちのラストサファリです。エリアはゾーン2、初めてのエリアです。ここには、オスとメスのトラが生息してるのだそうです。

ガイド&ドライバーもそれを知っているので、なんとかトラをみつけようとがんばってくれます。
ラストサファリのガイドは、パプルとビベック。2人とも本当にすばらしいガイド。
道に残った足跡に目をこらし、また、鳥類のWarning Callに耳を傾け、一生懸命トラを探してくれます。

といっても、簡単にトラの姿を見つけることはできませんでした。

野営をしているおじさんは、トラの保護だけでなくいろいろな調査作業もしています。
これは、足跡の型をとっているところのようです。

このおじさん、近くの草むらを指差して何か言っています。
どうやら、ちょっと前にその草むらの中にトラが入っていくのを見たそうです。多分、その草むらの中で寝ているよとのことでした。
しばらく車を停めて待ってみますが、トラの気配は全然感じられません。すっかりお昼寝中なのでしょうか。
鳥や他の動物のWarning Callもまったく聞こえず、風が草を揺らす音が聞こえるのみです。

最後のサファリでも、トラに逢えずじまいかな・・・時間が経つにつれて、そんな考えが頭に浮かんできます。


ちょっと面白いものを見つけました。
1頭のサンバーが、地面にあいた穴に頭を突っ込んでいます。
どうやら土を舐めているみたいです。
ガイドの話によると、こうして土を舐めることで、土に含まれるミネラル類を摂取しているのですって。
生きていくための野性の知恵ってすごいものですね。





川原にいたのは、Red-headed Vulture ミミハゲワシ
ピンク色のハゲた頭と首、足が黒い体によく目立つ鳥です。
猛禽類は、やっぱり目が厳しいですね

Black-shouldered Kite(カタグロトビ)
翼の肩が黒く、他は白色で、目の虹彩は赤いキレイな鳥です。
ねずみやモグラを捕るんだそうです。
小型で警戒心が強い鳥のため、めったにその姿を見ることができないそうです。
ガイドが「うわっ!」と興奮気味に指差して、「撮れ撮れっ」って言ってました。
午後からもずっとトラを探し回ったけど、とうとう逢えずじまいでした。
時間だけが無常にも過ぎていき、太陽が西の空に沈もうとしています。ああ、これでサファリも終りなのね。最後にトラに逢えなかったのは残念だなー。
でも、これは仕方ないよね。それでも滞在中に、何回かは見ることができたんだから良しとしなきゃ。
残念な気持ちを抱きながらも、私は自分自身にそう言いきかせていました。Hさんも、そしてドライバーもガイドもあきらめかけていた頃でした。
双眼鏡を覗いていたパプルが、突然車を発進させました。

え?え?

何と彼は、草の中にいるトラを見つけたのです。そして、トラが歩いてくる方向に車をつけてくれたのです。

他の車も、あわてて続きますが、やっぱり早い者勝ちです(^^)V

彼のおかげで、草むらからでてきたところをばっちり撮ることができました。
だけど、トラの進む先にはまたすぐに草むらが・・・
ここに入ってしまったら、姿が見えなくなります。
夢中で、シャッターを押しました。



陽が沈みかけている頃に、動くものを撮るのだから、ブレブレになってしまいますが、
それでもシャッター押しちゃいます。
最後に、こうしてトラの姿を見ることができたのが、嬉しくて嬉しくて・・・・

何枚か撮ったうち、1枚だけ流し撮りに成功しました。


そして、すぐに草むらの中へ姿を消しました。

やっぱりトラの姿はきれいですね。
これは、3歳の若いメスのトラ。あのマチリの娘だそうです。
最近、親から離れて単独で行動するようになりました。
このエリアには、他にオスのトラもいるのですが、まだカップルにはなっていないようです。
若いメスということで、これから子供を産んでくれることをみんなが期待しているんだそうです。


しばらくすると、草むらの先に広がっている林の仲に、トラの姿が見えました。
木に、お約束のマーキングです。



そして、林の中に消えていきました。


時間にしたら、ほんの僅かな間だったと思います。
それでも、あきらめかけていたギリギリ最後に、その姿をもう一度見ることができて、本当に幸せでした。
私たちの祈りが通じたような気がしました。

きっと、最後にトラに逢えないままだったら、明日の出発は後ろ髪ひかれるものがあったと思います。
できるなら、ここでもう1泊延泊しちゃおうか・・・そんなことも頭をよぎりました。
だけど、こうして僅かな間でも最後にその姿を見ることができて、すっきりした気持ちで最後のサファリを終えました。


最後のディナーには、お世話になったガイドのパプルとボビーを招待することにしました。
サファリ中は、あまりお喋りはできないのですが(人の声で動物が逃げてしまうし、ガイドが集中してトラを探しているときに、声はかけにくいものです)、サファリでなければいくらおしゃべりしても大丈夫。
ビールも入り、ほろ酔い気分で、トラのことはもちろん、家族のことや、インドの観光のことや、いろいろなことをおしゃべりし、楽しい時間を過ごすことができました。

パプルは、翌週にはここランタンボールを去り、バンダウガル国立公園に行くことになっているそうです。
彼は、今までもスンダルマンやサリスカなど、いろいろな国立公園でタイガーサファリのガイドとして働いてきているのですが、これからはバンダウガルが良いと判断したようです。
彼にとって、私たちのサファリが、ここでの最後の仕事だったのです。
次回は、きっとバンダウガルにも行くからねと、再会を約束しました。


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