インド ベンガルドラを見に行こう 10日間




2006年12月07日 その1




今日はランタンボールを出発し、アグラへ向かいます。
約250km、6時間くらいかかるそうなので、朝6:00に出発です。
私たちの車はこれ。インドのTATA社製のものです。このクラシックタイプの乗用車は、主にタクシーや観光用に使われているそうです。
乗り心地はそんなに悪くないですが、窓を閉めていても砂が社内に入ってくるのにはマイッタ・・

インドの道は、すべてが舗装されているわけではありません。ガタガタ道のところも多く、スピードを出せないところもあります。
そして、道路事情が全く読めないのです。
だいたい6時間くらい・・と言っても、交通渋滞というか、野良牛渋滞もあるし。牛が道を歩いていれば車はどうしても止まらなければならなかったりするのですよ。
とにかく余裕をもって行動しないとならないのです。

出発から2時間ほど走って、朝ごはんタイム。出発が早くて、ホテルで朝食を取れる時間ではなかったのですが、スタッフがサンドイッチを作って持たせてくれました。
街のチャイ屋さんでチャイを頼み、サンドイッチをいただきます。
チーズサンドイッチとゆでたまご、サモサ、バナナ、ジュースが入ってました。おいしかった。
チャイは、こうやって小さなガラスのグラスに入っていることが多かったです。
小さなガラスのグラスに入ってます。
あまりキレイとは言えないグラスだけど・・
インドのパンはおいしかった。
サモサもスパイシーでGood
チャイって量は少ないんですが、かなり甘いのでこれくらいの量でちょうどいいのかも。チャイ屋さんは、あらゆるところにあって、地元の人で賑わっています。
インドはまだまだ男性社会。チャイ屋さんでたむろっているのは男の人ばかりです。女性が外に出るのは、買い物や畑仕事の時くらいで、外でお茶をするようなことはほとんどないのだそうです。デリーやムンバイなどの大都市では外で働く女性も増えてきているけど、田舎町ではまだまだなのです。
また、チャイは絶対ホテルの中のティールームや高級レストランよりも、こうした道端のチャイ屋さんのほうがおいしいのです。
最初はちょっと勇気がいるけどね(笑)

このチャイ屋さんで休憩中、お葬式の列を見ました。さすがに写真は撮れませんでしたけど。
ご遺体は白い布で包まれ、戸板に乗せられて運ばれています。そして、薪を手にした村人達が続きます。この薪が火葬に使われるのです。
インドでは、ヒンズー教の聖地ベナレス(バラナシ)で生を終え、遺灰は聖なるガンガー(ガンジス川)に流されるが最高の幸福と言われていますが、当然すべての人がそうできるわけではありません。
そうすると、自分の村の河辺で火葬にされ、そこから遺灰を河に流すことになるのです。ヒンズー教にはお墓というものがないのだそうです。

朝ごはんが終わって、さあ出発。
朝早かったので、眠さでウトウトするんですが、インドでは車の中で寝ることなんかできません。
道が悪いというだけでなく、とにかくクラクションがうるさいんです。日本だと滅多なことがなければクラクションって鳴らさないでしょ。
インドではそうではないのです。逆に、前の追い越すときには必ずクラクションを鳴らすのがマナー。安全のためなんですね。
といっても、とにかくうるさい!これにはウンザリでした。

長時間のドライブですが、いろいろな街の様子が見れたし、果物やピーナッツを買い食いしたりしながらなので、それはそれで楽しかったです。
たいした渋滞もなく、無事にお昼すぎにアグラ到着できそう・・でした。
が、もうすぐアグラというところで、突然大渋滞が・・・。道路には前にも後ろにも横にも車がビッチリで身動きがとれません。で、その間を人やら牛やら山羊やらが歩いているのでもうどうしようもない。
聞いたところによると、この街の農民が暴動を起こして、道路が封鎖されたのだそうです。大渋滞はそのせいでした。
こういうことは珍しいことではないようで、だからインドの移動には余裕を持たなければならないということらしいです。なるほどね・・・
アグラに向かうには、回り道して、別なルートで行かなければなりません
1時間ほどロスしてしまいましたが、どうにか13:30頃アグラ到着。

「昼食はインド料理以外のものがいい」とリクエストして、中華料理屋さんに連れて行ってもらいました。(写真なし)
野菜炒めも、焼きそばもおいしかったけど、やっぱりほんのりカレー味。インド風中華料理でした。

さあ、タージマハールへ向かいましょう。
タージマハールはインドで一番有名な建築物。もちろん世界遺産です。実はこれ、イスラム教のお墓なんですよ。お城ではありません。
ムガール帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが、亡くなった最愛の妻ムムタールために1632年から22年の歳月をかけて造営したもので、1983年に世界遺産に登録されました。

最近では車の排気ガスや工場からの排煙による大気汚染のため、白亜のタージマハールも大理石の劣化がひどいようで車でアクセスすることができなくなっています。
離れた駐車場に車を停め、そこから電気自動車に乗り換えます。そして車を降りてから500mほど歩かなくてはなりません。
手荷物検査・ボディチェックも厳しく、大きなバッグはダメ。時計とカメラ以外の電子機器も持ち込み不可(ビデオは有料)です。

さあ、タージマハールとご対面。

私、人間が作った建造物には全然興味がないんですが、このタージマハールの美しさは別物でした。素直に感動・・・。
本当に美しい。まさしく究極のシンメトリーの美しさですね。

写真ではわかりづらいですが、周囲の4本の塔はほんの少しだけ外側に傾いています。
これは、地震等の災害で、万が一塔が倒れることがあっても、外側に倒れるようにしておけば、タージマハール本堂に傷をつけないようになっているんだそうです。


タージマハールが池に映り込むところが、撮影スポットなんだそうです。
カメラを持っていると、親切なオジサンが「こっちのほうがいいよ」と連れて行ってくれるのですが、ただの親切なオジサンではありませんのでご注意を。
そう、撮影ポイントを教えてチップを要求するというれっきとした商売人です。

タージマハールの美しいときは、サンライズとサンセットの時間だと言われています。白い建物がピンク色に染まっていく様子はそれは美しいそうです。
だけど、それよりも美しいのが満月の夜のタージマハールだそう。
宵闇の中に、月光で蒼く光るタージマハールの姿は、それは幻想的ですばらしいそうです。
が、実際にはここに入れるのは日没までなので、月夜のタージマハールを見ることはできないのです。




タージマハールの美しさは、その外観だけではありません。
壁面のアラベスク模様、華麗な浮き彫りや透かし彫りなど、細部まで完璧な芸術でした。
細かい装飾がお分かりになるでしょうか。

この建物に使われた白大理石は、ラジャスタン州ジャイプール郊外から、水晶は中国から、青いラピスラズリの石はスリランカから、赤メノウはバグダッドから、金はエジプトからと世界各国から集められたそうです。

しかし、この時代に300キロも離れたジャイプールから、これだけの大理石をどうやって運んだんでしょうね。そんなこともあってか、タージマハールは「世界七不思議」のひとつなのです。
が、2007年に世界七不思議が改訂されるらしく、ネットで投票が行われているそうです。
ガイドから「タージマハールに一票入れてね」とお願いされました。

タージマハールの本堂内にも入ることができます。(写真撮影は不可)
しかし、ここはイスラムのお墓なので、本堂に入るには靴を脱がなければなりません。外国人には入り口で靴カバーを配っているので、それをつければOKです。

皇帝が愛する妻のために作ったタージマハールは、インド人の「愛の象徴」と呼ばれています。ここでデートして、プロポーズするインド人カップルも多いらしいです。



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