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52通りのエンディングテーマ


〜 第22回 〜 2002.03.01 Fri

「 思い出 」


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あなたにとって

春の訪れは、どんな瞬間ですか?



DeepでSweetな音楽との旅
52通りのエンディングテーマ
こんばんは。今井美樹です。

金曜日のこの時間、あなたは
どこで誰とどんなふうに過ごしていますか?

え〜ここでは、恋人たちの時間、
友だちとの語らい、そして一人の時間。
日常のなにげないシーンで感じる
いろんな気持ちを切り取って、
わたくしが選ぶ音楽と一緒に、
みなさんにお届けします。

ここで、忘れていた何かを少しだけ
思い出してみてください。


今日のシーンは、「思い出」

そして、エンディングテーマは?・・・

どうぞ、お楽しみに。







(水辺の水の音)


「風が気持ちぃ〜♪」


仕事で外へ出た帰り道、私は、
少し遠回りをして、水辺を歩いていた。

暖かくなった風を感じながら、
つかの間の散歩を楽しむ。

やわらかい春の光に包まれながら、
私は、穏やかな気持ちになっていた。



*** Nara Leao 「 O Bargainho 」***


*** 松任谷由実 「 最後の春休み 」***



(小鳥のさえずり)


「卒業式かぁ〜」


水辺を通り過ぎると、
大きな校舎が見えていた。

校庭を横切る瞬間、花束や、
筒に入った卒業証書を持った生徒たちの、
はしゃいだ声が聞こえてくる。

その声に誘われるように、
私は、遠い昔のことを思い出していた。


そういえば、あの頃、
淡い想いを抱いていた彼は、
どうしてるんだろ?


「もう会えなくなるね」


って、卒業式の日に私が言うと、
彼は黙ったまま、
何も答えてくれなかった。

本当は、


「そんなことないよ! いつでもまた会えるよ!」


な〜んて (笑) 笑って言ってほしくて
言っただけだったのに。


「もう会えなくなるね」


それは、今思うと、
幼かった私が、精一杯大人ぶって言った、
感傷的な言葉だったのかもしれない。



結局彼とは、
そのまま会えなくなってしまった。

映画のような偶然の再会も、
訪れることはなかった。



淡い日差しの中で揺れている、
遠い記憶。



(携帯電話のベルの音(3コール))


「はいもしもし。 あっ。 はい わかりました」


会社からの電話で、
私は急に現実に引き戻された。

思い出は、いっぺんに
どこかへ消えてしまった。

だけど、春先の、
まだ淡いこの季節になると、
なぜか時々、あの思い出がよみがえる。


もしかしたら、あの思い出が、
私にとっての「春の訪れ」
なのかもしれない。



*** 矢野顕子 「 また会おね 」***







いかがでしたでしょうか。


お届けした曲は、

Nara Leao で 「 小舟 」
松任谷由実さん で 「 最後の春休み 」

そして、エンディングテーマは、

矢野顕子さん で 「 また会おね 」

3曲 お送りしました。


え 今日は、「思い出」、という
テーマでお送りしましたけれども。
なんかね、この季節、になるとやっぱり、
私だけじゃないと思いますみなさんもきっと
そうじゃないかなと思うけど、なんだかやっぱりこう、
「きゅん」っとする(笑)っていうかこう感傷的になる、
あの、そういう、特別な、思い出みたいなのが、
あるんじゃないかな〜なんていう気がしていますが。

なんだろうねやっぱり思い出って、あの〜、
ほら、どんどん風化していく思い出と、
どんどん 美化 されてしまって とてつもなく美しい、
なんか、出来事になっている思い出と(笑)、
あると思うんですけど。

なんかね〜やっぱりこの、
春を迎えるっというこの季節〜になるとねぇ、
あたしはやっぱり、宮崎という、田舎から、
東京に出てくるという、あの、本当に、
学生〜〜を卒業して、これから東京で、
暮らしていくんだっていうあのときのね、あの頃のなんか、
あの〜 お天気のいい日の、木々の緑だったりとか、
学校の〜、校庭のところの、なんか
ある角度から見た校庭の風景だったりとか、
なんか野球場のグラウンドで 練習している
野球部のコたちが練習している、声とかね。
な〜んかね、すごくねそういう、なんかこういろんな、
ちょっとしたことなんですけど、
記憶がいつもこう湧き上がってくるんですよね。

で、そこに私はべつに登場もしないし、
あの頃なんか恋〜してた、人のことも
べつに全然出てこないし、(笑)
だけど、ただなんか、風景と、
あの頃のなんか風の匂いのようなものとか、
キラキラ光るような光とかね、
そういうものだけがいつまでもずーっと美しく美しく、
鮮やかに、記憶の中に、え〜残ってくれています。

ま 東京に来てからはね、まぁ 本当に、
えっといろんな、出来事がやっぱりあったけど、
うん春の頃にオンエアーになるっていう、
ドラマをちょうど撮影していた 頃のねぇ、
なんかその瞬間の、やっぱり景色だったり、
そういうものを思い出してたり、最近だと、
え〜と 「BRAND」のドラマ撮影中のことだったり、
ずいぶん昔だと「春一番が吹くまで」って
ドラマをやったんですけど、
あの時のロケ、をした代々木公園の、
え〜と緑だったりとかね。
そういうのがねほんとに、大切な春の思い出として、
あたしの中にあります。

うん みなさんのまた、この 季節の 思い出〜話も、
いつか、聞かせてほしいな〜と思っています♪


え〜さてこの番組では、みなさんからの
とっておきな素敵なシーンもお待ちしています。
いただいたメッセージをもとに、
その素敵なシーンにぴったりの
エンディングテーマをわたくし今井美樹が選んで
みなさんに お届けいたします。
え〜番組への感想、ご意見なども お待ちしています。

宛先は、郵便番号102の8080 TOKYO FM
今井美樹 52通りのエンディングテーマの係まで。
え FAXは、東京03−3221−1800
東京03−3221の1800番まで、
どんどん 送ってください。


52通りのエンディングテーマ
選曲・ナレーションは 今井美樹
構成 ひらかわみえこ(※)で お送りしました。


それでは、また来週〜。
季節の変わり目。
みなさん身体に気をつけてね♪
今井美樹でした。
じゃあね〜♪ バィバ〜ィ♪。。。







DAIHATSU フライデーナイト・スペシャル
今井美樹Produce 52通りのエンディングテーマ
「 Goodが、ギュッと。」のダイハツがお送りしました。



(※) 申し訳ありません。漢字を存じません。
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