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52通りのエンディングテーマ


〜 第26回 〜 2002.03.29 Fri

「 旅立ち 」


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お引越しをする人

あなたの周りにも いませんか?



DeepでSweetな音楽との旅
52通りのエンディングテーマ
こんばんは。今井美樹です。

金曜日のこの時間、あなたは
どこで誰とどんなふうに過ごしていますか?

え〜ここでは、日常のなにげないシーン、
あるいは、何か素敵なこと、切ないことが起こった瞬間、
そんな様々なシーンで感じるいろんな気持ちを切り取って、
あたくしが選ぶ音楽と一緒に、
みなさんに お届けいたします。

ここで、忘れていた何かを少しだけ
思い出してみてください。


今日のシーンは、「旅立ち」

そして、エンディングテーマは?・・・

どうぞ お楽しみに♪







(掃除機の音)


「え〜っと、これで大丈夫かなぁ」


最後の荷物を、ダンボール箱に詰めた。

その傍らから、どんどん荷物が運び出されてゆく。

感傷的な気持ちに浸る暇もないほど、
規則正しいリズムで、事が進んでゆく。

あたしは、ただただ、その風景を見守っていた。


(掃除機が止まる)


春の午後。

新たな旅立ちが、始まる。



*** Joni Mitchell 「 Help Me 」***



「いろんなことがあったな〜」


荷物が運び出された部屋は、妙に広かった。

その広さの中で、
ここで過ごした長い年月のことを想う。


それまで、思い通りに生きてきた私が、
仕事で初めて感じた挫折感。

何人もの友だちに、そして 彼に、
話しても話しても、心を上手く消化できずに、
ここで、独りで泣いた。


思いっきり泣いたあと、

「結局壁を乗り越えるのは、他の誰でもない。
自分自身なんだ」

そんなあたりまえのことに気づいた。


あの夜、もしかしたら、
私が少し大人になった瞬間だったのかもしれない。



*** 今井美樹 「 春の日 」***



〜 〜 「 春の日 」 間奏にて 〜 〜


あれから、もっと自分の夢に近づくため、
私は、この街を離れることにした。

住み慣れた街を離れるさみしさ。
友だちとあまり会えなくなるさみしさ。

そんなものがないと言えば嘘になる。

だけど、その穏やかさより、
今は、自分の夢を選ぶことにした。


〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜



「ちょっと遠いけど、絶対に遊びに行くからね♪」

そう言ってくれた友だちの顔が、浮かんでは消える。




「そろそろ行こうかなぁ」


(サッシの窓を閉める音)


窓の外には、桜が咲き始めていた。

沈みかけた夕日が、桜を照らす。


ここで観る最後の風景。

その美しさを、私は今の気持ちと共に、
深く刻み込んで部屋を出る。


そして、新しい街への一歩を、踏み出した。



*** 今井美樹 「 Goodbye Yesterday 」***







いかがでしたでしょうか。


お届けした曲は、

Joni Mitchell で 「 Help Me 」
今井美樹 「 春の日 」

そして、エンディングテーマは、

今井美樹 で 「 Goodbye Yesterday 」

3曲 お送りしました。


今日は「旅立ち」ということで
お引越しのシーンをお送りしましたけれども。
ほんとにこの季節、え〜、いろんなところで、
いろんな旅立ちのシーンが、え〜行われているというかね
出来事が、え〜 ある、季節ですよね。

あたしも、宮崎という、え〜(笑)田舎から、
東京に、一人で、え〜出てきた〜 身としては、
なんかこの季節っていうのはね、やっぱり、
いつになっても特別な(笑) なんかこう
「きゅん」とする想いが あったりするんですけども。

あの〜、この、本当に季節の変わり目というか、
新しい、学校が始まったり、いろんな意味での、
旅立ちというだけで なく、あの〜、日々の日常の中でも、
私たち、いろんな、出来事が、え〜と小さな、自分だけの、
え〜と旅立ち、そして新しい出逢いみたいなのが
いろんなところで繰り返されてるんじゃないかなと思いますが。

でも、やっぱりね、あの〜、何かから、こう、
今の自分、自分の想いが、こう さよならを一回告げて、
新しく出発するっていうのはとても勇気が、いることだし、
え〜人の旅立ちもやっぱりそうやって、あの〜、
ほんとはね 前向きに 見送ってあげたいと思いつつ、
残された、自分はなんかとてもこうさみしい、
という感傷的なところに浸ってしまったり(笑)、
はまっちゃったりっていうこともやっぱり、あるかと思いますが。

でも、なんだろうやっぱり、自分自身で、こう、意を決して?
うん、「明日への一歩を踏み出そう」と 決めて歩き出した、
新しい、その、出発というかね そういうものっていうのは、
他の誰にもねわかってもらえなくても自分だけの真実が
そこにはあったりするわけで、私の中の真実があるということは、
あの人の中にも真実があるしこの人の中にもきっと、
あたしには、まだわからないけど、その人の真実があるみたいな、
そんなことで、え〜といつの日か、あの、その人の、背中を?
え〜っと、小さな拍手を、して、見送ってあげられるような、
そんな人に なりたいな〜と、若い頃にやっぱり、
え〜 思ったりもしました。

今はね〜 そうやって口では言ってるけど
なかなかできてるかどうかわかりませんが、
え〜と〜ほんとに「Goodbye Yesterday and Hello Tomorrow」
という言葉 じゃないけど、そういうふうに、自分の 旅立ちも?
新しい出逢いも? そういうふうに受け止めて、人の、旅立ちも出逢いも
そういうふうに、え〜、笑顔で見送ってあげられる、
そういう、大人で、ありたいと、これからももっと
努力していきたいなぁと(笑) 思っています。


え〜さてこの番組では、みなさんからの
とっておきの素敵なシーンをお待ちしています。
いただいたメッセージをもとに、
その素敵なシーンにぴったりの
エンディングテーマを選んで、
みなさんに お届けいたします。
番組への感想ご意見なども お待ちしています。

宛先は、郵便番号102の8080 TOKYO FM
今井美樹 52通りのエンディングテーマの係まで。
FAXは、東京03−3221−1800
東京03−3221−1800番まで、
どんどん 送ってください。


52通りのエンディングテーマ
選曲・ナレーションは今井美樹
構成 ひらかわみえこ(※)でお送りしました。


それでは また来週。
3月最後の週末、楽しく過ごしてくださいね♪
それでは、今井美樹でした。
じゃあね〜。 バィバィ♪。。。







DAIHATSU フライデーナイト・スペシャル
今井美樹Produce 52通りのエンディングテーマ
「 Goodが、ギュッと。」のダイハツがお送りしました。



(※) 申し訳ありません。漢字を存じません。
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