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みゅーじんFile.


〜 第3回 〜 2005.10.15 Sat

ヴァイオリニスト

中西俊博

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みゅーじんファイル、中西俊博。







幼い頃から、アマチュアヴァイオリニストだった
父親の影響により、ごくあたりまえのように
ヴァイオリンを弾きはじめた彼は、東京芸術大学在学中、
それまで将来の仕事として考えていたクラシックの道を離れ、
突如、ポップスのフィールドに進出。

そこには、今まで縛られていた固定概念との
激しい葛藤があったというのです。






ヴァイオリンを持つとねやっぱりね
頭の中が固くなって、ヴァイオリンを持っただけで
ヴァイオリンの脳みそになるんだよね。

やっぱりこう小さい頃からず〜っと、
必ずまず楽譜 ありきで、演奏してきた。
だから楽譜は、音符がこう書いてないと弾けない。

だから不思議なんだけど、あの〜、ピアノの方が
アドリブ先にとれるようになって。
ピアノでアドリブとれるけども、ヴァイオリンでは
とれない 時期が結構長かったんですよね。
ヴァイオリン持つとなんかね出てこない。






そこで彼が始めたものは、
一切楽譜にとらわれない、
アドリブ的なヴァイオリンの演奏。






それでだんだん、その〜、今までの
ヴァイオリンでこう習ってきた表現じゃないものを、
もっと勉強してけば、合うかな?って思って。

ギターっぽく弾いてみようとか、いろいろやってるうちに、
なんかこう崩し方がだんだんわかってきて。
そうなってきたらなんか アドリブも
自然にとれるようになって。






ではヴァイオリンから
いかなる音が生まれるのか。

まずはギター。

(中西さんの演奏)

そして 軽快なリズムバッキング。


さらにはトランペット。

(中西さんの演奏)

いかがですか?

同じトランペットでも
こうすればちょっとサッチモ風。


こうして彼はまさにヴァイオリンの
固定概念をはるかに飛び越えた、独自の
様々な演奏法に取り組んでいったのです。






結構、音楽ってやっぱり、
「やってはいけない」
っていうことはないはずなんで〜。

ある人の趣味で、こういう音楽をやるときには、
「これは 合わない。とされている」
っていうぐらいのことであって。
そこを逆に、覆して、合う音楽を
見つけていけば、また 別のとこでその
ダメとされてたものが花開くわけで。

新しい、音の使い方とか新しい奏法とかが、
やっぱりこう、ただ興味本位じゃなくてね、
音楽的にこう伝えてそれが人を、例えば
圧倒したり、感動させたり、そういうものがこう、
もっともっとヴァイオリンもたぶん、
生まれてくると思うんだけど。






現在彼は、小堺一機さんの舞台でも
音楽監督を務めるなど、様々な分野で
大活躍しています。

それも全ては、自由に音楽が
楽しめるようになったからこそ。






楽譜は単なる素材。で
もっといえば ヴァイオリンも、素材。
たまたま僕はヴァイオリン弾いてるだけであって。

あの〜 ヴァイオリンを使って、表現したいのは
自分の、色であったり、なんかの香りであったり、
なんかの感触であったりそういうものを表現するっていう。

自分でヴァイオリンの存在が消えるぐらいになったら
それは無理だろうけど(笑)でも近づきたいですね。






ヴァイオリンを弾きながら、
ヴァイオリンの存在を消すような音楽とは
いったいどんな音楽なのでしょうか。

受け取る側の私にもつまらない固定概念があると、
その答は見つからないのかもしれませんね。



音遊人
中西俊博


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