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みゅーじんFile.


〜 第15回 〜 2006.01.21 Sat

トランペッター

佛坂咲千生 原 朋直

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みゅーじんファイル、佛坂(ほとけざか)咲千生、原朋直。







都内某所にあるレッスンスタジオ。
お二人はいったい何をしているんでしょう。

どうやらジャケット姿も凛々しい、
佛坂先生のトランペット教室が行なわれている様子。

でもそんな先生からトランペットを
習っているのは、原朋直さん。

正真正銘 日本を代表する
ジャズトランペッターの一人なのです。


さてどうしたんでしょう。
今度はお二人の立場が逆転しているような。

そう、今までは生徒だった原さんが、
今度は先生になって佛坂さんを直接指導。

クラシックひとすじだった彼に、
ジャズを教えているんです。

面白いですね。

生徒が先生になったり、
先生が生徒になったり。


音楽大学出身の佛坂さんは、ミュンヘンに留学。
数々のオーケストラに在籍後、
現在はNHK交響楽団に所属する傍ら、
大学の講師なども務めているとか。


そんな佛坂さんと原さんの、ふとした
出逢いから生まれた、お互いの師弟関係。
そして、異なった音楽ジャンルの融合。

原さんは佛坂さんから、
何を得たいと思っているのでしょう。






一番ほしいのは、あの
佛坂先生の音がほしかったのね。(笑)
太くて丸くて 僕が あの〜 理想としている。

だから、あの〜、べつにジャズだからとか
クラシックだからとかじゃなくて、その、
吹きたい、音を、出してらっしゃる方が、
とても間近に居たので、えぇ。
それを、手に入れたいなと思ったんですね。






では逆に、佛坂さんが原さんから
学ぼうとしているものとは、
どんなものなんでしょう。






クラシックの場合はある楽譜を
元々から何百年も前からある楽譜を
どう演奏するかっていう、ことなんですけども。

ジャズの場合は、その場で、その曲に
そのテーマに、思ったことをその場で作曲していく。
そのときの気持ちや、場面や。

それがどういう仕組みになってるのかって
全然わからなかったので、まずそれを
仕組みを教えてもらいたかった。
うん。っていうことですね。






その結果、佛坂さんの音楽には
いかなる影響があったと思います?






やはりその楽譜から、え〜、何かを
読み取って、それを音にする と。
それが、その人の、読み取るときの、その人の、
え〜、ボキャブラリーが大きかったり、
そうすれば、もっとすごい種類の
音楽がそこに出てくるし。

もちろんそれがない人は、とてもこう、
貧相な演奏になってしまうし っということで、
あの〜、まぁあの 僕もとても堅物だったんですけども、
こうジャズをこうやって勉強するようになって、
すごいあの楽譜をですね自由に
見れるようになりましたね。はい。






ならば、二人の勉強会の成果とは。






クラシックだから 堅く、ジャズだから・・・
っていうことはなく、プレイヤーが、
感じるままに音楽をやることがいいんで。

もちろん人とアンサンブルやるときは、
その中で、ルールというものを守って、
で その中で自分を出せば、それは何の問題もなく。

もう四角四面にこう決まりごとだけを守って
みんながこう下向いてやってる演奏はきっと、
面白くないと思うんですよねそういう演奏は。

そういった意味で、気持ち的には、
とても自由な、まぁ、言葉を借りれば、
自由なグルーヴをもって、クラシックも、
演奏するべきだと僕は思います。


たぶん一生かけてそのクラシックのその300年
400年の歴史を、全部 ジャズやりながら、
あの〜完璧にマスターするのは あの〜、
無理だと思うんですけどもね。

でも、その作業をしてく中で、きっと、その、
やったことないこととか新しいことのヒントとか
アイデアが、見つかると思いますね。






最後に、お二人がこれから
目指していきたいものについて、
お聞かせ願えますか?






そうですねぇ、もう、どんどんお互い勉強して、
もうどんどん、どっちが ジャズのプレイヤーなのか
どっちがクラシックのプレイヤーなのかわからなくなるくらい、
まで、突き詰められれば、まぁそれは理想ですけども。
えぇ。まぁそこを目指してね、あの〜
続けていければな〜と思います。はい。






いつまでも、お互いを高め合うために。



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