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音遊人
みゅーじん


〜 第3回 〜 2004.04.16 Fri

映画作家

大林宣彦 vol.2

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音遊人(みゅーじん)

この番組は、YAMAHAの提供で お送りします。







映画作家、大林宣彦さんの作品には、
ピアノをはじめとするさまざまな楽器と共に、
それを素敵に弾きこなす、数多くの
役者さんが登場しています。

でも驚かないでください。
撮影の前からその楽器ができた人は、
ほとんどいないというんです。






初めっから、楽器を弾ける人を
キャスティングしたのではねぇ、
映画の場合ちょっと間違えることが多いんですよ。

だからたとえば「青春デンデケデケデケ」
ロックグループのね。
あの5人組の少年の話ですけれども。

敢えて、楽器なんかいじったことのない、
子供たちを集めて、1か月2か月ね、猛特訓をして、
その猛特訓をしていくうちに、楽器ともいろんな対話やね、
物語が生まれたものをそっくりそのまま映画に。


大林流ピアノとの付き合い方…

「さぁピアノ弾きたいけど弾けないよな〜」
なんて言ってるとダメなんだよ。
ピアノをじーっと見てるとねぇ、
「おいで おいで」ってピアノが言ってるんです。

でピアノのそばに歩いていって、
「ポーン・・・」もうピアニストですよ。
次に「ポーン・・・」音楽家ですよ。作曲家ですよ。
「ポーン・・・」これでもう音楽できちゃうんですよね。

世界中のピアニストが、一番願って望んでることって、
人差し指一本で「ポーン」と弾いたこの音がね、
世界一美しい音であるってことを望むんですよね。
これが一番難しいんです。






たった一本の指と 鍵盤との
ふれあいから始まる、世にも美しい物語。

実は今流れている曲は、
大林さんがこの場で思いついた曲。

大林さんの作品は、さまざまな音色と共に、
見るもの全ての心を打つ感動的なシーンを、
つくりあげていくのです。






映画もそうなんです。でもまぁ僕なぞはまだ、
10本の指を、フル稼働してね、こうやって弾かないと
ピアノじゃないみたいなのは まだダメなわけで。

ほんとは「ポーン・・・」
映画も「ポーン・・・」
言葉も「ポーン・・・」

この境地に至るのは、難しいですね。






こよなく愛するピアノと共に。

音遊人
大林宣彦







この番組は、YAMAHAの提供で お送りしました。



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