音遊人
みゅーじん
〜 第11回 〜 2004.06.11 Fri
大学教授
土屋賢二
音遊人(みゅーじん)
この番組は、YAMAHAの提供で お送りします。
大学教授、土屋賢二さん。
彼は現在、お茶の水女子大学で哲学を教える傍ら、
ときにはユーモアたっぷりのエッセイスト。
またときには、
ジャズをこよなく愛するミュージシャン。
という様々な顔を持っているのです。
でも待ってください。
一見相反するそれらには、何かしらの
共通項が存在しているのでしょうか。
哲学・ジャズ・エッセイに共通点はあるのか?
哲学ってのはできるだけいろんな
我々が無意識のうちに持っている前提とか
そういうのを全部取っ払って、できるだけ
自由にモノを考えなければいけない
っていうふうな、学問なんです。
ジャズなんかでも、できるだけ僕の場合は、
既成のものをそのままなぞるようなものは
あんまり、やりたくないんです。
なんかどっか、ちょっと「冒険してみたい」
っていうようなところがありますので、
エッセイについてもそうなんですけれども。
ピアノを始めたのは40歳を過ぎてから
40過ぎて、ピアノっていうのは、
かなり難しいんじゃないかと思うんですよね。
かなり練習しました。
もう一日に何時間も練習しましたし、
ただ自分では、もうこの歳になって
いっくら練習してもね?
たいして、進歩するはずがない
っていうふうに、思うんですよ。
と思いながらも、やはりなんか、
諦めたくないんですよね。
なんか諦められないっていうような
ところがありますよね。
もう死ぬまで続くかもしれないですね。
しかしそれを続けていくことは大変なこと。
そして続けていく上で
大切なことって何なんでしょう。
大変なことだから、面白い
っていうことも言えると思うんですね。
だから、世の中、簡単なことばっかりだと、
非常に人生つまんないんじゃないかと思いますんで。
ツチヤ教授の弁明
ただ、やはり、注意しなきゃいけないのは
家族のことなんですね。
僕の女房なんかも、前はジャズなんか
好きだったんですけども、僕がピアノとか
弾くようになって、ジャズ嫌いになりましたから。
家族の関係っていうか、家族の和っていうのが、
失われてしまう可能性もあるんですね。
そういう恐れもあります。
ですからまぁ、僕は普通はサイレントピアノで、
サイレントの状態でヘッドフォンつけて
弾いていますけども、そういう配慮が、
絶対に必要だと思います。
最後の顔は、夫の顔。
音遊人
土屋教授
この番組は、YAMAHAの提供で お送りしました。