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音遊人
みゅーじん


〜 第14回 〜 2004.07.02 Fri

音楽家

坂本龍一 Vol.2

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音遊人(みゅーじん)

この番組は、YAMAHAの提供で お送りします。







9・11という
悲しい事件が起こったニューヨーク。

音楽家 坂本龍一は、
そのときニューヨークに居ました。






もう、ど真ん中ですよ。
だから、煙が襲ってくるところも、
ここ、よく、映ってますよね。


いや でもあのときは真剣に考えましたよ。
ほんとにアフリカが好きだからアフリカ行けば、
サバンナまで行けばね、テロがないだろうとか。
動物ぐらいしかいないんだから。(笑)

でもその、仕事がないんで(笑)そういうとこ。
音楽家っていうその、独立した職業がないんですよ。
あの伝統的な社会では。みんながやるもんだから。
いいでしょそういうの。

だから「音楽家です」って言ってもさ、
「何だ?」っていう感じで、わからないわけ。(笑)






そして、坂本さんが アフリカで初めて知った、
彼らにとっての音楽の在り方とは、実にシンプルで
ショッキングなものだったといいます。






子供たちの前でピアノ弾いたり
したんだけど、アフリカでね。

その「何の歌だ?」「何の音楽だ?」
って言うわけね。で、音楽っていうのは、
彼らにとっては必ずその、なんていうかな、
「何かのため」なんですよ。

たとえば、
「ライオンと闘いに行くための音楽」とかね、
「結婚式のための音楽」とか、
「旅人を迎えるための音楽」とか、
その「何かのため」なのね。全部その
「生活の一部」だから。

だから「この曲は何のためだ?」って言うわけね。
音楽が音楽だけの美しさのために存在している
なんてことは考えたことないわけだ彼らは。

そういう、異文化に出逢うと、
今 自分がやってることっていうのを
もう一度 客観視して、見直すことができますよね。

だからそういう、機会が多ければ多いほど、
人間ってのは、いいんじゃないかな。(笑)






では、これから坂本さんは
自らの音楽のために、どこに
居ようとしているのでしょうか。

彼が居場所を選ぶ上で、
「これだけは欠かせない」
という 絶対条件とは。






日本語でも「水が合わない」とか、
言いますけど、やっぱり
水、空気、土地、それから
そこに住んでる人間、でしょうね。






音遊人
坂本龍一







この番組は、YAMAHAの提供で お送りしました。



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