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音遊人
みゅーじん


〜 第41回 〜 2005.01.14 Fri

篠笛奏者

狩野泰一

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音遊人(みゅーじん)

この番組は、YAMAHAの提供で お送りします。






その「篠笛」っていうのに出逢ったときに、
こうストンとはまったっていうかね?

最初に持ったときから何とか音は出たし、
吹いてくとどんどんどんどん
面白くなっていくわけですよね。

だからひとことで言うと、
「こんなシンプルな楽器ないでしょ」
っていうぐらい、竹に穴開けただけの楽器なのに、
竹一本でね、すっごく深い音楽ができる。

僕はこの楽器で勝負してきたっていうかね。






篠笛奏者、狩野泰一(かのうやすかず)さん。

学生時代は、ジャズドラムをやっていたという彼が、
全く違う和の音楽に目覚めていったきっかけ。

それは、意外にも日本ではなく、
ニューヨークでのあるできごとが、
彼に大きな衝撃を与えたからだといいます。






ニューヨークで初めてね、
日本の音楽を聴いたんですよ。
しかも演奏してたのが全員
アメリカ人だったんですよね。

それで 自分は日本で生まれ育ったのに、
どうして日本の音楽とか楽器、文化に 今まで
触れない、興味持たないできちゃったんだろう
ってね。非常にショック受けたんですね。






その後 帰国した彼は、
佐渡を拠点に世界中で活動をしている、
和の音楽集団、「鼓童」に参加。

11年間の活動後、
ソロとして歩み始めるようになっても、
彼はなぜか、佐渡を離れませんでした。

でも、どうして?






持ってなくて?捜し求めてたものが
あったところっていう感じかな。
日本の古き良きものが、息づいてるしね。

こういうところに住んで、その自然を感じながらね、
CDなんか聴かないテレビなんか観ない。
普段風の音と、海の音と、鳥の声と虫の音と、
そういうのしか聞かないで暮らしてて、
もう笛一本で風みたいに吹きたいなと思うわけ。


僕にとって篠笛っていうのは、
ん〜〜〜〜 僕の「声」かな。う〜ん。

鳥と同じだね。鳥が鳴くように、
僕が自分の存在をかけて、鳴くし。
俺が、笛を吹き続けて、やっぱ、
生活していくっていうのかな。






そこにあるべき自然の中で、
彼はいつまでも風のように。

だからこそ、私たちはその音色に、
心癒されるのでしょう。


音遊人
狩野泰一







この番組は、YAMAHAの提供で お送りしました。



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