夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡>昆虫万華鏡
夢惑う世界32 昆虫万華鏡<ボリビア>

ボリビアの採集地です

 第1回:1999年 4月25日 〜 1999年 5月 5日

1 北部

(1)自然について

オオムラサキトリニダーは、アマゾンの南の外れに位置しています。町は湿地帯の中にあり、町の周囲は少し高く盛り土された道が走っています。
フタオチョウ街の外に出ると湿地が多いので、蚊も非常に多くいます。しかし街中には、殆ど蚊がいなかったので、それに夜は気温もぐんと下がったので過ごしやすいです。道路は、町中とほんの一部の外側の道だけが舗装されていて、それを越えると土埃の多い道となります。この町のタクシーは、殆どバイクです。安く雇うことができるので非常に助かりました。
クモマベニヒカゲ町の周囲で、歩いて行けそうな場所には森林は見当たりません。そこで役に立つのが、バイクタクシーです。町から15km位のところにチチュニという森林地帯がありますが、この森林は保護地域となっていて、観光ができるようになっていました。そして沼地には、カイマン(ワニ)が悠々と泳いでいます。

(2)昆虫について

ベニヒカゲ川岸にこんもりと広がる森林の道では、遠くからでも、はっきりと分かる青く煌めくモルフォチョウがふわりふわりと翔んでいました。この辺りでは、大きなモルフォチョウが3種類います。特にメネラウスモルフォは、濃い青色の鈍い煌めきが光の中で一段と映えて見えます。フクロウチョウは、大きなテウケルフクロウがいました。アゲハチョウは、テレンラウスシロスジタイマイ、?マエモンジャコウアゲハが見られましたが数は少ないです。シロチョウは、ブニアエオオシロチョウが目を引き、このオオシロチョウは、他では見たことがありません。オオキチョウ、キチョウは、ごく普通です。トガリシロチョウは、中米から広く生息しているドルシッラトガリシロチョウです。今回、初めて雌を見ることができました。パメラマネシドクシロチョウは、歩いていた私の前をゆっくりと横切ろうとしていました。ジャノメチョウは、アメリカジャノメの仲間がいますがさほど多くありません。タソガレジャノメも、アンドロメダタソガレジャノメだけでした。ハカマジャノメも、ストッレイハカマジャノメのみだったのですが、このチョウもここで初めて見ました。タテハチョウは、数多くの種類が翔び回っています。ラキドゥラウラギンタテハは、雌も薄い緑色をしていて、このタイプのウラギンタテハとしては珍しいです。この辺りにいるスリマナンベイホソチョウもまた、ここでしか見かけていません。オレンジ色の美しいアンティノエオレンジタテハは、この辺りでは普通に見られます。エラトドクチョウ、ワッラケイドクチョウは、中南米でよく見られるドクチョウです。しかしエラトドクチョウとミュラー形擬態を各地で採っているメルポメネドクチョウは、ここにはいませんでした。ミナミヒョウモンモドキ、ホソバタテハ、ツルギタテハ、イチモンジタテハ、シロオビキノハ、シロモンタテハ、キオビタテハ、アイイロタテハ、カスリタテハ等々多くのタテハがいました。ファビウスカナエタテハは、キオビマダラと見間違うほど似ています。マダラチョウは、リキディケキオビマダラとプシディトンボマダラの2種だけでスカシマダラの仲間は、見ることができませんでした。
シロオビヒカゲセミの啼き声は、全く聞こえてきません。やはり熱帯とはいえ季節があるのでしょうか。トンボは、湿地帯が多いので、ちょっと期待していたのですが、それほど多いものではありませんでした。

2 アンデス中腹

(1)自然について

ウスバキチョウラ・パスからバスで山道を下って行くと、アンデス中腹を雲霧林が鬱蒼と覆っています。そこを通り過ぎ更に下って行くと、開けた土地となり山襞に町が広がっているのが見えてきます。コロイコの標高は、1700m位に位置し、山の斜面にへばり付くように形成されています。そして森林は、上にも下にも余り発達していません。街の上の山頂には無線中継塔が建っていて、車道がずっと下のコロイコ川へと続いています。暑くもないし寒くもなく丁度いい気候なのですが、蚊が多いです。そして小さな刺す虻もいました(病気の媒介はないみたい)。


(2)昆虫について

ウスバシロチョウアンデス中腹は、非常に興味があります。当然、アマゾンの鬱蒼とした高湿の雨林地帯も魅力たっぷりの地域ですが、そこからアンデスの高山地帯へと一気に環境は変化します。
ベニモンアゲハコロイコより上は、森林が乏しいので昆虫は期待できません。チョウでは、イナズマシジミタテハの仲間が気に入りました。他にも、ウェルギニエンシスアカタテハ、オオカバマダラなどが丘の頂上付近にいました。
ジャコウアゲハコロイコより下も、森林はそんなに発達しているようには思えないのですが、熱帯雨林では見かけなかった多くのチョウが翔び廻っていました。特に、シジミタテハ、シロチョウ、タテハチョウがいいです。滝付近の水溜まりには、ソラナウズマキタテハ、ウァニンカウラギンスジタテハ、ネグレクタウラモジタテハ、オレアキオビタテハ、キアネルリオビタテハ、デモニカナンベイホソチョウ、プロナックスベニオビヒカゲ、エロタウラアミメシロチョウ、ネレイナウラアミメシロチョウ、シサムヌスアミメシロチョウ、ユッラアミメシロチョウ、レオンティウスモルフォなど日差しの中を戯れていました。
キアゲハオレンジ色の翅を持ったカワトンボは、新熱帯区で初めて見かけた美しいカワトンボです。小形のルリボシヤンマもまたいいです。
オナガアゲハそれにしても、セミの聲が聞こえてきません。そして、ハンミョウもいないし。

ボリビアの昆虫たち
ソラナウズマキタテハ クサントクレスドクチョウ レオンティウスモルフォ sp1イナズマシジミタテハ sp1ナンベイオビカワトンボ
Fig.1bb ソラナウズマキタテハ Fig.2bb クサントクレスドクチョウ Fig.3bb レオンティウスモルフォ Fig.4bb sp1イナズマシジミタテハ Fig.5bb sp1ナンベイオビカワトンボ
ラキドュラウラギンタテハ ネウロデスイチモンジシジミタテハ sp1ミドリジャコウカミキリ アッタラコシブトホソミトンボ アンティノエオレンジタテハ
Fig.6bb ラキドュラウラギンタテハ Fig.7bb ネウロデスイチモンジシジミタテハ Fig.8bb sp1ミドリジャコウカミキリ Fig.9bb アッタラコシブトホソミトンボ Fig.10bb アンティノエオレンジタテハ
ge9ガ sp2ヒイロシジミタテハ スタウディンゲリキスジシジミタテハ ge8コガネ ファビウスカナエタテハ
Fig.11bb ge9ガ Fig.12bb sp2ヒイロシジミタテハ Fig.13bb スタウディンゲリキスジシジミタテハ Fig.14bb ge8コガネ Fig.15bb ファビウスカナエタテハ
sp1チビカドカタカミキリ ウィトレアモルフォ sp1トガリバシロチョウ sp6フチグロシジミタテハ カリカエフチドリシジミタテハ
Fig.16bb sp1チビカドカタカミキリ Fig.17bb ウィトレアモルフォ Fig.18bb sp1トガリバシロチョウ Fig.19bb sp6フチグロシジミタテハ Fig.20bb カリカエフチドリシジミタテハ

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