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19 昆虫万華鏡<カナダ> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1回:1996年 7月21日 〜 1996年 7月26日
(1)自然について 北米西部カナダ南部のブリティッシュ・コロンビア州オカナガン渓谷のヴァーノンに7月後半訪れました。北緯50度は、サハリン中部の緯度に相当します。従って、すごく爽やかな気候を想像していました。初日、天気は快晴でした。朝からTシャツ1枚でも寒くありません。紫外線も強くないでしょうから帽子も被らないで、山に着いてからは、ジャージから短パンに履き替えました。気温は、大分高そうでしたが、湿気はないのでべとっとはきません。山から下りてきたところ、西日が強く、そして紫外線も強そうでした。沖縄とまでは言わないが、なかなか強い西日です。それに何故、こんなに紫外線が強いのでしょうか。北海道では考えられない強さと思われます。次の日から、短パンは止め、帽子をちゃんと被ることにしました。
景色は、やはり北海道の景色に近いです。太平洋岸は寒流のせいもあり気温は低めですが、内陸部は大陸性気候で、やはり夏は高めです。滞在した1週間最高気温は、32/3度でした。紫外線は、極地ほどオゾン層が薄くなっているせいでしょう。そうすると、フロンガスによるオゾン層の破壊について、北欧の人たちが非常に敏感なのが良く理解できます。
(2)昆虫について これほどまでに、日本の昆虫に類似しているとは思ってもいませんでした。当然、旧北区の日本の昆虫とです。アゲハチョウ科は、トラフアゲハの仲間が多くいます。ミヤマウスバアゲハも、低山地域にも棲み付いているみたいです。でもオオミツオアゲハには驚きました。中米グァテマラにて初めて掴まえたときには、あまりにも劇的だったので、新熱帯区のチョウとばかり思っていたのですが、どうも新北区側のチョウです。当然グァテマラでは、高地での採集であり、近くでは、ブルーに輝くハチドリが舞い踊っていました。ところがこのオオミツオアゲハは、ヴァーノンでは、ごく普通に平地でも見かける大形のアゲハでした。ゆっくり翔ぶので採集も楽です。最終日は、日本でもお馴染みのキアゲハ(別亜種)を採りました。シロチュウ科は、人為的に拡散したモンシロチョウとアメリカモンキチョウだけでした。ジャノメチョウ科も、タカネヒカゲの仲間と日本にいるジャノメチョウにそっくりなチョウがいました。タテハチョウ科は、ヒョウモンチョウの仲間が数多くいます。そしてイチモンジチョウの仲間、キタテハの仲間、ヤンキーコヒオドシ、そして日本にもいるキベリタテハ。その中で特異なのは、やはり新熱帯区のチョウであるミナミヒョウモンモドキでしょう。グァテマラの高地には、数多くの種類がいたので低い温度にも強い種類がいてもおかしくはないのですが、冬、雪で覆われるこの土地にまで進出しているとは思ってもいませんでした。日本において東洋区のチョウが北海道にまで進出しているのは、そんなにはいません。シジミチョウ科、セセリチョウ科においても何ら変わりはありません。
トンボの仲間も同様です。ルリボシヤンマの仲間、ヤマトンボの仲間、ベッコウトンボの仲間、ヨツボシトンボは全く同じです。甲虫目も変わりません。セミも1種類掴まえたが、日本にもいるチッチゼミの仲間です。
日本の昆虫に非常に似ていることは確かです。しかし、殆どの種が日本とは別種であることも確かなことです。 |
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