第1回:1991年10月25日 〜 1991年10月27日
第2回:1992年 5月29日 〜 1992年 5月31日
 (1)自然について
 草原、疎林、森林と豊かな植物相を呈しています。海岸沿いは、海からの風が強く乾燥した草原地帯が続き、その中で谷間は、木々で覆われていているが狭い範囲にとどまっています。内陸部は、風も弱いので、森林が良く発達しています。島の入り口梅窩の街は、香港の高層ビル群とは違い落ち着いた雰囲気を漂わせていますが、近代的なビルも建っています。ここは、海辺のリゾート地で、土、日ともなると若者でいっぱいになって賑わっています。従ってホテルも満室になるので宿泊するときには、気を付けた方がよいでしょう。ホテルの部屋からは、波の音が聞こえ、潮の香りが強く匂ってきます。とても、いい感じのリゾート地です。
 この島は、大陸からも近く、香港では、一番大きな島なので、植物相、昆虫相も大陸と大きな繋がりがあると思います。でも、やはり島、自ずと限界があります。
 (2)昆虫について
 香港は、亜熱帯地域に含まれます。少々乾燥していますが東洋区の昆虫が生息しています。大嶼山は、島ではありますが大陸から数kmしか離れていないため、独立した生物相を構成しているとは思えません。乾燥した草原・疎林地帯や森林地帯では、シルビアシジミ、ラユスソテツシジミ、オジロシジミ、ウラナミシジミ、ストラボオナガウラナミシジミ、ヤクシマルリシジミ、ラクトゥルヌスツバメシジミなど沖縄と分布が重なり合うシジミが多くいます。それ以外に、タイワンフタオシジミ、ミツボシキマダラルリツバメ、マネアトラフシジミ、エグリムラサキシジミ、ウラフチベニシジミもいます。セセリチョウ、シロチョウ、ジャノメチョウと、これといったチョウはいませんが、普通種は大体揃っています。シジミタテハは、エウリケウスシジミタテハ、ワモンチョウは、エウメウスヒメワモンが普通にいます。タテハチョウは、タイワンホシミスジ、イナラミナミイチモンジ、ペミウスイナズマ、アトリテスタテハモドキ、オリティアタテハモドキを始め普通種です。マダラチョウは、瑠璃色が非常に印象深いミダムスルリマダラがよく、アゲハチョウは、カラスアゲハ、クロアゲハなどの旧北区のアゲハとパリスアゲハ、アガメムノンタイマイ、マネシアゲハ、アンティファテスタイマイなどの東洋区のアゲハが混在して翔んでいます。森林性のチョウは、少なかったです。
 トンボは、旧北区のギンヤンマがここまで進出していて、デコラタミナミカワトンボ、ベニトンボ、セボシトンボなどいますが、余り多くはありません。
 セミは、ヘベスクサゼミ、ハグロゼミ、そして森林にはマンダリナクマゼミが啼いています。
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