第1回:1992年 4月25日 ~ 1992年 4月28日
 (1)自然について
 フローレス島中央部のルーテンは、標高1000m位に位置しています。従って、朝夕は、大分冷え込み、夕方マンディ(入浴)にすると鳥肌を立てながら震えていなければなりません。ルーテン周辺には、余り森林が発達していません。ルーテンから北へ向かうと、更に標高は高くなり、そして、北へと降りてゆくと豊かな森林となります。しかし残念ながら、そこには昆虫は殆ど見かけられません。時間的にも余裕がなかったので、余り歩くことができなかったからかも知れない。今度行く機会があれば、ゆっくりと歩いてみたいと思っています。
 ルーテンの町から外れて東の方へ行くと、暫くして下り始めます。そして、やがて川にぶつかります。森林は余り発達していませんが、川岸やその周辺には、チョウが翔んでいます。
 ルーテンの西の方は、同じく下り坂となりますが、川とか森林がないため、昆虫採集には向かないでしょう。
 ルーテンの人たちは、アフロヘアーで、とっても好奇心が強く、捕虫網を持っていると周りを取り囲まれて、仕舞いには網を取られて、代わりに採集し始めます。ちょっと迷惑ですが。
 (2)昆虫について
 ルーテンは、標高が高く森林も余り発達していないので、昆虫はそんなに多くありません。アゲハは、他の地域とは異なり、真っ黒な色彩のナガサキアゲハ、残念ながら新鮮な個体は得られませんでしたけれども、緑色の美しいペラントゥスアゲハがいます。シロチョウは、パンダヒメトガリシロチョウ、ロンボッキアナキチョウなど。マダラチョウは、和名ではクロスジシロマダラと言われていますが、ここでは灰色で翅も少し尖っているメラニップスカバマダラ、フローレス島特有のピロアサギマダラなどがいます。ジャノメチョウは、アプニウスウラナミジャノメ、タテハチョウは、ホランディトガリイチモンジ、フローレス島特有のオリエンスイナズマもいます。シジミチョウ、セセリチョウは、これといったのは見かけませんでした。
 トンボは、標高が高いせいか、やはり数は少なく、ハラボソトンボ、ミナミカワトンボなどです。
 多分、タイワンダイコクコガネだと思いますが、ブーンという羽音とともに飛び交っていました。そして、カブトムシ亜科の仲間も。
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