夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 |
17 昆虫万華鏡<ケニア> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 メルー
第1回:1996年 1月 2日 〜 1996年 1月 3日
(1)自然について ナイロビから猛スピードを出して走ってきたプジョー(乗り合いタクシー)は、2時間位でメルーに着きます。この町は、ケニア山東に位置し、殆どがサバンナであるケニアの中では、少し森林が発達しています。それ故、ここを選んだのですが。メルーから下って行くと、メルー国立公園が広がり動物の宝庫となっています。メルーの町周辺を見渡してみましたが、意外に人が多く、広く森林が残っているところはそうないように見えました。後進国は何処でも一緒ですが、スラム街みたいな家並みがこんな町にもあるとは思いませんでした。
この町そのものは、観光地ではないので観光客は余り来ないのでしょう。町中を歩いていても、声をかけてくる観光客目当ての人はいないのは助かります。しかし、それ故レストランも今ひとつで夕食は、思った通りのカロリーは摂れなかったみたいです。
町の中心から離れ山の方へと歩いてゆくと、垣根を設けた庭のある大きな家並みが何処までも続いています。初めての道は、なかなか疲れ、特に迷路みたいになっていると、帰りちゃんと戻れるかどうかが心配になります。でも“その時は、その時”と気にしない性格です。いちいち気にしていたら旅ができなくなってしまいます。家並みは、ずっと続き、採集できそうな場所は、何処にもないし、チョウの姿も見つかりません。そのうち、手に鎌を持った女性たちが、私と同じ方向に数多く歩いているのにぶつかりました。その女性たちも徐々に数が増えてゆきますが、相変わらず森林は見えてきません。1時間半も歩くと、半ば諦め状態でのんびり歩き続ける決心をしていました。2時間位経って、やっと茶畑が広がり、その向こうに森林が広がっていました。既に時計の針は、10時を廻っています。多分ケニアの町並みは、このような状態なのでしょうから、どの町でも採集場所を探すのは、足任せになってしまうでしょう。
昆虫採集をしているときに子どもや大人たちと擦れ違いましたが、タンザニアで出会った人たちと違い、余り興味を示さず立ち去ります。 (2)昆虫について 熱帯雨林というほどの森林ではなく、どちらかというと乾燥した森林地帯です。周辺は、少し草原となっています。森林には、白い長い尾を持った猿が棲み付いていました。森林周辺には、まとまったランタナの花が咲いていてチョウが数多く舞っていましたが、森林内は、余りチョウはいなく周辺がやはり良かったです。ルリアゲハが2種、オナシアゲハ(未採集)サカハチアゲハ(未採集)などのアゲハが翔んでいます。シロチョウも、ネキシロチョウ、トガリシロチョウ、ヘリグロシロチョウの仲間などが翔んでいます。サガラネキシロチョウは、森林内の方でよく見られました。ツマアカシロチョウの仲間も2度ほど見ましたが、なかなか素早く、通り過ぎてしまいました。タテハチョウは、やはりタテハモドキとホソチョウの仲間が多くいます。フタオチョウも2〜3種類見ましたが、すぐに姿をくらましてしまいます。ウラベニヒョウモン、アカタテハモドキ、ハガタオビタテハの仲間も翔んでいました。セセリ、シジミは、やはり少ないですが、小さな小さなチャマダラセセリみたいなのを採りました。ジャノメチョウは、1種類だけでした。マダラチョウも、少なく東洋区にいるコモンマダラとシロモンマダラの仲間を1匹ずつ掴まえました。コモンマダラは、ランタナの花の上をずっと翔んでいました。ランタナの花では、ルリアゲハが美しく舞っています。
トンボは、余り多くいなかったのですがヤンマを1匹採ったのが嬉しかったです。そしてダイコクコガネやマメハンミョウの仲間が飛んでいました。もう少し歩き廻ってみたいところです。 2 ナニョキ
第1回:1991年 7月21日〜1991年 7月27日 (1)自然について ナイロビよりプジョー(ライトバン)で2時間半のケニア山西部の町ナニョキは、ケニア山への登山基地です。町周辺には、森林が殆どなく草原が広がっていて、人家も疎らに道が続く限り広がってゆきます。草原には、牛や山羊が放牧されていました。
山麓の森林地帯の多くは、針葉樹林なので、殆ど昆虫は期待できません。更にその上は、ナショナルパークとなり採集は禁止となります。針葉樹林帯の手前に竹林の散在した疎林帯があり、程良い川が流れています。
年末、天気は草原地帯は午後、いっとき曇ったりしますが、概ね良好でした。しかし森林地帯は、午前中晴れますが、その後は曇ってしまい、標高が高いので、ひんやりと冷えます。また標高が高いということで、紫外線は非常に強いです。
(2)昆虫について ナニョキの町周辺の草原地帯には、ソフィアタテハモドキ、ヒエルタタテハモドキ、アルケシアタテハモドキなどのタテハモドキ、イリテイラヒメキマダラタテハ、ヒメアカタテハ、メスアカムラサキなどのタテハ、フロレッラウスキシロチョウ、ゾカリアヘリグロシロチョウ、ケリメアツマアカシロチョウ、アンティビッペツマアカシロチョウ、エレクトモンキチョウ、ピリトウスルリクサシジミ、カバマダラ、アフリカオナシアゲハ などの草原性のチョウが忙しく翔び交っています。陽が射しているときは、温かくていいのですが、陽が陰ると強い風のため、すぐひんやりとしてきてチョウも姿を消してしまいます。
トンボは、殆ど見当たりません。町近辺の木々では、ニイニイゼミの仲間が啼いていました。アフリカでは、初めてのセミです。
ケニア山の山麓の森林には、?クロテンシロチョウ、ヘレオナヘリグリシロチョウ、クラウシャイシロモンマダラ、ブロミウスアゲハ、ジャクソニアゲハ、マッキンノニアゲハなどがいましたが数は少なかったです。トンボは、森林内に川は流れているのですが、殆ど見かけることができませんでした。そして、ホソチョウも全くいません。 |
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