第1回:1994年 6月 2日 〜 1994年 6月 5日
(1)自然について
ティオマン島は、マレーシア半島の東の海(東シナ海)に浮かぶ小島で、島全体が、鬱蒼とした緑の木々に覆われています。飛行場は、海と林に面していて、プロペラ機は非常に気持ちよく滑走路に着陸します。村は、この飛行場側の海に面した場所に点在しています。そして反対側の海には、島の中央を乗り越えてゆくほかないようです。そして、そこにも家々が点在します。森林内に入り込む道は、この中央横断道路以外には、見つけることができませんでした。光の殆ど射し込まない森林内は、熱帯雨林特有のじめじめとした状態で、チョウも余りいません。しかし大きな大きなトカゲが、のしのしと歩いていました。尻尾まで含めると、1.5mから2mもありそうなトカゲもいます。今まで歩き廻ったところでは、ここのトカゲが一番で、二番目は、メキシコで見たトカゲです。島にいると時の流れが、非常にのんびりとしているように思われるのは、やはり車に代表される騒音などの生活騒音がないからでしょう。だから、私は島が好きです。
(2)昆虫について
島を横断する小径へは、背の高い草の間を縫うように進みます。ツマグロシロチョウが翔び、小さな小川には、ホソカワトンボの仲間が飛んでいます。このカワトンボの仲間は、似た種がいっぱいいて、このことを知らないときには何処で採ったのも、全く同じ種類だと思っていました。森林の中に入ると、陽が余り射し込まなくなってきます。日陰を好むチョウは数少ないので、森林内には余りいません。しかし、ところどころ陽が射し込むところでは、テウタリクイナズマ、ペレアコイナズマが静かに翔んでいました。そして、近くをのっそりのっそりとトカゲが歩いていました。小径で、今までに見た中で一番大きなアリを掴まえました。あまり凶暴なアリではなく、ピンセットで採ろうとしたら、5 〜 6匹いたアリは、すぐ叢に逃げ込んでしまって1匹しか掴まえることができませんでした。東側の小径は、少し広くなり日射しも多くなるのでチョウの種類も増えてきます。まず最初に、デルナハリマオセセリ、ファウヌラウラスジワモン、続いてミナミヒョウモン、ユベンタヒメゴマダラ、アンフィムタムラサキシジミ。更に進むと少し開けたところとなりルリモンジャノメや草原性のスキラウスキシロチョウ、ウラベニヒョウモンやオナシアゲハが翔んでいました。
白い砂浜に、ぼけっとして座り込み、飽くことを忘れた波を見ていると、いつしか心は洗われる思いがします。
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