第１回：１９９０年 ７月２２日 〜 １９９０年 ７月２７日
第２回：１９９１年 ４月２９日 〜 １９９１年 ５月 ４日
第３回：１９９１年１２月２９日 〜 １９９２年 １月 ３日
 （１）自然について
 フィリピン・ルソン島とマレーシア・ボルネオ島の間に位置するパラワン島は、非常に緑豊かな細長い島です。パラワン島の州都プエルト・プリンセサの近くは、疎林だけですが郊外にある刑務所内のバルサハンという森林地帯がよい所です。この刑務所内には、川遊びのできる公園があり、日曜日には、市民に開放していて許可を得なくても入ることができます。多くの若者や子どもたちで、川はいっぱいになり賑やかになります。  プエルト・プリンセサから中央部に向かって車で１時間位の所に、サラコット山という山があります。ここも緑豊かであり、かつ標高も高いので低地とは違う昆虫たちが見られ、なかなかいい場所です。  プエルト・プリンセサから北部に向かって車で２時間位走ったところにラグアンという場所があり、橋の袂に一件の民家が建っていて、川に沿っての小径が、森林の奥へと続いています。鬱蒼とした場所があり、開けた場所があり、渓流がありと多様な様相を呈しています。  道路は、プエルト・プリンセサ周辺のみ舗装なので、遠出の時は砂塵を巻き上げての移動となります。バイクの後ろに乗って行ったことがあますが、このときはバイクを降りてから暫くの間は、お尻がじんじんしてたまりませんでした。
 （２）昆虫について
 ルソン島とボルネオ島の間に位置するパラワン島は、昆虫相もバラエティに富んでいます。  バルサハンを流れる川の公園の外れより、既にチョウが現れてきます。アルナコイナズマ、センペリイナズマ・・・。ランタナの花には、アサギシロチョウ、ニシヤマイアサギシロチョウ、・・・などがやってきます。川を２度渡って森林内に入ると、ステレラウラナミジャノメ、センペラウラナミジャノメ、ナガトラセセリ・・・などが現れます。森林を抜けると、また川にぶち当たり、この川に周辺には、マハデバイナズマがいます。また川の流れに沿って、パラワンアゲハ、デコロールタイマイなどが翔んでゆきます。トンボは、スキバハナダカトンボ、ナンヨウベッコウトンボの仲間、サナエトンボの仲間、フィリピンコシアカトンボ、アジアアカトンボなどと多くのトンボが生息しています。  サラコット山は、リンキダトガリシロチョウ、タガラコジャノメ、オルセイユコジャノメ、チャイロイチモンジ、ヤエヤマイチモンジ、サルビニミナミイチモンジ、カマラルゼマンルリマダラ、パエナレタルリマダラ、シジミ、セセリ、そしてカグヤヘリブトルリシジミの雄も一匹掴まえました。トンボは、やはり高い標高のため非常に少ないです。  ラグアンには、トロヤナアカエリトリバネアゲハがいます。しかしワシントン条約で採集は禁じられているので掴まえても、よく観察した後は、逃がしてあげなければなりません。フィリピンオビクジャクアゲハ、メガエラタイマイ、エウフラテスタイマイなどのアゲハがいます。パルダリスオオイナズマ、ドュンヤリクイナズマ、ハリタミスジ、レアチビコムラサキ、ハルモディウスフタオなどのタテハ類。ネペレトガリシロチョウ、アスパシアマルバネシロチョウ、ヒパレテカザリシロチョウ、キシタシロチョウなどのシロチョウ類、ネココノハワモンなどのワモンチョウ類、オルセイスコジャノメ、センペラウラナミジャノメ、ダラルリモンジャノメなどのジャノメチョウ類、セセリ、シジミ類と多くの種類がいます。トンボもパラワンでは、ここで一匹だけ見たミドリカワトンボなどがいました。
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昆虫館＜万華鏡＞ 
５．１ 昆虫万華鏡＜フィリピン・パラワン島＞
