第1回:1995年 6月 1日 〜 1995年 6月 4日
 (1)自然について
 ルソン島東部に位置するカタンドュアネス島は、まだ未開発で自然豊かな島です。ビラクの町の周辺にも、緑豊かな渓流を伴う低い山が連なっており、山奥では竹を伐採して、それを牛に引っ張らして下りてゆく光景が見られました。私は、渓流沿いの径が好きです。チョウだけではなく、トンボもいるし、そして梢から射す光もまたいいからです。
 山の麓の川を堰き止めたところでは、女性たちが洗濯をしています。この光景は、私の行くような所ではよく見かけます。そして田圃が広がっていて、いい風景ですが、チョウはこちら側にはいません。
 ルソン島東部と言えば、熱帯性低気圧が良く発生する場所です。天候には、十分注意する必要があるでしょう。私も、1日暴風雨で潰れてしまいました。
 (2)昆虫について
 緑豊かだと、そこに棲む昆虫たちも生き生きと見えます。アカネアゲハ、フィリピンオビクジャクアゲハ、コゼブエアベニモンアゲハ、ミナミコモンタイマイ、ツマムラサキマダラ、スジグロシロマダラ、アミクスフタオ、コルメラトガリミスジ、各種ミスジ、キンミスジ、シロオビマネシヒカゲ、各種ヒカゲ、ツマベニチョウ、ボイスデュバリアナマルバネシロチョウ、ムモンキチョウ、各種キチョウ・・・。名前を列挙するだけで愉しくなってきます。緑の大自然の中を歩き、ついでに昆虫まで捕ってくる。これだけで私は、愉しく生きてゆけるのです。ヘンニンギアカザリシロチョウやルゾニアシマジャノメもいました。全てが素晴らしい。
 トンボも多く、紫色の翅をしたミドリカワトンボの仲間、緑色の翅を持ったミナミカワトンボ、スキバハナダカトンボ、ヤエヤマハナダカトンボを一回り大きくしたハナダカトンボ、その他にもカワトンボがいました。白いイトトンボやミナミトンボの仲間も採りました。
 でもセミは、採れませんせした。その代わりにカタゾウムシと4種類のハンミョウを採りました。ハンミョウの中には、インドネシア・スラウェシ島で採ったハンミョウに紋様が似ているのもいました。
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