第1回:1998年 5月29日 ~ 1998年 5月31日
 (1)自然について
 マリイドゥケ島は、ヤシ林で覆われていました。森林はそんなに発達していなくて、谷間沿いにヤシ林が続いていて、ヤシと共にバナナも植林されています。しかし山頂の方は、木々が疎らで草原を呈していました。谷間の川には、ヤシの実の厚い皮がいっぱい山のように積まれていました。今年は、エル・ニーニョの影響のせいか雨が少なく川は淀んでいました。そんなところでの運び手は、水牛です。水牛に荷台を引かせるのですが、荷車は付いていません。凸凹が酷いので、荷車はあっても役に立たないのでしょう。水牛は、力強く、荷車が無くても、山を上ってゆきます。道は、水牛が通れるように川岸を削ったりしています。この島は、元々ヤシが多かったのかどうかは分かりませんが、山頂は禿げていて、自然林は少ないのかも知れません。
 (2)昆虫について
 谷間の渓流沿いの道を歩いての採集となります。ヤシ、バナナが主なので、余り期待ができそうにもありませんが、今年はチョウが少ないのは小雨のせいかも知れません。
 アゲハは、アルフェノールアゲハ、ルゾネンシスアゲハ、フレゴンアゲハ、そして採ることができなかったけどエウリィピルスタイマイ、フィリピンオビクジャクアゲハがいました。キシタアゲハも、悠々と舞っています。シロチョウは、黒と白のめりはりがはっきりしたサリラタキチョウ、ムモンキチョウ、キチョウ、キシタシロチョウ、そしてウスキシロチョウがいましたが、やはり数は少ないです。ジャノメチョウは、センペラウラナミジャノメ、ステレラウラナミジャノメ、そしてピンプレアダマシヒカゲがいました。薄暗い渓流に、マダラチョウが舞い降りてきましたが、マダラチョウが、吸水に来ることは珍しいので掴まえてみると、ピンプレアダマシヒカゲの雌でした。マダラチョウは、ユベンタヒメマダラ、メラニップスカバマダラ、ミシップスカバマダラ、ムルキベルルリマダラ、オオゴマダラ、そして翅が透けているビトレアアサギマダラです。タテハは、タテハモドキ、ヘドニアタテハモドキ、ミンドラナミスジ、ダマキンミスジ、ボリナムラサキなど余りぱっとしません。シジミ、セセリも今ひとつです。
 トンボは、ベニトンボ、フィリピンコシアカトンボ、コフキショウジョウトンボ、スキバハナダカトンボ、そして数種類のイトトンボなどがいました。雨が多いともっとトンボがいたかも知れません。
 ハンミョウは、アカアシハネナシハンミョウの他に、3種ばかりいました。セミは、1種ほど啼いていたのですだが、残念ながら採れませんでした。
|