夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 |
37 昆虫万華鏡<パナマ> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1回:2000年 4月29日 〜 2000年 5月 5日
(1)自然について 機上から運河と緑を見下ろしながらの着陸となります。パナマ・シティの中心部は、高層ビルが建ち並ぶ大都会で、その大都会からパンアメリカンハイウェイをコスタリカの方へ向かうと、濃い緑はまもなく貧弱な疎林へと変わります。コスタリカとの国境近くの町ダビッドまでの間には、町の数は少ないのですがその町からバスが四方へと通じています。
中南米を歩いてみて感じるのは、東南アジアやアフリカと比べて後進国というイメージではなく発展途上国といえるでしょう。とは言え貧困は、何処にもあることです。テレビでスポーツを見ていると、中南米では珍しくサッカーの放送よりも野球の放送の方が多かったです。田舎の道を歩いていて、サッカーではなく野球をしているのを見たのも初めてです。そう言えば、パナマの通貨は、アメリカ・ドルを採用していて、5年以上も前のガイドブックを参考にして旅をしたのですが、物価は全くと言っていいほど変わっていませんでした。
コスタリカに近づいてくると、また緑は濃くなってきます。山々も多くなり、豊かさは増してきます。コロンビア側は、更に緑の濃い森林が繁茂していると思うのですが、やはり歩いてみたいものです。林道を網を持って歩いていても、通り過ぎる人はあまり関心を示しませんが、やはり気にかかるのか暫くしてから振り返っています。 (2)昆虫について パナマ運河周辺の森林を通り過ぎると、乾燥した草の生えた牧場が続きます。その中にペノノメという町があり、近くに丘もあります。牧場は、丘の上まで這い上ってゆきますが、急峻な谷や崖には林が残っています。しかしこの辺りは、疎林です。良好な場所ではないのですが、牧場脇の谷間に水溜まりのある場所を見つけました。そこには、モンテズマモルフォが通る蝶道になっていました。ポリダマスアオジャコウアゲハ、?マエモンジャコウアゲハやエラトドクチョウが、気まぐれに通り過ぎてゆきます。トアスアゲハ?、ルリオビタテハもいたのですが、採ることはできませんでした。この近くでは、水場は見かけなかったのですが、トンボがやけに多くいました。ほんの少し残った岩場の水溜まりにもトンボがやってきます。セミも2〜3種類、非常に甲高い声で啼いています。そのうち1種類、適度な高さで啼いていました。
ペノノメからバスでコスタリカ側に3時間も行くと、また枯れ草色から緑の風景へと変わってきて、山々も多くなってきます。その山麓に、ボケチという町があり、町外れには、川が流れていて山に囲まれた風光明媚なところです。山道を行くと、非常に良く整ったコーヒー畑が広がっています。その周囲には、背の高い針葉樹が植えられていて、昆虫採集には不向きのようですが、それでも谷間の森林など僅かに残った自然を見つけることができました。林内の渓流沿いには、スカシマダラやトンボマダラが多くいます。シジミタテハ、コバネシロチョウ、ドクチョウなどと意外と面白いチョウたちがいます。モルフォチョウもペノノメとは違った、ちょっと薄い青です。林縁にも、ドクチョウが多くいます。アミメシロチョウ、セセリチョウもよく、ただアゲハ、ジャノメ、シジミチョウの類は、非常に少なかったです。街中には、朝早くからモヌスタオオシロチョウが翔び廻っています。トンボは、川がある割には、数が少ないです。セミは、2種類位啼いていましたが見つけることはできませんでした。林道で、初めてのコガネムシとカブトムシがひっくり返って脚をばたつかせているのを拾いました。
この時季(乾期の終わり)は、ちょっと乾燥気味です。乾期の終わりではなく、乾期の初めに歩いてみたいところです。 |
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