夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 |
31 昆虫万華鏡<南アフリカ> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 北東部
第1回:1998年12月31日 〜 1999年 1月 2日
(1)自然について 南アフリカ・ムプマランガ州の東部クルーガ国立公園の近くに、サビーという観光地がある。周囲は森林に被われているが、針葉樹の植林地帯で、林業で成り立っている町である。さっぱりと小綺麗な街並みの中心には、スーパーマーケット、レストランや土産物屋が建ち並んでいる。南アフリカも車社会で、白人たちは、マイカーを乗り回していて、黒人たちは、公共の乗り物を利用している。
南アフリカの都会は、非常に治安は悪いのですが、田舎ではどの国でも一緒で素朴な人たちが多く住んでいる。だからと云って余り信用しすぎるのも問題であるが。東部は、雨が多く森林が発達している。 (2)昆虫について 針葉樹林に囲まれたサビーの町では、1日しか歩くことができなかったので、多くを語ることはできない。
ブリギッタキチョウ、アウロタヘリグロシロチョウが、ごく普通に見受けられる。ダナエツマアカシロチョウなど、ツマアカシロチョウは、可憐な種類が多く、見つけたら嬉しくなって、つい力が入ってしまうだろう。ベニモンジャノメなどのジャノメチョウやホソチョウ、タテハモドキなどが数種類いた。アゲハは、採ることができなかったが、ニレウスアゲハが翔んでいた。そして小雨の降る中、小さな花でピラデスタイマイが翅を休めていた。アンテドンムラサキは、シロモンマダラに似たタテハである。雌を偶然掴まえることができたが、残念ながら雄は見ることができなかった。
トンボは、ここでもウスバキトンボが悠々と飛んでいた。ハナダカトンボの仲間もいた。セミが1種類啼いていたが、姿を見ることができなかった。ハンミョウは、小形のハンミョウと中形のヒゲブトハンミョウが歩き回っていた。
小さな花には、アウロタヘリグロシロチョウやホソチョウが蜜を吸いに訪れていたが、そこに1匹の鮮やかな緑色をしたカマキリが待ち伏せをしていた。
2 南部
(1)自然について 第1回:2004年12月27日〜2004年12月29日
ケープタウンから続く南部沿岸地方は、海から吹き付ける風の影響か夏でも非常に涼しく、とても過ごしやすそうである。また南部沿岸に連なる山脈で湿った気流が雲となり雨もそれなりに降るので、内陸部に比べたら緑豊かに見える。
住宅街では、この時季、紫陽花の花が満開であった。それ以外の花も、日本の民家の庭を飾っている花が同じようにここでも庭を飾っていた。園芸種の花は、世界共通である。 メモ: 私は、いつも国立公園を避けて歩いているのだが、今回行ったところも、当然国立公園ではないのだが、その変わり保護区になっていた。従って、採集は、途中で中断した。私の行った山だけではなく山脈全体が保護区みたいであった。多分、山や森林地帯は、全て保護区になっていると思われるので採集するのは、残念ながら難しそうである。
(2)昆虫について アフリカ最南端となるので昆虫も多くはないが、そこは逞しい昆虫たち、アフリカの昆虫たちもしっかり生きている。
アゲハチョウは、ニレウスアゲハ(未採集)、アフリカオナシアゲハ(未採集)がいた。
シロチョウは、エレクトモンキチョウと2〜3種の白いチョウ(未採集)がいた。
ジャノメチョウは、カッシウスベニモンジャノメとひと際大きいキイロイチモンジヒカゲ(未採集)を目撃した。
タテハチョウは、2種類のホソチョウとヒメアカタテハがいた。フタオ(未採集)と思われる中形のタテハが滑空しているのを見かけた。
シジミチョウは、南部アフリカ特有のオパールシジミが数種いた。そしてヒメルリクサシジミも翔んでいたが、やはり数が少ない。
セセリチョウは、1種類いただけである。
トンボは、ここにもギンヤンマがいた。特にアフリカのギンヤンマは青紋が大きく鮮やかなので美しい。もう一種、ルリボシヤンマの仲間がいたが、雌雄とも、とても美しいヤンマである。サナエトンボもいたが、これまた美しい種類である。トンボは、5種類ほど見たが採ったのは3種である。大形のイトトンボも2種掴まえた。その内1種は、とても美しいイトトンボであった。
甲虫は、ハナムグリ3種とハンミョウが1種、緑色のカミキリなどである。
セミは、2種啼いていたが、1種は木生キクなどの低木の乾燥に強い植物上で啼いているようであった。もう1種は、ニイニイゼミ(未採集)と思われるが、数は少なそうである。
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