夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 |
9 昆虫万華鏡<スリランカ> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1回:1993年 7月19日 〜 1993年 7月22日
(1)自然について キャンディは、スリランカの旧都です。街中は、車と人で雑然としていて深呼吸なんてできそうもないところです。宿泊したホテルは、街中より大分離れた山の中にあり、とても静かな場所で、夜には、コオロギの聲が聞こえてきました。緑豊かなところは、保護区となっていて、近くには植物園もあります。しかし民家がずっと続いているので採集地を探すのは難しいところです。田園風景は、東南アジアの諸国そのものです。山の方向に一カ所、民家の裏側にランタナの花が咲き乱れている開けた場所がありました。山の斜面には、径がありましたが雨のため、滑って上ることができませんでした。歩き廻るほどの広さではありませんが、ランタナの花がいっぱい咲いていました。
畑が広がるところで、小川が流れている場所がありました。小川というよりも、山の中の渓流というところで、以前は森林に覆われていたと思われる場所でしょう。
宿泊したホテルの近くの河原に、調教されたゾウがやってきてました。ときどき、人の乗ったゾウと擦れ違ったりもします。 (2)昆虫について 山の開けた場所には、数は多くはありませんがチョウが行き交っています。一番大きなチョウは、やはりキシタアゲハです。採ってはいけないチョウなので、眺めるだけですが、大空を優雅に舞う様は、何とも美しいものです。キシタアゲハは、そんなに数は少ないとは思わないのですが、採ってもいいと言うことになると、やはり装飾品にもなるので、あっという間に採り尽くされてしまうかも知れないから、ワシントン条約も必要なのかも知れません。白っぽく見える後ろ翅がとてもいいテンジクアゲハも素通りしてゆきます。ランタナの花に立ち寄ればいいのですが、通り過ぎます。梢高く滑空してゆくチョウがいて、後ろ翅が白っぽく、翅を少し下げて滑空しています。トラフタテハです。残念ながら下に降りて来なかったので、網を降ることさえもできませんでした。もう一種、後ろ翅が白いチョウがいました。ケイロニカウラナミジャノメです。この島の、収斂現象なのでしょうか。インドネシアのチモール島では、ミノイスコジャノメやアプニウスウラナモジャノメは後ろ翅がオレンジ色になっていました。面白いものです。ルリモンジャノメやチビコムラサキがときどき姿を見せ、ちらほら翔んでいます。ランタナの花には、ポリムネストルアゲハやタイスミナミヒョウモンが立ち寄りますが、すぐに何処かへ翔び去ってしまいます。
草原の渓流の少し木々が茂っている所には、太陽の光を受けてきらきら輝くメタリックグリーンの翅を持ったミナミカワトンボが翔んでいました。メタリックグリーンやメタリックブルーの翅を持ったトンボには、カワトンボやミナミカワトンボの仲間がいます。一部、チョウトンボの仲間にもいて、光が当たると鮮やかに燦めいて幻想的です。
注記:昆虫採集に行って10年以上経ってから、「スリランカは、かなり以前から昆虫採集が禁止」されていることを知りました。
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