夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 昆虫万華鏡<タイ> |
4.1 昆虫燦々<タイ・タイ> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1回:1989年 8月16日 〜 1989年 8月19日
第2回:1990年 3月17日 〜 1990年 3月20日
第3回:1990年11月10日 〜 1990年11月12日
第4回:1991年 6月 7日 〜 1991年 6月 9日
第5回:1993年 2月10日 〜 1993年 2月13日
第6回:2006年11月15日 〜 2006年12月10日
1 タイ北部
(1)自然について 標高1000mほどの山地が続く北部は、森林も多く気候的にも温暖で過ごしやすそうだ。ただ、森林の多くは乾燥林である。湿潤な森林は、谷間などの窪地に広がっていそうである。ただ、そういう緑豊かなところは、国立公園や少数民族保護地として指定されている場合が多いので、採集場所を見つけるのは大変である。
好採集地であったチェンダオは、特に湿潤な林に恵まれていたが、以前の土の道はすっかり舗装され、そして柵で私有地が囲われて民家がずっと建ち、今では、採集はできない(?)みたいである。
(2)昆虫について やはり湿潤なところでの採集をしたいところだが、乾燥林での採集で、たまには汗を流すのもいいだろう。今回は、チェンダオ以外で採集した昆虫たちを紹介する。チョウの顔ぶれを見ると、やはり開かれた少し乾燥気味の土地にいる種類たちである。
アゲハチョウは、ナガサキアゲハ、オナシアゲハ、アオスジアゲハ、コモンタイマイ、ベニモンアゲハ、シロオビアゲハ、ワルナアケボノアゲハなどである。
シロチョウは、ウラキシロチョウ、アカネシロチョウ、ベニモンシロチョウ、タイワンシロチョウ、カワカミシロチョウ、オルフェルナトガリシロチョウ、タイワンモンシロチョウ、クロテンシロチョウ、タイワンキチョウ、シムラトリクスキチョウ、キチョウ、ツマベニチョウ、ウスキシロチョウ、ウラナミシロチョウ、オオキシタシロチョウ、アナイスアサギシロチョウ、ピレネメスシロキチョウなどである。
マダラチョウは、何処にでも普通に見かけるツマムラサキマダラ、ヒメコモンアサギマダラとコモンマダラ、コレルリマダラなどである。
ジャノメチョウは、ウラナミジャノメやコジャノメの仲間各種、メドゥスニセコジャノメ、コンフサヒカゲ、シロオビヒカゲ、メカラヒカゲ、カンサヒカゲなど各種ヒカゲの仲間やジテニウスコノマチョウ、ルリモンジャノメなどである。
ワモンチョウは、ソンダイカコノハワモン、インテルメディアアカワモンなどである。
シジミタテハは、エケリウスオナガシジミタテハ、アブノルミスオナガシジミタテハなどである。
タテハチョウは、キアネハレギチョウ、パルダリスオオイナズマ、レピデアイナズマ、ユリイコイナズマ、テウタリクイナズマ、アタマスヒメフタオ、チャイロタテハ、ツマジロイチモンジ、チャイロイチモンジ、メリオネカバタテハ、タイワンキマダラ、リラエアキミスジ、コミスジ、リュウキュウミスジ、クリニアミスジ、サンダカキンミスジ、ティガヒメミスジ、シロミスジ、ヤエヤマイチモンジ、、タテハモドキ、ジャノメタテハモドき、ウスムラサキタテハモドキ、クロタテハモドキなどである。
シジミチョウは、ルリウラナミシジミ、ケレノルリウラナミシジミ、シャマキマダラルリツバメ、ベロエアマミウラナミシジミ、ハタフリシジミ、リュウキュウウラボシシジミ、ドウケシジミ、アニタコノハシジミ、タイワンツバメシジミ、エリルスツメアシフタオシジミ、パンダワソテツシジミ、ホリイコシジミなどである。
セセリチョウは、サルサラダモノセセリ、ダサハラコモンモドキセセリ、ハネナガダモノセセリ、ダンニセコモンセセリ、ルベクラアカオビセセリ、セマモラアトジロセセリなどであるが数は少ない。
トンボは、八重山諸島とほぼ同じようなベニトンボ、ハラボソトンボ、ホソミシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、コフキショウジョウトンボ、ヒメトンボなどである。5種類ほどのイトトンボ、リネアタヒメハナダカトンボ、グラキリスホソカワトンボ、?カトリヤンマなどである。
乾期の11月だからなのか、セミの聲を聞くことはなかった。ハンミョウも残念ながら見つけられなかった。それ以外の昆虫もぱっとしなかったが、大きく美しいシナルリタマムシを掴まえた。
2 タイ南部
(1)自然について タイ南部は、マレー半島の北側に位置し、熱帯雨林が広がっている。私の行ったラノーンの町周辺も、山々の木々は、熱帯雨林を構成しているようだった。11月タイ北部では、全くセミの聲を聞くことがなかったが、ここでは、多くのセミが金切り聲を張り上げて啼いていた。
(2)昆虫について 東南アジアの熱帯雨林の昆虫たちを、十分に堪能することが出来るだろう。ここで紹介する昆虫たちは、ラノーンの街中から歩いて40分ほどで辿り着く林で、約100mの小径で採集した。
アゲハチョウは、ナガサキアゲハ、タイワンモンキアゲハ、オビモンアゲハ、アオスジアゲハ、コモンタイマイ、シロオビアゲハ、アオスソビキアゲハ、シロスソビキアゲハ、ホソバジャコウアゲハ、ベニモンジャコウアゲハなどである。
シロチョウは、種類が少なくアダキチョウ、サリキチョウ、ベニモンシロチョウ、クロテンシロチョウ、ツマベニチョウ(未採集)、アサギシロチョウ、ウスキシロチョウ(未採集)、ピレネメスシロキチョウ(未採集)などである。
マダラチョウは、ツマムラサキマダラ、ヒメコモンアサギマダラ、ウスキアサギマダラ、カマラルゼマンルリマダラ、シロモンルリマダラ、スジグロカバマダラ(未採集)、リンケウスオオゴマダラ、ヒペルムネストラオオゴマダラなどである。
ジャノメチョウは、バルドゥスウラナミジャノメ、ペルセウスコジャノメの2種しか見ることができなかった。
シジミタテハは、アミメシジミタテハだけである。
タテハチョウは、メティプセアハレギチョウ、ディルケアオオイナズマ、レピデアイナズマ、ユリイコイナズマ、ドゥンヤリクイナズマ、ツマジロイチモンジ(未採集)、トラフタテハ、チャイロイチモンジ、メリオネカバタテハ、マラヤミナミヒョウモン、オリッサミナミヒョウモン、アルキッペウラベニヒョウモン、ネフテミナミイチモンジ、ヤエヤマイチモンジ、ティガヒメミスジ、クロタテハモドキ、テルパンデルビロウドタテハ、イワサキタテハなどである。
シジミチョウは、プラルリウラナミシジミ、マラッカヌスルリウラナミシジミ、ヤマノオナガシジミ、モリノオナガシジミ、テイオウシジミ、テダフシギノモリノオナガシジミ、ラウィンドラフシギノモリノオナガシジミ、ベロエアマミウラナミシジミ、エモルスニセキララシジミ、エリルスツメアシフタオシジミ、パリアマダラキララシジミ、デモクリトゥスムラサキシジミ、イヤウエンシスムラサキシジミ、モオレイムラサキシジミなどである。
セセリチョウは、ステッフェルダモノセセリ、ダサハラコモンモドキセセリ、ヤペトゥスシロシタセセリ、フラワニセチャバネセセリ、ベスタネッタイアカセセリ、パラリソスクロセセリ、オマハキマダラセセリなどであるが数は少ない。
トンボは、残念ながら、ここでも不作で、イトトンボが2種、グラキリスホソカワトンボとフレクトゥアンスアカスジベッコウトンボなどである。
セミは、朝から1種類が静かに啼いているのだが、11時ごろから金切り聲を張り上げて、喧しく啼き出すセミがいた。4〜5種類くらい啼いていただろう。私は、一匹だけ手にする(拾い物)ことができた。
甲虫やその他の虫たちは、余り目にすることができなかった。僅かにカミキリムシとトビハムシの仲間が目を引いたくらいである。
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