夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡 昆虫万華鏡<台湾> |
2.1 昆虫万華鏡<台湾・台湾> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1回:1988年 8月12日 〜 1988年 8月20日
第2回:1989年 4月28日 〜 1989年 5月 8日
第3回:1990年 6月 1日 〜 1990年 6月 3日
第4回:2007年 6月20日 〜 2007年 7月 9日
第5回:2009年10月15日 〜 2009年10月21日
1 台湾東部
(1)自然について 海岸線間近まで山並みが迫り、美しい景観が続いている。中部以南においては、山脈から外れて行くが、もう一つの山脈が海岸線に伸びてゆく。北部では、海岸線沿いに汽車が走り、南部では、この二つの山脈の間を汽車が走ってゆく。多くの渓谷があり、また温泉街も点在している風光明媚な名勝地が多い。 (2)昆虫について 鉄道駅から適当に林道を探しながら採集していた。採集禁止区域には、昆虫採集禁止の看板が掲げられていた。市民憩いの場となっているハイキングコースは、しっかり整備されているが、人もやはり多い。ただ、採集禁止になっていなければ問題ないだろう。それ以外の場所は、果樹園などの農道が多いので、注意しながらの採集となる。
アゲハチョウは、クロアゲハ、シロオビアゲハ、ナミアゲハ(未採集)、カラスアゲハ、ルリモンアゲハ(北部と南部は、別亜種。北部・・・大型/南部・・・中型)、タイワンモンキアゲハ、ナガサキアゲハ、オナシモンキアゲハ、タイワンジャコウアゲハ、オオジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、ミカドアゲハなどである。
シロチョウは、キチョウ、タイワンキチョウ、クロテンシロチョウ、タイワンモンシロチョウ、モンシロチョウ、ウラナミシロチョウ(未採集)、ウスキシロチョウ、ツマベニチョウ、タイワンシロチョウ、クモガタシロチョウ、ウスムラサキシロチョウ、タイワンスジグロチョウ(未採集)、マダラシロチョウ、メスシロキチョウなどである。アカネシロチョウの幼虫が、群れとなって葉っぱにへばりついているのを見かけたが、成虫は見なかった。
マダラチョウは、ツマムラサキマダラ、マサキルリマダラ、ルリマダラ、マルバネルリマダラ、リュウキュウアサギマダラ、タイワンアサギマダラ(未採集)、ヒメコモンアサギマダラ、コモンマダラ、ウスコモンマダラ、カバマダラ、スジグロカバマダラなどである。
ジャノメチョウは、タイワンウラナミジャノメ、コウラナミジャノメ、コジャノメ、パンタカコジャノメ、クロコノマチョウ、ルリモンジャノメ、ウラキマダラヒカゲ、メスチャヒカゲ、シロオビヒカゲ、シロスジマダラなどである。
ワモンチョウは、ワモンチョウと台湾では初めてのソンダイカコノハワモンである。
タテハチョウは、タテハモドキ、アオタテハモドキ(未採集)、クロタテハモドキ、ジャノメタテハモドキ、リュウキュウミスジ、コミスジ、タイワンミスジ、ヤエヤマイチモンジ、タイワンイチモンジ、ナカグロミスジ、キミスジ、ヒメキミスジ、タイワンキマダラ、ヒョウマダラ、カバタテハ、リュウキュウムラサキ、タイワンコムラサキ、ルリタテハ(未採集)、コノハチョウ、ホソチョウなどである。リュウキュウムラサキは、南部では大陸型を多く見かけた。
シジミチョウは、シロウラナミシジミ、ルリウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ヒメウラナミシジミ、ルリシジミ、ヤクシマルリシジミ、ウラフチベニシジミ、タイワンクロボシシジミ、シロモンクロシジミ、ヒメウラボシシジミ、ウラギンシジミ、クラルシジミなどである。
セセリチョウは、ヒメイチモンジセセリ、クロボシセセリ、ホソバセセリ、クロセセリ、オオクロボシセセリ、タイワンアオバセセリ、ホリシャアカセセリ、タケアカセセリ、アトムモンセセリ、トガリチャバネセセリ、トビイロセセリなどである。
リュウキュウムラサキは、東南部、および蘭嶼島で大陸型を良く見かけた。八重山諸島は、迷チョウが多いが、多分、八重山諸島より遥かに大きい台湾では、フィリピンや大陸からの迷チョウが数多く飛来しているのではないだろうか。八重山諸島で見かける大陸型のリュウキュウムラサキは、そんな台湾から飛来したのかも知れない。
トンボは、不作であった。何と言ってもイトトンボは、一匹も見ることがなかった。ナカハグロトンボ、リュウキュウハグロトンボ、ヒメトンボ、コシボソトンボ、コフキショウジョウトンボ、コシアキトンボ、キイロハラビロトンボ、ベニトンボ、オオシオカラトンボ、ラムブリイアカスジベッコウトンボ、レギアチョウトンボ、リュウキュウカトリヤンマ、ホソミオニヤンマなどである。
セミは、日本と同じように市街地でもニイニイゼミやクマゼミが啼いていたが、種類は特定できなかった。ヘベスクサゼミ、フォルモサナクサゼミ、タカサゴナニイニイ、タカサゴナクマゼミ、ホルスティクマゼミなどである。
甲虫は、久し振りにバテシハンミョウ、ヒメハンミョウ、ヒメヤツボシハンミョウ、フルストリフェリメダカハンミョウと4種類のハンミョウと、フラテルコフキコガネ、タイワンシロテンハナムグリ、タマムシ、キボシフナガタタマムシ、オオアオコメツキなどの美しい種も採った。
その他の昆虫では、ツノトンボや小型のヘビトンボがいた。
豊かな自然が残された場所が多いので、いい場所にめぐり合えれば、それなりの成果が得られるだろう。花蓮市では、ホソチョウの卵、幼虫、蛹、成虫と全てのステージを見ることができた。
<10月の昆虫たち>
10月半ばになると、気温も30℃を超える日は少なくなってくる。秋だからと言って、景色が変わる訳ではないが、林道などの道端には、チョウたちが好むシロバナセンダングサがいっぱい咲き乱れている。夏には、余り見かけなかったチョウたちが数多く訪蜜に訪れていた。
今まで、余り見かけなかったチョウでは、タイワンジャコウアゲハ、タイワンタイマイ、ワタナベアゲハ♀、コモンタイマイ、タイワンヤマキチョウ、マルバネルリマダラ、タイワンアサギマダラ、タイワンキマダラヒカゲ、テツイロビロウドセセリ、トビイロセセリ、ウスアオオナガウラナミシジミが翔び交っていた。そして、ルリモンアゲハ、オオジャコウアゲハ、アカネシロチョウ、アサギマダラ。マサキルリマダラ、キミスジ、タイワンビロウドセセリ、タイワンアオバセセリ、アトムモンセセリ、ウラフチベニシジミなどは、普通に見かけた。
トンボは、日本みたいに赤とんぼがいないので、ハラボソトンボなどのごく普通種を除いて殆んど見かけることはなかった。
ハチ、アブなど、花によく訪れる種は、シロバナセンダングサにも来ているが、余り多いとは言えない。ミツバチは、セイヨウミツバチではなくて、ニホンミツバチが多かった。
甲虫は、少ないながらもシロテンハナムグリ、タイワンシロテンハナムグリ、?ヒラタハナムグリ、オキナワコアオハナムグリ、ヒラタクワガタや5〜6種の小形のカミキリを掴まえた。なかには、花蓮駅近くで、踏み潰された大きなタイワンカブリモドキも拾った。
バッタは、今まで一番大きなロセアオオイナゴを掴まえたが、秋にも拘らず余り多くを見かけなかった。
セミは、一種だけタカサゴナクマゼミを掴まえただけで、タカサゴナニイニイとタイワンヒグラシは啼き聲だけだった。
やはり、台湾東部には南西諸島と同一種が多い。
2 台湾中西部
(1)自然について 南山渓は、すっかり様変わりしていた。バス道路沿いには、何もなかったのに、今は、セブンーイレブンを始め、いろいろな建物が建っている。村には、民宿もあり、奥に行くと観光果樹園が続いていた。果樹園そのものも立派になり、豊かになったことは確かなようである。果樹園を抜けて、やっと採集コースに入ってゆくのだが、渓谷そのものが水害によるものなのかは知らないが、拡幅されたかのように大きく広がっていて、林道は明るくなったような気がした。そして好ポイントだったところは、森林とともに姿を消し、だだっ広い石ころだらけの河原となっていた。 (2)昆虫について 今までに来た季節とは違うものの、やはり景観が様変わりしたせいで、少し昆虫も少なくなっているような気がした。また数年後には、変わっているかも知れない。
アゲハチョウは、ワタナベアゲハ(未採集)、ルリモンアゲハ(未採集)、タイワンモンキアゲハ、アオスジアゲハ(未採集)、ミカドアゲハなどである。
シロチョウは、エサキキチョウ、クロテンシロチョウ、ウスムラサキシロチョウ、タイワンシロチョウ(未採集)、マダラシロチョウ、メスシロキチョウなどである。
ジャノメチョウは、タイワンウラナミジャノメ、オオウラナミジャノメ、サンガイカコジャノメ、ルリモンジャノメ、ウラキマダラヒカゲ(未採集)、シロスジマダラ(未採集)などである。
ワモンチョウは、ワモンチョウだけである。
タテハチョウは、クロタテハモドキ(未採集)、シータテハ、ホリシャミスジ(未採集)、ヤエヤマイチモンジ、キミスジ、ヒメキミスジ、ヒョウマダラ、リュウキュウムラサキ、ルリタテハ、タカサゴイチモンジ、コノハチョウ(未採集)、ホソチョウ(幼虫)(未採集)などである。
シジミチョウは、シロウラナミシジミ、ウラフチベニシジミ、アサクラシジミ、ムラサキツバメ、ゴイシシジミなどである。
セセリチョウは、ヒメイチモンジセセリ、タイワンキマダラセセリ、ホソバセセリ、タイワンビロウドセセリなどである。
トンボは、オオシオカラトンボだけであった。
セミは、いろいろ啼いていたが、確認できたのは、ツクツクホウシ(未採集)とホルスティクマゼミ(未採集)などである。
久し振りだったが、2日間の採集だったので、物足りなかった。以前は、南山渓より標高の高い松崗や翠峰などでも昆虫を採ったのだが、現在もそこで採集できるかどうか怪しくなっているので採集に行かなかった。南山渓は、昆虫は少なくなったが、まだ採集はできそうである。
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