夢惑う世界・昆虫たち 昆虫館<万華鏡> 昆虫万華鏡
夢惑う世界25 昆虫万華鏡<ベトナム>

ベトナムの採集地です

 第1回:1997年10月31日 〜 1997年11月 1日
 第2回:2007年10月25日 〜 2007年11月11日

1 ベトナム北部

ベトナム北部の採集地
ベトナム北部の採集地
コンフサヒカゲ
コンフサヒカゲ

(1)自然について

スミナガシ思った以上に耕作が進んでいて、豊かな緑を探すのは大変そうである。それに加え、山は、薪取りの人たちが入り込んでいて、私が採集したところでも、多くのところで木を切るナタの音が山に響いていた。
コムラサキ少数民族の住む山岳地帯では、山の頂上まで段々畑になっていた。全体的に、水田が一番多く、山深いところにも水田が広がっていた。そして田畑に適さないところには、馬や牛の放牧がされていた。

(2)昆虫について

ゴマダラチョウ緑が良く生い茂った山では、いろんな昆虫たちと出会った。 10/11月の最低気温は、20℃を下回るのだが、日中は暖かくいろいろと見かけて良かった。ただ雨の後の曇りの日は、日中でも気温が20℃を少し上回る程度なので、昆虫も活動をしなくなる。
アカボシゴマダラアゲハチョウは、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、タイワンモンキアゲハ、ルリモンアゲハ、シロオビアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、コモンタイマイ(未採集)、アオスソビキアゲハ、シロスソビキアゲハなどである。
ヒメウラナミジャノメシロチョウは、タイワンモンシロチョウ、タイワンシロチョウ、ウスムラサキシロチョウ、タイワンスジグロシロチョウ、アカネシロチョウ、キチョウ、タイワンキチョウ、ホシボシキチョウ、ツマベニチョウ、ウスキシロチョウ(未採集)、ウラナミシロチョウなどである。種名が分らなかったカザリシロチョウが他にも2種類ほどいた。
ウラナミジャノメマダラチョウは、ツマムラサキマダラ、ホリシャルリマダラ、ミダムスルリマダラ、コモンアサギマダラ、タイリクアサギマダラ、アサギマダラ、コモンマダラ、ウスコモンマダラなどである。
タカネヒカゲジャノメチョウは、バルドゥスウラナミジャノメ、フエブネリウラナミジャノメ、フランキスカコジャノメ、ディスタンティコジャノメ、アナクシアスコジャノメ、ウェルマヒカゲ、コンフサヒカゲ、シロオビヒカゲ、メカラヒカゲ、ムイレアディキマダラヒカゲ、クロコノマチョウ、マレラスルリモンジャノメなどである。
シロオビヒメヒカゲワモンチョウは、ソンダイカコノハワモン、エウメウスヒメワモン(未採集)である。
ジャノメチョウタテハチョウは、タテハモドキ、ウスムラサキタテハモドキ、クロタテハモドキ、アオタテハモドキ(未採集)、リュウキュウミスジ、コミスジ、ナタミスジ、トガリミスジ、シロミスジ、ナカグロミスジ、ヤエヤマイチモンジ、イナラミナミイチモンジ、チャイロイチモンジ、ツマジロイチモンジ、オステリアイチモンジコムラサキ、ムラサキイチモンジ、トラフタテハ、ツマグロヒョウモン、ティケミナミヒョウモン、ルリタテハ、ハレギチョウ、キアネハレギチョウ、チビコムラサキ、スミナガシ(未採集)、シロヘリスミナガシ、レピデアコイナズマ、アコンティアイナズマ、モニナイナズマ、ニエペルティイナズマ、パルダリスオオイナズマ、リュウキュウムラサキ、チャイロタテハ、アタマスヒメフタオ、ベルナルドゥスフタオ、アリストギトンフタオなどである。
オオヒカゲシジミタテハは、アミメシジミタテハ、ネオプロンオナガシジミタテハ(未採集)、エケリウスオナガシジミタテハなどである。
ヤマキマダラヒカゲシジミチョウは、ヤマトシジミ、ルリウラナミシジミ、シロウラナミシジミ、コシロウラナミシジミ、ムラサキオナガシジミ、ウラナミシジミ、ドウケシジミ、ロクスシロサカハチシジミ、タイワンクロボシシジミ、ゴイシシジミ、キネンシスカニアシシジミ、ウラフチベニシジミ、シャマキマダラルリツバメ、ロヒタキマダラルリツバメ、スキンティッラトラフシジミ、オニクスミツオシジミ、プセウドケンタウルスムラサキシジミ、ビルマナムラサキシジミ、エグリムラサキ、クエルケトルムマルバネムラサキシジミ、ブリスウラギンシジミなどである。
コジャノメセセリチョウは、ガンガイチモンジセセリ、パラリソスクロセセリ、アッサメンシスチャバネセセリ、ユウレイセセリ、メナカシロシタセセリ、ゴパラシロモンセセリ、ファッリケタバセセリなどである。
クロコノマチョウトンボは、イトトンボ5種、ウスバキトンボ(未採集)、ヒメトンボ(未採集)、ハラボソトンボ(未採集)、コフキショウジョウトンボ(未採集)、セクスマクラタヒメハラビロトンボ(未採集)、タイワンシオカラトンボ、ヒメハネビロトンボ、?フチトリベッコウトンボ、セボシトンボ、?ミナミトンボ、フェネストレッタハナダカトンボ、?ハナダカトンボ、タイワンハグロトンボ、ミドリカワトンボ、そして今回、初めて見た黄色い腹部の大きなオニヤンマなどである。
キバネセセリセミは、クサゼミを一種採っただけで、あとは、4〜5種の啼き聲を聞いただけである。そのうち1種は、ツクツクホウシだった。
テツイロビロウドセセリその他の昆虫は、特筆すべきなのは、スズメバチ位であった。今まで、東洋区を歩いていてもスズメバチは、余り掴まえてなかったが、今回の旅行中に、6種類のスズメバチを採った。スズメバチ属Vaspaかどうかは分からないが、ミツバチみたいに体色が黄色で羽音も似たスズメバチもいた。


2 ベトナム南部

(1)自然について

オキナワビロウドセセリベトナム南部の都市ホーチミンより北へ300kmのところにバンメトゥという省都がある。今回は、ここを拠点にして歩くことにする。ベトナムは、社会主義国家であるが、他の東南アジア諸国と何ら変わらない雰囲気である。街中は、車よりバイク、自転車が多いのが、少し違うくらいである。平野部には、殆ど森林がなく、開墾されている。バンメトゥの町周辺も、やはり原生林は残っていない。森林は、乾燥しているところが多く、下草は雑草が茂っている。小高い山も同じような状態であった。ダライサップの滝周辺は、原生林を呈していたが、溶岩石みたいな岩でごつごつとした地面であった。
タイワンアオバセセリ今回は、たった3日間であったが、1日しか晴れなくて残念だった。10月後半から11月初めの天気は、こんなものなのだろうか。今度は、ベトナム北部の山岳地帯へ行きたい。
アオバセセリホーチミンの朝は、ジョギングやウォーキングをしている人たちを多く見かけた。東南アジアでは、珍しい光景である。なんと言ってもベトナムの女性は、細身の人が多い。

(2)昆虫について

サカハチチョウ バンメトゥには、たった3日間で、そのうち1日は大雨だったので最悪であった。最初の日は曇り時々雨の状態で、ダライ・サップの滝で採集した。ラオス方面のバンドンは、森林は疎林となりオープン性のチョウが主となる。町中やその近郊には、カザリシロチョウやその他のシロチョウがいたが、残念ながら採集する雰囲気ではなかったので、採ることは出来なかった。
ダイミョウセセリシロチョウは、キチョウ、ホシボシキチョウ、クロテンシロチョウ、ウスキシロチョウ、タイワンシロチョウなどである。
コウトウシロシタセセリマダラチョウは、ウスコモンアサギマダラ、コレルリマダラ、モデスタルリマダラなどである。
ミヤマセセリジャノメチョウは、バルドゥスウラナミジャノメ、フブネリウラナミジャノメ、ノルマウラナミジャノメ、リサンドラウラナミジャノメ、ミネウスコジャノメ、ペルソイデスコジャノメ、ウスイロコノマチョウなどである。
タカネキマダラセセリタテハチョウは、ホルドニアキンミスジ、リュウキュウミスジ、ジャノメタテハモドキ、アオタテハモドキ、タテハモドキ、ウスムラサキタテハモドキ、レピデアコイナズマ、パルダリスオオイナズマなどである。
カラフトタカネキマダラセセリシジミタテハは、アブノルミスオナガシジミタテハである。
ホシチャバネセセリシジミチョウは、ホリイコシジミ、コルブスウラボシシジミ、ロクスシロサカハチシジミ、ムラサキサカハチシジミ、シロウラナミシジミ、コシロウラナミシジミ、ウスアオオナガシジミ、クエルケルムマルバネムラサキシジミ、ドウケシジミ、イアルブストラフシジミ、モリノオナガシジミなどである。
クロセセリセセリチョウは、ハネナガダモノセセリ、サルサラダモノセセリ、ドゥビウスホシチャバネセセリ、キモンチャバネセセリ、ぺ二キラタケタバセセリ、ニグリタショウガセセリ、クロセセリ、シロシタセセリ、オオシロモンセセリ、インドラ二クロテンセセリ、アルビペクタアミメセセリなどである。
オオシロモンセセリトンボは、9種のイトトンボ、リネアタヒメハナダカトンボ、?ハナダカトンボ、グエリニミナミカワトンボ、グラキリスホソカワトンボ、ミドリカワトンボ、ベニトンボ、?アカスジベッコウトンボ、アメイロトンボ、オオキイロトンボ、トリアングラリスチョウトンボ、ピッリスチョウトンボ、?ミナミトンボなどである。
バナナセセリ今回初めて大きなサソリを見つけた。走り出したりしないので掴まえやすいが、やはり素手では、ちょっと怖い。ピンセットで尻尾を抑えて、毒瓶の中に入れた。殆ど抵抗しないので、問題なく終わった。

ベトナムの昆虫たち
クロサソリ セルウィリアショウジョウトンボ キネンシスミドリカワトンボ リネアタヒメハナダカトンボ クロクマバチ
Fig.1vt クロサソリ Fig.2vt セルウィリアショウジョウトンボ Fig.3vt キネンシスミドリカワトンボ Fig.4vt リネアタヒメハナダカトンボ Fig.5vt クロクマバチ
グエリニミナミカワトンボ アトリテスタテハモドキ ge10カメムシ パノルムスオナガウラナミシジミ ビフォラタハナダカトンボ
Fig.6vt グエリニミナミカワトンボ Fig.7vt アトリテスタテハモドキ Fig.8vt ge10カメムシ Fig.9vt パノルムスオナガウラナミシジミ Fig.10vt ビフォラタハナダカトンボ
フルウィアアカスジベッコウトンボ ge3オトシブミ アルビファスキアホタルガ ネリッサマルバネシロチョウ キネンシスカニアシシジミ
Fig.11vt フルウィアアカスジベッコウトンボ Fig.12vt ge3オトシブミ Fig.13vt アルビファスキアホタルガ Fig.14vt ネリッサマルバネシロチョウ Fig.15vt キネンシスカニアシシジミ
ビコロルスズメバチ アナクシアスコジャノメ クロッシオニヤンマ sp8シラホシカミキリ ge6ウスバカゲロウ
Fig.16vt ビコロルスズメバチ Fig.17vt アナクシアスコジャノメ Fig.18vt クロッシオニヤンマ Fig.19vt gsp8シラホシカミキリ Fig.20vt ge6ウスバカゲロウ

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