夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標>
夢惑う世界4.1.1.1 考える
2000年6月13日  森みつぐ

 考えないで人生を送っている人は、いないことでしょう。私は、もともと口下手なのですが文章を書くのは、そんなに苦痛ではありません。ただ考えたことを文章に書き表してみると、考えていた通りには書き記すことはできないのがいつもです。文章を書くと非常に多くの抜け落ちがあり、論理的展開になっていないことに気が付きます。頭で考えているだけでは、不十分なことが分かりました(全ての人が、そうだとは思いませんが、多くの人がそうだと思う)。
 相手の話す言葉を聞いて、その内容をその場で解釈することは、文章を読みその内容を解釈することよりも難しいことです。会話の中で、確実に相手の話す内容を解釈し、自分の考えを述べることは何れにしても難しいことです。
 自分の考えを述べる。過不足なく話せるようになるには、やはり普段からいろいろなテーマについて考えてゆくしかないと思います(私は雄弁家ではないから、これしかありません)。考えるためには、自分の考えを文章にまとめてみるのが一番です。それと、偏った考えにならないように、テレビ・新聞・書籍等の情報に耳を傾けなくてはなりません。人生を生きてゆく上で、自分の考えを持たないと、社会に、ただ流されてゆくだけです。流言に惑わされるだけでは、いつまで経っても自分自身が見えてきません。だからと言って開き直って考えることを止めると、ますます社会から遠ざかることになります。結論が出なくても考え、まとめてみることです。他人と同じ考えになるとは限りません。人、それぞれ育ってきた環境が違うし、今、置かれている立場も違うのですから導かれてくる結論が自ずと違ってくることは当然なのです。正しいか間違っているかは、その後の問題です。考えたことを記述してあれば、何処で、何故間違ったかよく分かるはずです。また、正しくてもそれが全てでないことに気付くでしょう。
 考え続けることを通して、自己のアイデンティティを築き上げてみませんか。

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