初めてヤエヤマムラサキを見たときは、濃い紫色が炎天下の強い光を受けて輝いていた美しいチョウであった。迷チョウだと云うのに石垣島、西表島で行くところ、行くところでよく見かける。繁殖を繰り返しているみたいであった。葉っぱの裏にぎっしりと産み付けられた卵を見た。幼虫もいっぱい見た。なかなか繁殖力が旺盛みたいである。

　翅の模様にいろいろ型があるみたいだが、八重山ではほぼその型は網羅していた。フィリピン亜種である。

　海外へ行くと、うんざりするくらいいるのかなと思っていたのだが、海外へ行くようになってから石垣島で見たような光景には未だ出会っていない。普通に見かけるようなチョウではなかった。

　ヤエヤマムラサキもいつかは、八重山諸島のチョウの一員になっているときがきっと来るだろう。