夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 迷チョウ昆虫記
夢惑う世界4.1.2.13−6 迷チョウ昆虫記

2005年5月29日  森みつぐ

 久し振りの西表島である。歩いていても10年振りとは思えない大富林道である。林道は、以前と比べて、大分整備されている。歩き易くなるのはいいが、自然に影響を与えない程度にして欲しい。梅雨の真っ只中の今、また雨が降ってきた。暫らく、大木の下で雨宿りをする。通り雨みたいな雨が、断続的に降り続いている。20分もすると小降りとなったので、網を開いて、また歩き出した。クロスジカバマダラやリュウキュウアサギマダラが、時々姿を現す程度の林道を歩いていると、目の前の花にルリマダラがいる。"写真を撮ろう!""あれっ!ここ西表じゃないの!なんで、ツマムラサキマダラがいるの?!""写真どころではないよ!"網を振って掴まえると、新鮮なツマムラサキマダラの雌であった。多分、西表で羽化したと思われる。今回は、全く期待していなかったのだが、こんなチョウに会えてラッキーであった。

 このときには、ツマムラサキマダラは、既に西表島には土着していて、更に北上を窺っていたみたいである。温暖化が主な要因のように思われる。

No 採集年 採集地 亜種名 雌雄数
1 2005年5月29日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1
2 2006年5月26日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1♂6
3 2006年5月28日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1♂1
4 2006年6月4日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1♂1

ツマムラサキマダラ♀表 ツマムラサキマダラ♀裏
ツマムラサキマダラ(亜種 Eupioea mulciber barsine)♀
ツマムラサキマダラ♂表 ツマムラサキマダラ♂裏
ツマムラサキマダラ(亜種 Eupioea mulciber barsine)♂


2005年8月2日  森みつぐ

 ぱっとしない天気なのだが、時々日射しも差し込むので、まだいい方だろう。上って来るときは、ツマムラサキマダラも採ったし、久し振りの西表島としては、運も付いていたようだ。石垣島では、以前歩き回った土の香りのする径が、すっかりアスファルトで舗装されてしまった。しかし西表島の林道は、ほんの一部を除いて、まだ未舗装である。アスファルトの道を歩くのは、なんともつまらなく味気ないものである。

 雨がまだぱらついているが、帰り道をのんびりと歩く。"リュウキュウアサギマダラの標本が余り良くないから、少し採っておくかな?!"なんて思いながら歩いていると、前方に、そのリュウキュウアサギマダラがいた。"これ採ろう!"と思って見ていたら、何か違うように思えてきた。"これ、リュウキュウアサギマダラじゃないんじゃない!""掴まえなくては!"採ってみると、やっぱり違っていた。新鮮なヒメコモンアサギマダラである。今まで、何回何十回とこの径を歩いたけど、こんなことは珍しい。今日、2種類目の迷チョウである。もしかすると、私が暫らく来ないうちに、西表島に生息するチョウの新参者も増えているかも知れない。

No 採集年 採集地 亜種名 雌雄数
1 2005年5月29日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♂1
2 2006年5月26日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀2♂3
3 2006年5月28日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1♂2
4 2006年6月4日 沖縄県西表島 台湾亜種 ♀1♂2

ヒメコモンアサギマダラ♀表 ヒメコモンアサギマダラ♀裏
ヒメコモンアサギマダラ(亜種 Eupioea mulciber barsine)♀
ヒメコモンアサギマダラ♂表 ヒメコモンアサギマダラ♂裏
ヒメコモンアサギマダラ(亜種 Eupioea mulciber barsine)♂

Copyright (C) 2008 森みつぐ    /// 更新:2008年7月6日 ///