夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 札幌 庭の花たち
夢惑う世界4.1.2.14−12 札幌 庭の花たち

2022年4月27日  森みつぐ

 4年前引っ越してきたとき、玄関前にまだ小さな苗木だった木、何だろうと思ってそのままにしていたら2年目、30センチほどに伸びて多分バラの仲間だということに気が付いた。そして4年目の去年、淡いピンクの繊細な花を咲かせたことで、富士山麓周辺に自生するサンショウバラ(ハコネバラ)であることが分かった。
 玄関前に棘のある木があると危ないので撤去したいのだが、根がアスファルトの隙間に入り込んでいるので植替えは出来ないから切るしかないようだった。花が咲いたということは採種することもできるだろうと思い、結実し種が出来るのを待った。そして秋には実がいっぱいなって、種もいっぱい採ることができた。晩秋、西花壇と玄関のミニプランターに種を埋めておいた。
 3月下旬の雪融け後、たびたび見ていたが芽は出てきてなかった。ところが昨日、西花壇の種を埋めたところを見ていたら、双葉が芽出ししているのに気が付いた。大きい双葉である。幾つ埋めたか覚えてないが、全部で3つ一直線に並んで芽が出ていた。いろんな種が芽を出してくるので、100%ではないが高い確率でサンショウバラであろう。これで玄関前のは、今年はこのままで、来秋には切ることができるだろう。発芽したのは、そのうち植え替え育てる場所を選定しなくてはならない。


2022年5月4日  森みつぐ

 葉挿しで育てた白や薄いピンクのセントポーリア3鉢は3.5センチほどの大きな花をいくつも広げて、見事に咲いている。もう一つ、去年の冬にホームセンターで売れ残って、葉が数枚しかなかった別亜種のセントポーリアが数10枚の葉になっても、未だに花が咲く気配がなかった。
 それが先週、2つの花茎が葉の間から伸びているのに気が付いた。先端に付いた小さな蕾は、濃い紫色をしている。もう一つのセントポーリアの葉裏は、淡い緑色をしているのと違って、このセントポーリア葉裏は、紫っぽい色をしていたので、紫なのかなと思っていたが、今は、濃い紫色の2.5センチほどの花を、やっと2輪咲かせている。一つの花茎に、3つの蕾が付いているので、全部花が開くのを楽しみにしている。
 そして今年は、この紫のセントポーリアの葉挿しを試してみようと思っている。いっぱい増やしても仕方がないが、もしもの時に備えて2株ほどにしておこうと思い、葉挿しをするつもりである。今度も、上手くいけばよいのだが。


2022年5月18日  森みつぐ

 今年もフリージアが咲いた。昨年、一昨年とフリージアは咲いたが、3月に屋内でのことだった。今年は、何とか4月以降春の屋外で花を咲かせることを目標にした。その対策は、単純に球根を植える時期を遅らすことである。本来は、10月頃には芽が出てくるので、その頃までには植えるのだが、前年は一月遅らせて11月に植えたが、開花時期は10月に植えたのとほとんど差はなかった。
 今回は、芽が出るのを遅らせるために球根を暖房の効いた居間に置いて、芽が出るのが思惑通り遅らせることができ、1月に球根を植え付けた。いつも咲く3月でも葉は伸びているが花茎は出て来ていない。ただ日光不足のせいだろうか、葉は弱々しく伸びているだけだった。4月上旬屋外に出したが、案の定、葉焼けを起こしてみすぼらしくなって、いっとき、花は諦めかけたが、5月上旬、蕾があるのに気が付いた。今は、赤と黄の花が咲いている。
 今回、余った小さな球根を雪融け後の4月に花壇に植えたが、多分、その多くから葉が伸びている。今年は花を咲かせはしないが、来年はこれらのことを考えて、いい方法が思いつくかも知れない。日光不足によるもやし状態を解消するには、やはり屋外で育てる他ないようである。次回の方法を、もう少し考えようと思っている。


2022年5月25日  森みつぐ

 昨年の春、発芽するかどうか分からないがカラー(カイウ)の球根を一つ花壇に植えてみた。案の定、夏になっても発芽しないので秋に掘り上げてみたら、小さな芽が球根から出ていた。生きているけど、やはり地温が足りなかったのかも知れないので、そのまま元に戻して、晩秋に保存のために、再度掘り上げた。
 今年の春、一度きりで諦めるのも何だから、もう一回再チャレンジすることにした。地温を上げるために保温トンネルを作る方法を知ったが、もっと簡単にできる透明マルチで覆う方法を採用することにした。昨年の球根は無事冬越ししたかどうか不明なので、新しく一球を買って花壇に植え付けた。
 同時に植えた他の球根が次々に発芽していたが、やはりカラーは発芽しない。半ば諦めかけていた先週、今年の球根から3つ芽が出ているのに気が付いた。やっと今年は花が見られそうである。ただ去年の球根は、残念ながらまだ芽が出て来ていない。芽が出てくると思っていたのだが、どうであろうか。


2022年6月1日  森みつぐ

 2018年、初めての花壇に植えた花の一つが空色の美しい大きな花を咲かせるストケシア・ブルー(ルリギク)であった。次の年2019年には、株も大きくなって見事にいっぱい花を咲かせていた。株が大きくなってきたので、株分けをして半日陰の場所に一株植え付けた。ただ半日陰だからなのか、繁殖旺盛な花の近くだったからなのか、なかなか大きくならず花も咲かなかった。
 2020年、更に株が大きくなったので、再度株分けをして今度は、日当りのいい場所に一株植え付けた。こちらは順調に成長して、その年以降、花を咲かせ続けている。2021年も半日陰の場所だが、他の花から離れた場所に、一株株分けをして植えたら、順調に花を咲かせていた。
 そして今年2022年春、雪が融けた後、親株と去年植えた半日陰の株が枯れてしまっていることが一目で分かった。冬、雪がかなり深かったが、多分、それが原因ではなさそうであった。半日陰に植えた最初の株と日当りのいい場所に植えた株は、無事越冬していた。多分、株が大きくなり過ぎて、根が密になって弱ってしまったのではと思っている。仕方がないので、やっと生き抜いてきたような半日陰の株を植え替えたら、今のところ元気に育っている。今年、花を咲かせるかどうか分からないが、今後も株の更新をしてゆかなくてはならないようだ。


2022年6月8日  森みつぐ

 去年、長い穂状の紫色の小花をいっぱい咲かせるリアトリス(キリンギク)の3つの球根を植えた。ところが芽が出てきたのは1つであったが、無事成長して花を楽しませてくれた。春植えの球根の割には、北米原産らしく寒さには強いということで、冬も植えっぱなしにしていた。
 今春、1つだけぽつんと咲いているのがちょっと物悲しいので3球を追加して、去年の株の周りに植え付けた。去年の株は、去年より一月半も早く芽が出てきたので、今年は長く楽しめそうだと思っていたら、葉がどんどん広がっていった。“こんなに大きくなるの?”と思い覗き込んで見ると、全部で8つもの花茎があるようだった。“すごい!”
 こんなに増えるのなら今年買わなくても良かったのにと思いながら、来年はどうしようと考えてしまう。今年は、今咲いているルピナスのように穂状に花がいっぱい咲き乱れるのだろうと考えている。札幌の気候にあった花のようなので、今後も育ちやすい環境を提供しなくてはならないだろう。


2022年6月15日  森みつぐ

 一昨年の秋に植えた口紅シランの球根、一緒に植えた球根のうちで昨年の春に最初に芽生えたのが口紅シランだった。これは順調に花が咲くのだろうと思っていたのだが、いつまで経っても花が咲くことはなかった。札幌では無理なのかなと思っていたところ、今春も早くから芽を出した。
 今年は、あまり期待せずに見ていたら、すぐ隣からも芽が出てきた。球根が分球していたようである。親株からは花茎が伸びてきたのだが、思っていたよりずっと草丈が低い花だった。淡いピンクの蕾が今にも開きそうなのだが、まだ咲いていない。蕾の数も少しずつ増えて来て、今は4つになっている。あと数日で咲くだろうが、待ち遠しいものである。
 子株の方は、今年は咲かないだろうが、来年が楽しみである。今年、花が咲く状況を鑑みて、新しく球根を追加するか、もしくは、このままとするかを決めようと思っている。ただ草丈が低いので、植える場所を含めて、周辺の花たちとのバランスを考えて再構成をしなくてはならないかも知れないとも思っている。


2022年6月22日  森みつぐ

 3年前に買ったアマリリス、大輪の花が咲く赤いレッドライオン、薄いピンクのアップルブロッサム、そして中輪の花が咲く薄いピンクのピンクラスカルの3品種である。ピンクラスカルは、最初から2つ花茎が伸びて花を咲かせて、得をした思いだった。すべてが順調に6月初旬までに花を咲かせて、まずまずの出来だった。晩秋には球根を掘り起こして、冬支度した。
 翌春、4月下旬には既に球根から葉が伸びていて、遅霜の心配もなくなったので花壇に植えたが、アップルブロッサムだけが花を咲かせなかった。この年に購入した白い品種のアラスカも花を咲かすことがなかったのである。この2年間で花が咲く時期は、6月上旬から中旬であることが分かった。
 そして今年は、霜の心配がなくなったと思われた4月中旬に花壇に植えた。植える時には、既にレッドライオン以外はやはり芽が出ていたので、今年は花を早く咲かすかなと思っていたのだが、6月になっても葉があまり伸びて来ない。5月6月と気温が上がらなかったのが原因のようである。レッドライオンは、いつまで経っても芽が出て来ないので、枯れてしまったのかなと思っていた。6月上旬になって、やっと芽が出てきたときには、少しほっとした。ただ6月下旬になっても、ある程度葉の枚数が揃ってきたのは、去年咲かなかったアップルブロッサムだけである。今年、花を咲かすのはアップルブロッサムだけかも知れないと思っている。今年は、咲くだけでもラッキーかも知れない。


2022年7月6日  森みつぐ

 東向きの玄関を出て、すぐ南側の壁に面して135×50センチほどの小さな花壇がある。4年前に引っ越してきたときは、花壇の東側にドウダンツツジの木1本とムスカリ、そしてナツシロギクの花が咲いていた。この年はまだ、この花壇、南花壇をどうしようとも思ってなく、以前住んでいた方のままにしておくことにしていた。ただ、どうも雑然としていた。
 2年目の春、色とりどりのクロッカスが花を咲かせた。大体これで南花壇の一年を見たので、取り敢えず、雑草のように生えていたナツシロギクを除去して、クロッカスとムスカリを主体とした花壇にすることにした。ところがこの年、ドウダンツツジの枝が8割ほど枯れてしまった。原因はと考えると、南花壇の8割ほどが家の軒下に当たり、雨水が少なく、またそれに加え、用土の表面が細かい粉末状になっていて、水をかけてもそのほとんどが表面を流れ落ちていた。水不足で枯れてしまったようである。
 そこで用土を改善して、クロッカスやサフランを増やしたりしていたら、今年、なんと南花壇全体がムスカリの葉で覆われてしまって、クロッカスは、ほんの少し咲いただけだった。ムスカリに占領されてしまったのである。仕方なくムスカリを全部除去することにして、今日、3回目の掘り返しで除去が完了したが、多分、まだ残っているだろう。南花壇前縁の縁取りにクロッカスを使い、他の場所には、乾燥に強い草丈の低い花を植えるつもりである。それは、これから考える。多分、他の場所に植えている花から選択するつもりである。


2022年7月13日  森みつぐ

 2年前の初冬に、とうとうシクラメンを買うことにした。やはり花は花壇に植えたかったので、屋内で花を育てる計画はなかったのだが、花好きの母を介護するに当たって、殺風景な冬も咲く花が欲しくなって、シクラメンを買うことにしたのである。ただ大きな鉢を置きたくなかったので、ミニシクラメンを1鉢買って育ててみた。
 冬の間、白い花のミニシクラメンは、良く咲いてくれた。花の時節は終わり夏が近付いてきたので、日当たりが悪く軒下で雨が当たりにくいところに置いて、夏の暑さを凌ぐことにした。ところがある日、雨風が強い時、まともに雨に当たり、水に浸かっていたのである。すぐに確認していたら良かったのだが、かなり遅れたために枯らしてしまった。
 その経験を活かして育てようと、去年も初冬に、赤いミニシクラメンを1鉢購入した。白いミニシクラメンより花数は少なかったが、無事冬の開花も終わったので、今年も、日当たりの悪い軒下で夏を過ごすことにした。今回は、雨が降るたびに無事を確認しているのだが、先週ふと見ると、赤い花が2輪咲いているのに気が付いた。葉の間には、蕾が幾つも伸びていた。7月である。季節を間違えた?


2022年7月20日  森みつぐ

 一昨年の冬、愛らしい花を咲かす青とピンクのサイネリアを購入した。冬の間、咲き続け春を迎えたので花壇に植え替えてみたが、夏を越すことができず枯れてしまった。寒い冬に彩りを与えてくれる冬の花である。花が咲いているときに、もしかしたらと思い、咲き終わって枯れた花がらを採っておいた。
 昨年の冬も、違う品種の青とピンクのサイネリアを購入して育てたのだが、残念ながら春を迎える前に枯れてしまった。そこで9月に一昨年の採っておいたサイネリアの花がらを砕いて、鉢に蒔いてみた。そうしたら10月には発芽して順調に育って、いくつか育った苗のうち、元気な2つを鉢に植え替えた。
 それらが今年の春を無事に過ぎ、夏を迎えた。春に屋外に出そうかとも思ったが、今回は、屋内だけで育てることにした。ただ日射しが少なかったからなのか、葉が親株の倍以上の大きさになってしまった。7月上旬、ふと見ると蕾が付いているのを見つけた。そして今日は、青い花が半開きの状態になっている。もう一つの株は、まだ蕾も出来ていないが順調のようである。このまま無事に夏を越し、冬を迎えて欲しいと思っている。


2022年7月27日  森みつぐ

 隣家との家の間にある日当たりが悪く、強い風が吹き抜ける細長い西花壇の北側半分は、主に半日陰でも育つラミウムを植え付けてある。日当りが少し良い南側の半分には、普通の花を植えようとしたが、風が強すぎて、草丈の高いのは倒れてしまった。チューリップ、ダッチアイリスなどは、強風で南側に傾き、そして根を深く張るルピナスは、10センチほどの浅い用土のせいで、根っ子ごと倒れてしまった。
 そんなことを学び西花壇の南半分には、草丈の低い花を植えることにした。南側の端には、パンジー、ストケシア、アネモネ、そしてマツバギクを植えてあったが、これらは無事に花を咲かせているので、このままとした。去年、アルメリアの採っておいた枯れた花を潰して蒔いていたら、秋には芽を出し、今年1輪のピンクの花を咲かせた。まだ株と言うほどではないが、大きく育って欲しいと思っている。そして去年植えたデルフィニウム・チアブルーは、日当たりが物足りなかったのかモヤシみたいにヒョロヒョロと高くなり過ぎたので、秋に日当りのいい花壇に植え替えようと思っているが、直根性の花なので、上手くいくかどうかは分からない。
 今年に入って草丈の低いシレネ・ユニフローラ、シレネ・マルティア、リシマキア、ブラキカムなどを挿し穂にしたら、今のところ根付いたようだが、小さな株なので、冬を越せるかどうか心配である。他にもコレオプシス、ヒメフウロソウ、セイヨウクモマソウなどの株も植えたが、全てが来春の雪融け後を待つしかないだろう。


2022年8月3日  森みつぐ

 今日、1.5mほどの花茎の先でカンナの赤い花が咲いた。去年は、あと一歩のところで初雪が降り、花を見ることは出来なかったが、掘り上げた球根は、かなり大きく育っていた。それに期待して4月中旬に球根を植えたところ、去年の芽出しが6月中旬だったのに、今年は4月下旬には芽が出てきたので、大いにまた期待が膨らんだのである。
 そして今朝、赤い花が5輪咲いていた。沼津に住んでいたときは、いろいろ見かけていて花はもっと大きな印象を受けていたのだが、実際は、ごく普通の大きさであった。去年は花茎が1本だったので、株の大きさは気にしてなかったのだが、今年は、花茎が6本、もう1本も既に蕾が付いていて、もう1本がもうすぐ蕾が付きそうになっている。
 ただカンナは葉も大きくて、来年は何処まで株が大きくなるのか心配になってしまう。多分、今年と同じ位の場所の確保をするつもりだが、そのためには、球根の切り分けをしなくてはならないだろう。近くの花に影響を与えないようにしなくてはならないだろう。いろいろ大変だが、これからも楽しんでいくつもりである。

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