夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記
夢惑う世界4.1.2.9−2 気まぐれ昆虫記

2001年9月19日  森みつぐ

 セスジスズメの芋虫クロちゃんを育てているとき、採ってきたヤブカラシの葉に卵や幼虫が付いていた。その卵の方が、クロちゃんだった。4つあった卵は、1個が黒くなって死に、1個が糞を掃除するときに見失ってしまったため、2匹となってしまった。真っ黒い体色は、角の先まで真っ黒い。しかし、4令になったときに、角の先は白くなった。
 それにしても、成長が早い。1令から2令、2令から3令、3令から4令の間は、たったの2日間である。私は、終令は5令かと思っていたが、ひょっとしたら6令まで行くかも知れない。でも。もうすぐだ。
 やはり5令で終令となり、3日後に蛹になった。この蛹、越冬するかと思っていたら、なんと4週間もしない10月中旬に、ひっそりと羽化してしまった。その前に蛹化したクロちゃんは、越冬しそうだというのに。
 食草のヤブカラシは、会社周辺や帰り道にもあるから気にしていなかったのだが、ある日、突然、両方とも刈り取られてしまった。ヤブカラシは、雑草ではない。小さな花々には、いろんな昆虫が訪れる大事な酒場である。緑少ない街中の貴重な酒場である。口惜しいね!

 ■卵 3+?日間 ■1令 2日間 ■2令 2日間 ■3令 2日間 ■4令 2日間  ■5令 3,4+2日間

セスジスズメ成長記
卵から蛹までのセスジスズメの成長記録(成虫

セスジスズメ1令
セスジスズメ4令
9月6日 セスジスズメの1令幼虫 体長8mm 9月11日 セスジスズメの4令幼虫 体長31mm


2001年9月25日  森みつぐ

 クロちゃんとノロちゃんの子育ても終わりのんびりできると思っていたら、1週間もしないうちに会社の帰り、また芋虫が目に入ってしまった。これは、もう私の職業病である。視力は、良くないのだが生き物には敏感に反応する。自然の中での形状や色彩に敏感に反応してしまうのだが、それとて気付くのは、ほんの少しである。虫さんの隠遁の術に敵うはずがない。
 今回のスズメガは、黒く長い角が上を向いて弓なりになっていて格好いい。緑色の地色に茶色い背中も素敵である。食草のヘクソカズラも、一緒に採って持ち帰った。このヘクソカズラは、私の家の洗濯竿に今年から絡まり始めた蔓草である。私は、雑草と言われている草も迷惑を感じない限り、そのままにしている。そんな訳で帰宅したとき、このヘクソカズラの葉もちょっと戴いた。葉っぱをもぎ取って、ふと裏を見た。“あれ!ここにもいた”さっきのより小さくて全体が緑色だが、弓なりの角は同じである。灯台もと暗しとは、このことである。今日から、この2匹を育てることになった。
 次の日、食草を持って帰宅すると大きい方のユミちゃんが見当たらない。“あれ!”と思い、容器の裏から見てみると、葉っぱを紡いで中に閉じ籠もっていた。容器の下が濡れていると思っていたら、ユミちゃんの蛹化前の排尿みたいである。昨日測ったときは、36mmしかなかったので、まだ蛹には、ならないだろうと思っていたのだが、ちょっと、早すぎる。今日は測定することが出来なかったが、多分、食欲旺盛だったから体長が45mm位までになっていたかも知れない。セスジスズメは、食べなくなってから蛹部屋を作るまで、少し時間があった。多分、体が大きいため食べた葉を全て消化するまで時間がかかるためと思われる。でも、ユミちゃんは、小柄なため短い時間で排便が済んでしまうのだろう。1匹目は、データが全然取れなかった。
 それにしても、ヘクソカズラは、葉が硬いためすぐ萎れることがなく助かる。
 もう1匹のユミちゃんも最終令だった。体長が40mmを超えたとき、あっという間に葉を紡いで蛹部屋を作ってしまった。どうもツノちゃんは、放浪の旅は、余りしないみたいである。蛹部屋を作ってから放尿をしている。蛹部屋を作っているときには、背中がうっすらと茶色に染まってくる。U字型になって部屋を作ってから1日も経つと、一直線になってじっとしていた。そして、2日後には、蛹化した。

ホシヒメホウジャク5令a
ホシヒメホウジャク5令b
9月19日 ホシヒメホウジャク5令 幼虫タイプa 体長36mm 9月22日 ホシヒメホウジャク5令 幼虫タイプb 体長40mm
ホシヒメホウジャク蛹
ホシヒメホウジャク成虫
9月29日 ホシヒメホウジャクの蛹 体長26mm 10月14日 ホシヒメホウジャクの成虫 開帳42mm

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