夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記
夢惑う世界4.1.2.9−3 気まぐれ昆虫記

2001年10月21日  森みつぐ

 秋分の日の振り替え休日だった月曜日に、私の物干し竿を占領しているヘクソカズラにホウジャクがまとわりつくように翔んでいた。多分、卵を産み付けているのだろう。
 その週の土曜日に葉の裏をチェックしてみると、なんといることいること。孵化したばかりの若葉色の幼虫がいっぱいいる。“これは、また楽しみが増えてしまった!”
 孵化しそうな卵と幼虫を1匹ずつ採ってきて、容器に移し換えた。2時間ばかり外出して帰宅してみると、卵は、既に孵化していたのだが、幼虫がいなくなってしまった。1令幼虫が葉を離れてうろちょろするとは思っていなかったので容器の蓋を少し開けておいた。
 次の朝、今度は、孵ったばかりの幼虫が糸を吐いて葉っぱに宙ぶらりんの状態で死んでいた。
 仕方なく、また補充することにした。今度は、大事に育てなくては。
 忙しく子育てをしていると、脱皮を見落とす恐れがあるから、今回は、角の大きさも測ることにした。小さな幼虫は、1令と思っていたが、孵化したばかりの若葉色の幼虫の角と大きさが違っていたので、既に2令になっているようだ。
 2〜3日後、それぞれ脱皮して2令、3令になったが、これから5日間(中4日)家を留守にする。こんな時、ヘクソカズラは重宝する。1週間くらい放っていても萎れてこない。出発前に、少し多めに入れておいた。4日もあれば、令が一つずつ変わるだろう。
 4日後帰って早速見てみると、容器の底は、黒い糞で一杯である。それを嫌ってかツノちゃんたちは、容器の上にへばり付いて静かにしている。やはり、令が変わっている。早速、綺麗に掃除してあげたら、3令になったツノちゃんが葉っぱに降りてきて、食べ始めた。やっぱり、糞が嫌いだったのかなと思っていたのだが、寝る前にもう一度見てみると、蓋へ移動している。ひょっとすると、このツノちゃんは以前のと種類が違うのかな?
 まもなく小さい方が4令になった。脱皮したツノちゃんを観察したら、今までのと色合いが違っている。胴体の白っぽい線が、黒っぽい線に変わっているのである。そして、お尻の角も今までのとは、違って短い。これは、やはり別種か?5令になるまで、分かりそうにもない。
 1日置いて大きい方の芋虫が、5令になった。ところが、これもよく観察すると違っている。ツノちゃんらしい角にはならないで、4令と同じ長さのままで太くなった。そして一番、印象に残るのは、角の先3mmが白いのである。これは絶対、別種である。愛称は、シロちゃんにしてしまった。
 10月14日、羽化が来年だと思っていた蛹たちが、既に羽化していた。ツノちゃんは、実は、ホシヒメホウジャクであった。多分、このシロちゃんは、ホシホウジャクみたいだ。
 シロちゃんは、脱皮するとき、やけに準備期間が長い。3令、4令と2日間、じっとしている。
 黒っぽい線になった芋虫も5令になった。角を見ると、やっぱりシロちゃんだ。見事に体色は、ピンク色になってしまった。鮮やかな変身である。コスズメもそうだったが、卵から育てると体色が途中で濃くなってしまう。本当かな。
 5令になると、すごい大食漢である。そもそもヘクソカズラの葉は、そんなに大きくないので、あっと言う間に食い尽くしてしまう。そして、なかなか蛹化してくれない。そんな雨の朝、突然、昨日までの鮮やかな緑色が濃いピンク色に変わって放浪していた。私の方は、一息つくことができた。雨で食草をどうするか、思いあぐねていたところであった。
 夕方、帰宅すると既に糸で編んだ荒い繭をこしらえて、じっとしていた。以外と長い幼虫期間である。秋だからであろうか。よし、来年も育てよう。

 ■卵 ?日間 ■1令 3日間 ■2令 4日間 ■3令 4日間 ■4令 5日間  ■5令 5+4日間

ホシホウジャク成長記
卵から蛹までのホシホウジャクの成長記録

ホシホウジャク3,4令
ホシホウジャク5令
10/9 ホシホウジャクの3,4令幼虫 10/16 ホシホウジャクの5令幼虫
ホシホウジャク5令終
ホシホウジャク成虫
10月19日 ホシホウジャクの5令幼虫放浪中 2001年10月14日 静岡県天城にて


2001年8月15日  森みつぐ

 マレーシアで採集してきた昆虫を整理していた。“そろそろ寝る時間だ”と思い後片付けをしていると、天井でがさがさ音がする。“また、ネズミかな!?”と思ったのだが、ちょっと音が違うので蛍光灯の上を見てみた。“うん、何あれ!”“スズメガじゃない!”“え!どうして!!”網戸が閉まっているので、蚊だって入って来れないはずである。“何処から来たの?!”
 でも、飛んで火にいる夏の虫とはこのことである。鱗粉を撒き散らす前に、掴まえて処理をする。大きな大きなシモフリスズメであった。ラッキーではあるが、一体何処から来たのだろうか。
 ひょっとすると昨年、ジャコウアゲハの幼虫みたいに拾ってきたかも知れない。思い出せないがきっと、そうだろう。私の場合は、終令幼虫を持ってきて、つい気が緩んで容器の蓋を軽く開けてしまう。あのジャコウアゲハの幼虫も、2〜3時間部屋の中を散歩していたが、私が寝る前に、足に這い上ってきた。幼虫も眠たかったのだろう(?)。大きな角を持ったシモフルスズメの太い幼虫も、すぐ行方不明となり、家具の隙間で蛹になったと思われる。今まで、スズメガの蛹は、乾燥させてしまい羽化しないことが、殆どだったのだが、これはいい方法かも知れない。
 今度は、何が出てくるやら楽しみである。

シモフリスズメ
シモフリスズメの蛹
7月31日 突然飛びだしてきたシモフリスズメ 1995年 沼津で拾ったシモフリスズメの蛹(52mm)

Copyright (C) 2001-2002 森みつぐ    /// 更新:2002年4月14日 ///