夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記
夢惑う世界4.1.2.9−6 気まぐれ昆虫記

2002年9月29日  森みつぐ

 そろそろ、クマゼミが啼き出す季節が近付いてきた。会社の途中にある生け垣には、既にクマゼミの羽化殻が付いている。
 7月9日。夕方、いつものジョギングをしていたら、アスファルトの歩道をのそりのそりと歩いている大きいセミの幼虫を見つけた。クマゼミみたいである。そのときは、立ち止まらず、Uターンして戻ってきたところで幼虫を拾った。既に殻は透けて、緑色の翅が見えている。まだ、ジョギングの途中である。右手の中に、その幼虫を落とさないように優しく包み込みながらジョギングを続けた。今にも羽化しそうな感じなのだが、暫くは我慢して貰わなくてはならない。
 家に戻って、早速部屋の中に放した。時計は、6時半を廻っていた。“シャワーを浴びている間は、羽化しないでね!”と断ってから、シャワーを浴びたのが良かったのか、脱皮はまだであった。幼虫は、襖の桟にしがみついていたのだが、気に食わないのかまた移動し始めてしまった。自然の木と違って、棚は爪を引っかけるところがなくて安定しないようである。棚に上っては、どすんと落ちる。殻が割れてしまわないかと心配してしまう。そんなことを繰り返しているうちに、9時を廻ってしまった。セミの幼虫の中では、既に成虫となったセミが幼虫の殻を動かしているみたいである。
 9時半、標本箱棚の横木の安定しない足場で、とうとう羽化が始まった。

 クマゼミの羽化(約120KB)の様子を見ることが出来ます。
 約2分を1秒に短縮して再現(約1分)していますので、どうぞご覧下さい。

クマゼミの幼虫
1日経ったクマゼミ成虫
7月9日 幼虫(成虫の緑色の翅が透けて見えている) 7月10日 1日経った成虫


2002年9月16日  森みつぐ

 ジョギングを始めてまもなく、女高生が歩道で立ち止まって、じっと下を見つめていた。程なく私が近付くと、足下には美味しそうな芋虫がじっとしていた。“うん!アゲハの幼虫かな?”

♪女高生: これなんですか?

 顔を近づけて良く見ると、初めて見るスズメガの幼虫である。

♭私   : スズメガの幼虫だね。

♪女高生: そうですか。ここにいると、誰かに踏みつぶされてしまいそうですね。

♭私   : じゃあ、私が貰ってゆくね。・・・食べるんじゃないからね?!

♪女高生: ???


 久し振りに弾んだ会話?に終止符を打って、まるまる太ったマイゴちゃんを拾い上げて、私は再び走り出した。近くには、食草らしい植物は見当たらなかった。右手の中にマイゴちゃんを持ったのはいいが、じっとしていてくれない。まして走り出したばかりだから、これから30分は右手の中である。私と擦れ違った人たちは、まさか私が芋虫を連れてジョギングしているとは、これっぽっちも思っていないだろう。散歩の犬さえも、気付いていない。
 もう食べないかも知れないけど、途中でヤブカラシを摘み取った。家に戻って早速、タッパウェアに入れてみたが、乗り物酔いをしてしまったのか、じっとしたまま動かない。
 次の日、軟糞をして蛹になる場所を探している。
 4日後、ホシホウジャクみたいな蛹になっていた。

終令幼虫
終令幼虫の顔
9月5日 終令幼虫63mm 9月5日 終令幼虫の顔
蛹
 
10月6日 蛹44mm  

 2003年4月6日。蛹は、まだお目覚めしていない。さて、どんなスズメガが羽化するか楽しみである。

 2003年7月5日、とうとう羽化した。10ヶ月期待して待ったのに、羽化したのはセスジスズメであった。あの黒っぽいモンローウォークのクロちゃんだけではなく、ミドリちゃんもセスジスズメだった。


2003年6月15日  森みつぐ

 梅雨入りしたある日の会社の帰り、あと50mで自宅というところで、民家の生け垣の葉に、スズメガがちょこんと翅を佇んで休んでいるのが視野に入ってしまった。
 虫さんに興味のない人には視野に入っても、単なる物として捉えて、“キャー!ガだ!”と言うことにもならないのだろうが、私の場合は、脳がガだと認識してしまう。
 “コスズメ?セスジスズメ?”と思いながら4〜5歩、“いや、待て!ちょっと大きいな!?”確認のため引き返してみると、美しい翅と腹部の黄色い横ラインが鮮やかなスズメガである。多分、初めて見る。細い生活道には、運良く誰もいない。鱗粉や体毛が取れるかもしれないが左手で優しく掴み、一目散で自宅に帰った。羽化したばかりと思えるほど、新鮮な成虫である。
 部屋の中に放つと小刻みに翅を震わせるが、翔び立つほど興奮していない。カーテンに止まらせて記念写真、そして・・・。
 図鑑で調べるとキイロスズメとのこと。民家では、草花を何でもかんでも育てているところが多いので、スズメガにとっては、これ幸いとばかりに貪り付く。そして、市街地も絶好の生息地かも知れない。あっちこっちにイモムシ君が這い回っているかも。

キイロスズメ
6月13日 ちょっと粋なキイロスズメ

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