Ｐ-Ｉｓｌａｎｄ　外伝　〜秋の行事〜（７）


勢いよく戦闘機に乗ったけど、こんなのどう操縦すればいいんだ？
「兄チャマ、四葉がサポートするので大丈夫デスよ」
「四葉ちゃん？　サポートって……？」
「四葉がオペレーターをするので、兄チャマ、何でも聞いてくださいネ」
「アニキ、私もサポートするから心配ないって」
うーん、何か心配になってきた。本当に大丈夫なのかな？ 僕の不安をよそに戦闘機が乗っている台が伸びていき、滑走路になっていく。
と同時に滑走路の前のほうが上に上がっていき、角度がついてきた。
こうなったらやるしかない。妹たちのためにも頑張らないと、妹たちを守らなければいけないんだ。
「じゃ、アニキ。射出するよ」
「……オールグリーン。兄チャマ、ＯＫデスヨ」
「…しゃーないな、行きますか！！」
操縦桿を倒してスロットルをあげる。
もの凄いＧが掛かってシートに体が貼りつくような感覚になる。
「兄チャマ、気をつけてくださいネ。もうすぐ敵とエンカウントします」
「了解。これより迎撃に入ります」
目標がセンターに入ったらスイッチを……。
「ロングレンジミサイル、スタンバイ」
スイッチを入れた瞬間に沢山のミサイルが発射される。どれもが狙い違わずに目標に当たる。
堕ちたのは飛行タイプの乗り物だった。
「ターゲット・インサート！」
燦緒も敵に向かって両肩のランチャーからミサイルを放つ。その一撃で敵のほとんどが大破する。
それでもまだ敵は残っていてミサイルを掻い潜った飛行ロボットタイプが接近してきた。
「接近戦はこのボォキに任せたまへ」
そう言って山田の乗ったロボットが突出していく。
「これでもくらえっ！」
近づいてきた敵を次々にナックルパンチで叩き伏せていく。
この調子ならなんとかなるかもしれない。
「兄チャマ、第二陣が来マス！」
四葉ちゃんの報告でレーダーを確認すると無数の敵がレーダーに映し出された。
「このままじゃ埒が明かない。どうする航」
このままだとこっちがジリ貧だ……どうするべきか。
「やっぱり頭を叩くのが一番じゃないかと」
「確かに常套手段ではあるが、真理だな。だが誰が先陣を切るかだが……」
「その役目はボキに任せてくれないかな。
　このジ○ンスク○ドならちょっとやそっとの攻撃は通用しないのさ」
「その頑丈さなら道を切り開くことが出来るだろう。
　第二陣は僕が行こう。広範囲攻撃用の兵器があるからな」
なるほど各ロボットの性能などを考えれば一番良い方法かもしれない。
「小回りのきく飛行タイプなら相手の中枢まで食い込める。
　重要な役割だが頼んだぞ」
「でもそれではみんなが……」
「考えている時間は無い。適材適所だ、航」
「じゃあ、ボキから……。うなれ鉄拳！　こいつでシビれろ、電撃拳！！」
言うが早いか山田は敵の中心に向かって突っ込んで行った。
拳を叩き込み道を切り開いていく。飛行タイプはおろかロボットタイプも歯が立たないでいる。
「あんたの運命決まったぜ！　ギ○・ワイ○ブラ○ター！！」
山田が奥深く切り開いたところへ燦緒が突入する。
ライフルやビームソードを駆使して、山田のさらに奥まで突き進む。
「運が悪かったな・・・沈め！」
山田からだいぶ離れたところで一旦停止する。そのままでは餌食になる。
「ラ○ンド・チャ○ラ○！！」
燦緒の乗るロボットを中心にビームで作られたチャクラムが円を描くように回転する。
チャクラムの範囲内のものは全て胴をなぎ払われていく。
今だ！　最高速度で中心に向かわないと。目指すはあの戦闘母艦だ！
フルスロットルで加速するとさっきとは比べ物にならないＧが襲い掛かってくる。
息も出来ないほどの衝撃、涙が自然と流れてくる。
……やっぱりやめれば良かったかな。
止めようと思っても止まらない……このままだとぶつかってしまう。
そんな馬鹿な。



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