TopNovelおとめ☆Top>おとめ☆注意報・21

…21…

 

 えっ……、えええええっ!?

 むせかえるような汗の匂い。身体が全然動かないくらい、がっちりと押さえ込まれて。バラバラと窓を打つ雨音にかき消されそうな声。でもっ……でも。何だか今、ものすごいことを言われた気がする。いや、確かに言われた。間違いない。

 他の音声ならいざ知らず。一に関する音なら、媛子はいち早くキャッチできる自信があった。かすかな微動、漏れる吐息まで。離れていたって感じ取れる。いつだって、そんな風にして気配を感じ取っていた。学校という狭いようで広い空間で過ごしていて。出来る限り側に行きたかったし、声が聞きたかった。

 ――だけど、だけどっ! やっぱり、おかしいと思う。あの、試合の後もちょっと変だと思った。そしたらいきなり高熱を出して倒れちゃって。じゃあ、……もしかして、また熱が上がってきたのだろうか。夕食の時に飲んだ抗生物質がもう切れたのか。

 ここは完全密室。しかも外は大雨、そして強風。

 地球上の、一以外の全ての男だったら、こういう状況でいきなり襲いかかることもあるかなと想像が付く。でも……一は、一だけは。絶対にあり得ないと信じていた。信じていた、と言うよりは諦めていたと言ったほうが正しいか。

「……せんっ……せ……」

 きつく抱きしめられたら、声も出ない。何か、大パニック。だって今日は二回目。

 さっきはおなかに防具がくっついていたから、「抱きしめていいか?」って聞かれて、ぎゅうぎゅうと抱きしめられてもこれほどではなかった。そりゃ、ものすごい圧迫感だったけど、あれはむしろ身体に固いものを押しつけられる拷問のようだった。とても「らぶらぶシーン」とは思えなかったのだ。正直、あばらが折れるか窒息するかと思った。

 ときめきよりも息苦しさの方が勝っていたから。それだけがちょっと心残りだったり。

 ……でも、今は。それよりはいくらかマシかも。ぴったりとくっついた身体。ごわごわしたパジャマの布が頬にくっつく。とてつもなく速い心拍数、荒い息づかい。いつもの一とはどこか違う、別の人になってしまったみたいな腕に抱き取られている。

 おかしい、すごくおかしい。一はこんな風に自分を抱きしめたりしない。ましてや、……その。びっくりするような要求を突きつけてくることはない。だから、戸惑っている。すごく、怖くて。
 そんなこと言ったら、申し訳ないと思う。愛する人と結ばれること――それを最初に望んだのは自分の方なんだから。だけど実際にその状況に置かれてしまうと、心だけが置き去りにされてる。こんなの絶対に駄目、って思う。

「媛……」

 辛そうに、名前を呼ばれて。もしかして、本当に求められてるのかなってちょっとだけ思う。けど……違うよ、先生。私は運命の人じゃない。そうかな、なれるかなって、期待したこともあったけど、絶対に違う。

 ――だって……もう、先生の大切な人にはなれないもん。私、結婚するんだもん。しなきゃいけないんだから。

 

 繰り返し繰り返し聞かされてきた。物心つくかつかないかの頃から。――最初の記憶は定かではないけど、多分自分にその話をしてくれたのは両親や祖父母と言った「家族」ではなくて、家で働いている使用人の人たちだった気がする。

 とにかくもう数え切れないほど何代も遡った昔から、久我の家にはひとつの言い伝えがあった。それに従うのはこの家に生まれた娘としては当然の事だったのだ。

「久我の家に災いをもたらすのは女だ。だから、長く留め置くな。久我の血を引く女は早く家から追い出さなくてはならない」

 その禁を破ったときにどんな災いが起こるのか、誰も知らなかった。だって、その時までは「禁」を破る者などいなかったから。「家から追い出す」なんていい方をすれば恐ろしいが、要するに家の者でなくなればいい……嫁に出せばいいと思えば気が楽だ。遅かれ早かれ嫁ぐのなら、その時期が早まったって何の支障もない。誰もがそう思って疑わなかった。

 その事件は、突然起こった。

 昨日まで何の変化もなく、大人しく高校生をしていたはずの「久我の末お嬢様」がいきなり反旗を翻したのだ。半月後に控えた結婚のことは誰もが待ち望んでいることだったし、それは本人も同じだと思われていた。

 結婚は取りやめてくれと、父である先代――つまり媛子の亡き曾祖父に訴え、それが聞き届けられないと悟った時に、彼女は思わぬ暴挙に出た。……そうである、久我のただひとつの汚点と言われている失踪事件が起こってしまったのだ。朝になったら彼女の部屋はもぬけの殻、一夜のうちに姿をくらましてしまった。

 すぐに手を尽くして彼女を見つけ出し、家に連れ戻すようにと家人は手を打とうとした。しかし先代は何を思ったのか、自分の娘を野放しにしてしまったのだ。もちろん、婚儀はそのまま中止。一族は元より、町中がその事実を知って驚き恐れた。そして、その不安はすぐに本当のものになっていく。

 久我の事業が、まるで一本の柱を失ったようにいきなり崩れだした。夜逃げのように有能な社員たちは会社を去り、高度経済成長のさなかにあって、時代を逆流するかの如く業績は悪化した。いくつもの工場や建物が差し押さえられ、その再起は不可能だと誰もが思った。市議として、次期は県議も狙っていたと言う先代は志半ばでその夢を打ち砕かれ、ついには床についてしまった。

 

 媛子が生まれるずっと前のことだ、だから実際に味わったことではない。その後、先代の息子である媛子の祖父が跡を継ぎ、長い時間をかけて業績は持ち直して現代に至る。話だけを聞くと何百年も前の出来事のようだが、つい30何年前のことなのだ。

 幸い、と言っていいのだろうか、父の兄弟は全て男の子だった。だから、再び災いに翻弄されることはなかったのだ。そして、長子である媛子の父がやがて結婚、その後子宝に恵まれていくが、ふたり続けて男の子……だが、最後に媛子が生まれてしまった。

 祖父である頭取は、表だってはそのことを語ろうとはしなかった。だが、媛子が7歳になったときに「この男の嫁になるか?」とひとりの若者を紹介される。それが……真倉であった。「はい、分かりました」と応えた瞬間、祖父の目が何かを訴えるようにきらりと光ったのだけを覚えている。

 

 ――駄目、絶対に駄目。

 何度も何度も、自分を説得する。そうしないと流されてしまいそうだ。そうなっちゃったら、申し訳ない。……あ、申し訳ないというのは、婚約者である真倉に対してではない。それだけは断言できる。そうじゃなくて……一生に一度の恋を夢見ている一に対してだ。

 実際のところ――恋愛って、簡単に出来るのかと思っていた。少なくとも、あの身体も頭もすり切れるほどの受験勉強を乗り越えて、念願の合格を手に入れたとき、媛子の頭の中にはハッキリとしたビジョンが浮かび上がっていたのだ。そのどれもが、叶いそうな気がしていた。

 身体中に力がみなぎっていて、パワー全開! ……って、感じだったんだから。

 たとえば入学式の日に、一が自分を一目見るなり、ハッとするんだ。そして……視線を動かすことも出来ずにふたりは見つめ合う。まるで前世からの約束のように、お互いにお互いが惹かれあって、あっという間に恋に落ちるのだ。そういうの、映画とかでは良くあるし、一生に一度くらい我が身に奇跡が起こってもいいかなって。

 期限は誕生日まで、結婚式の当日まで。

 その日までに、こちらの境遇なんてひとつも知らずに、それでも自分のことを心から愛してくれる人が現れたなら。そうしたらその人との人生を歩めるはずだった。真倉が出してくれた信じられないほどの寛大な措置。媛子の目の前にぱあっと道が拓けた。

 ――でも。

 最初から、多分。知っていたんだと思う、真倉は。こんな風な幕切れを。夢見るだけでは到底叶うはずのない厳しい現実を知り尽くしていたからこそ、媛子に提案したのだ。

 会いたかった。毎朝、フェンス越しに姿を見つめるだけで、幸せだった。でも、そのうちにそれだけでは済まなくなる。声が聞きたくなる、眼差しを向けて欲しくなる。……特別の存在として、認識して欲しいと思うようになる。心の中がいつの間にか、ひとりの人への想いでいっぱいになってしまった。

 一生に一度。心を焦がすような恋愛が出来るなら。他に何を望むだろうか。今まで心を通り過ぎてきたいくつもの恋愛小説よりも、一度きりの「本物」が欲しいなと思ったのに。

 会いたくて会いたくて、とうとう自分の殻を突き破るようにして、飛び出してきた。力一杯ぶつかってみようと思った。そのくらい想いが溢れていた。

 けど、2ヶ月半という時間は媛子が思っていたよりも、ずっとずっと早く過ぎてしまった。一日一日を大切にしてきたつもりなのに、どうして、と思うほど呆気ない。思い出なんて……改めて振り返ると数えるほどしかなくて。

 

 こんな……短い時間で、ひとりの人の心を捉えるなんて、出来るわけなかったんだな。

 

 ――俺はな、一生に一度の女でいいんだ。運命の女性と結婚して、一人の嫁さんだけを愛すると決めている。だから、悪いがお前のありがたい誘いにも乗れないんだ。……残念だがな――

 そもそも生徒は商品だから、恋愛の対象としては絶対に見ることは出来ないと言われた。かなり初歩的な段階で、いきなりの決定打を食らってしまったことになる。同じ場所に行くために頑張ったのにそれが裏目に出るなんて。お互いの距離が近くなるごとに、自分たちはどんどん「教師と生徒」になっていく。時折うかがう一の眼差しがとても悲しそうで……それが口惜しかった。彼を苦しめているのは自分なのだ。

 そして、とうとう真倉が戻ってきて、はっきりと期限切れを宣言される。当日まで待てないのは当たり前だ。そんな派手な披露宴は行わないまでも、嫁に出す側も受け入れる側もそれ相応の支度というものがある。ギリギリまで待ったと婚約者である彼は言いたかったんだと思う。

 何が嬉しいのかは知らない、でも真倉は自分を妻にするという。異性関係はことのほか華やかだな人だと聞いている。自分などは最初から対象外なんだろう。なら……どうして、何のために? お祖父様に頼まれたから仕方なく……?

 久我の家に、16になった娘は住まってはいけない。それは分かっていた。あらかじめ決められた人の元にきちんと嫁がないと災いが起こる。それを、家族も一族も恐れている。だって、久我の家は、久我の会社はたくさんの人の上に立っているのだから。崩すことは出来ないのだ。

 

「せんせ……い……」

 苦しい、息が出来ない。どうしてこんなに胸が痛いの。駄目、駄目だよ先生。先生は自分の夢を叶えなくちゃ。私は駄目、絶対に無理。だから……そんなことしたら、先生が汚れちゃう。何で急にそんなことを言い出すの? やっぱり、熱のせいで、本当の先生じゃなくなってるのかな……? やめよう、良くないよ、こんなのっ……!

 ――けど。大好きな人の胸の中、どうしてそれを伝えられる? 欲しいって言われたら、どうぞって言いたいよ。だって、……だって、初めてなんだもん。先生がいい。どうせ、三日後には真倉様とすることなんだもん、それがちょっと早くなったって、いいじゃない。

 いけない、駄目だって心が警笛を鳴らすのに、それすらも振り払いたくなる。熱のせいで頭がおかしくなってしまった相手でもいい。状況が状況だけに、どこか心の回路が接続不良を起こしているのかも。きっと、正気に戻ったらどんなに後悔するだろう、しばらくは立ち直れなくなるかも。……でも、でもっ。それでも。

 ちっちゃい頃から、言われてたでしょう「大人の言うことはきちんと聞かなくてはなりません」って。先生は、私よりもずっと大人。しっかりした社会人。そんな先生の言うことなんだから、正しいんじゃないだろうか。ああ、こんな風に、勝手に解釈しちゃ駄目なんだけど。だってだって、一度きりのチャンスだよ? もう二度と、こんなことはないよ。……もう、先生には会えなくなるんだよ……?

「……媛……」

 額の辺り、すごく近い場所に吐息を感じて。大きな手のひらがゆっくりと媛子の頬を包み込む。顎に指が掛かると促されるままに顔を上げた。

 

 ――抱きしめて、お願い。

 

 音にならない想いを吸い上げるように、一の唇が吸い付いてくる。あたりまえの言葉を伝えるはずだった場所が、今は別のものになっている。心の深い部分が直結して、想いがひとつになる。もう……止まれない。

「お前、甘いな。果物みたいな味がする」

 ……一番最後に口に含んだのはアクエリアスなんだけど。それは一も同じはずだけど。そんな風に言われたら、体中が甘いお砂糖で出来ているみたいな気がしてくる。頬に首筋に、いくつもの熱を落とされて、彼が囚われていた熱が、だんだんこちらに伝わり始める。どんどん、流れ込んでくる想い。

 何度も何度も口づけあって、頭が泡立って、思考回路が遮断される。首に腕を回して抱きついたら、顎に触れていた手が、だんだん下に降りてくる。首筋から肩を通って二の腕。少し戻って、今度はふたりの間、胸元に忍び込む。

「やんっ……、先生っ……!」

 これくらいのシーンは、洋画なんかでは良くあることで、別段珍しくもない。だけど、一がこんなことをするなんて、何だか不思議な気がする。恋愛とは一番遠くにいた人が。……どうして急に「欲しい」何て言うの? やっぱり、分からないよ。分からないけど……嬉しいよ。

 大きく指を広げると、両方の胸を一気に掴めそうだ。指の腹が辿る場所が熱く火照る。制服の上からこすられて、今までに感じたことのなかった甘酸っぱい想いが湧き上がってきた。セーラーの裾からするっと腕が入り込む。今度は素肌に直接熱を感じた。ざらざらする指先が何かを求めるように這い上がってくる。直接的な感覚に、ぞくぞくと背中が震えた。

「……媛。お前どこもかしこも柔らかいな。体中が、ふわふわしたもので包まれてるみたいだ。何か……俺とは全く別の生き物なんだな、お前は」

 いつの間にか仰向けに押し倒されて、シーツの上でお医者さんの診察みたいに触れられていく。触診しながら、キスするお医者さんってちょっとえっちだと思うけど。こういうのもありかなって思う。愛し合っていると言うよりは、探り合っているみたい。……くすぐったい。

「あ……」

 太い腕を二本とも差し込もうとして、布地がピンと張ってそれを拒む。ほとんど隙間なく身体にくっついてる制服だから、これが限界。一も諦めたらしく、片腕を抜いて、脇から背中にかけて撫で回した。何かを探してるんだな、ってことはすぐに分かる。やがて埒があかないと悟ったのだろう、困り果てたように訊ねてきた。

「あのな、媛。制服が邪魔なんだが……これは脱げるのか? どうするんだ」

 セーラーの、リボンはとっくに解かれてどこかに行っていた。……そうか、分からないんだ。何年も先生してるのに、そんなことも知らないなんて。焦っている姿が可愛いかもと思ってしまう。

「えっとね……脇に。裾の方からファスナーが付いてるの、袖ぐりに向かって」
 そう言いながら、媛子は次第に嬉しくなっていった。

 こんなふうにしてたら。どっちが先生か、分からなくなるね。数学の授業だったら全然駄目だけど、セーラー服を脱ぐ方法は私の方が知ってる。初めて先生に教えることが出来て、何だか嬉しい。ああ、「先生」とか「生徒」とか……そういうのももういいや。そもそも、私はもう先生のクラスの生徒じゃないんだし。制服、いらない。これを脱いだら、もっと同じになる。

 胸のドキドキは鼓膜を突き破りそうに大きく響いて、まだちょっと躊躇している自分がいる。でも……このまま、もう少しだけ、夜が明けるまで。まだ、不倫じゃないもの、いいかなとか。

 ちりちり、と金具のこすれあう音が、すごく遠くで聞こえた。

 

***


 気が付けば、制服どころか自分を包んでいた布は全部取り払われていた。

 一の手のひらが身体の上を滑るだけで、魔法のように服が剥がれていく。灯りと言えば、窓の外、カーテン越しに灯っている街灯しかない。薄暗い闇の中、一の身体の右半分が明るい。彼も、何も着てない。うわあ、何だかすごいなあ。

 

 えっちなことはポピー時代の授業でも一通り教えられた。何しろ、あそこの学校は高等科を出るとそのままお嫁入りしちゃう子も多いんだから。その時になって慌てないようにだ。

 そんな詳しくはなかったけど、「淑女の心得」とか言って。真面目な顔をしたシスターが低い声で「何があっても慌ててはいけません。殿方は行為は色々と変化されるけど、それにいちいち反応するのははしたないことです。されるがままを受け入れるのが、女のたしなみですからね」とか教えてくれた。

 大切なところをはしょったような説明で、よく分からなかった。物知り顔のクラスメイトは「キャー」なんてかすれた悲鳴を上げていたけど、そんなはしゃぐようなことじゃないと思っていたから。真倉の妻になることは決まっていることで、真倉のすることを全部受け入れればいいんだって。

 ――ああいうのは、好きじゃない人としても気持ちいいのかしら。慣れれば、声が出るようになって、殿方を喜ばせることが出来るのかなあ。ごろんと「マグロ」みたいに横たわっている女性は現代ではあまり好まれませんって、シスターが言ってたし。「かといって、こちらからあまり求めすぎるのも良くありません」とか……やっぱり、どっちつかずで分からないなとノートにぐるぐると落書きをした。

 

 そして、今やってるこれがいわゆる「初夜」と言うもの? だよなあ、初めてには変わりないものね。

 でもっ、自分がその立場に置かれてみると、ただただ戸惑うばかりで。「女のたしなみ」もぶっ飛んでしまいそう。一の方は……とても初めてとは思えないように、丹念に媛子の身体を探っていく。すべすべだなとか、綺麗だなとか、柔らかいなとか、いちいち確認して短く呟きながら、体中、触れないところがなくなるくらいすりすりとしていく。

 ……気のせいなんだろうか、とても楽しそうに。時折漏れる吐息も弾んでる。

 頼りない照明でも分かるくらい、お互いの肌の色が違う。白と茶色で、二色のソフトクリームみたいだ。腕を絡め合うと、本当にそんな気がする。全然別の肉体。重ね合い、触れ合うことで、不思議な波が起こる。……一が、変わり始めていた。最初の頃の戸惑うみたいな震えが消えて、どんどん先へ先へと急いでいる。

 

 ――先生が、ちょっとだけ怖い。

 

 大きな渦潮が巻いている。その中央に向かってどんどん巻き込まれていく。流れには逆らえない、もう止まらない。

 どうして、何故とか、想いはまだ頭の隅っこでくすぶっているけど、そんなの……濁流に呑まれてしまえばいいと思う。もう、後戻りなんてしたくない。――先生が好き、一番好き。一番好きだから……だから。

 

 ――先生も、一緒に「新婚さんごっこ」する気になってくれたのかも知れない。だったら、これはとっても喜ばしいことなのかなあ。

 新婚さんだったら、きっとこんなふうに毎晩えっちなことするんだよね……?


つづく♪(040321)

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