TopNovel未来Top>キスから、夢まで。・7


…片側の未来☆梨花編その2…
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 失敗した、と思った時は遅かった。こんなつもりじゃなかったのに。

 

 気がついたら、すっかり夜が明けていた。何となく人の気配を感じて目覚めた私の目に映ったのは、青ざめた顔の男。ただならぬその表情を見た途端に瞬時に悟る。

 ああ、…この男、もしかして何も覚えてない?

 二言三言、声をかけてはみたが、いかんせん反応が鈍い。と言うか、ほとんど思考停止状態。こんなまぶしい朝の日差しの中、何寝ぼけてるんだろう…って、ああ、そうか。二日酔いなんだ、この人。

 ――う〜ん、どうしよ。

 目の前の彼は。上半身を起こした状態で、膝に掛けたタオルケットをぎゅううっと握りしめていた。もう、手の甲が真っ白になるくらいの力で。そんなに頑張らなくてもいいのに、私だってこれ以上自分に掛かってる分を引っ張ろうとは思わないわ。だってさ、この人、丸裸だもん。見たくもないもの、見えちゃうもん。

 ああ、ヤバイ。今日は友達と図書館に行こうって待ち合わせていたんだっけ。一度家に戻って着替えないと行けないし…約束の時間にあまり遅れたら、自宅に電話を入れられちゃうかも知れない。今日の相手はよく泊まりに行く家の子。きっと、ママもパパも私が昨晩、その子の家に泊まったって思っているはず。

 時間がないわ、もううだうだしてらんない。

 勢いを付けて、がばっと起きあがる。その拍子に、身体を覆っていたタオルケットが落ちる。…あ、そうか、裸なのは目の前の男だけじゃなかった。私も脱いでたんだっけ。だって、ワイシャツどころかブラだって、ぐちょぐちょだったんだもん。乾かさないと気持ち悪くて仕方ないと思った。

 ……!?

 男の視線は、さらに険しいものになった。何焦ってるのよ、そんなに珍しいの? 女の子の裸なんて見慣れてるんでしょ。元彼女だって、ここに泊まって、すっごく仲良くしたんでしょうよ。今更なんだって言うのよ。相手があんまり焦ると、こっちはどんどん冷めてくる。驚きって反比例するんだなと、実体験で感じてしまった。

 言葉にならない。でも、周りの空気をぐぐっと押してくるような重圧感。彼の額から、漫画みたいに汗がだらりと流れ落ちた。

 

 確かに、私は露出狂じゃないし、男にこんな風に肌を晒したことはない。ああ、安全ピンがどこかに行っちゃった。今、襲われたら、ちょっとヤバイかな。一応、護身術は一通り身につけてるけど、寝起きで身体がなまってるし、もしものことがある。相当に危険ではあるのだ。

 それなのに、何で私はこんなに落ち着いてるの? …そりゃそうよ、だって、相手があんまりにも動揺してるんだもん。目の前に、若い女が素っ裸でいるって言うのに、襲いかかるどころか、一ミリも動けない。ただ、冷や汗を流してるだけ。動くなと言えば、もしかして何時間でもこのポーズを保っているのかも知れない。

 

 …だからってさぁ。そんなに見つめないでよね。さっきから何処見てるのよ。その角度から言って、胸の辺りね? ああ、そうか、やっぱり男って胸が好きなのね。

 シャワーを借りてもいいか、確認する。きっとバスルームに掛けてある服も乾いたはず。汗を流して、早いとこ引き上げよう。…でも、これ以上見つめられているのもやだなあ。この人、きっとずーっと眺めてるつもりだよ。いくら減るものじゃないと言っても…抵抗あるな。

「あの〜…悪いんだけど。ちょっと、向こう向いていてよ。じろじろ見ないで、恥ずかしいからっ…」

「あっ、うわっ…ごっ、ごめんっ!!!」

 仕方なく、お願いすると。男は大慌てでベッドの上で背中を向けた。そうすると、隠れていたお尻のラインが、割れ目まで見えてしまうんだけど…前を見せられるよりはマシか。

 

 まあ、彼がここまで慌てているのも分かるわ。この状況を第三者が見たら、絶対に誤解する。若い男と女がひとつの布団にくるまっていたら、絶対に既成事実があったと思われるだろう。もちろん、私の身体を内部まできちんと調べれば、性行為がなかったことは分かるだろう。でも…ねえ。

 仕方ないわ、こういう状況になっちゃったんだもん。今更、騒いだって仕方ない。幸い、相手は余りの驚きに声も出ない様子。だったらいいわ、その隙に、引き上げよう。コレでも私、それなりに焦っているのよ。でもね、騒いだところでどうなるものでもないじゃないの。

 

 何度か彼がこちらを盗み見てないか確認しながら、私はどうにか平静を保って進んでいった。部屋と、廊下を仕切っているガラス戸までの距離が、とてつもなく遠かった。

 

***   ***   ***


「はあっ…!」

 バスルームの入り口を内側からきちっとロックして、シャワーのコックを全開にすると、ようやく身体中の力が抜けた。

 

 ――ああん、失敗したな。こんな風に醜態をさらすつもりじゃなかったのに。あの男が目覚める前に支度を終えて、さっさと引き上げるつもりだった。

 目覚まし時計をセットしなくても、私は毎朝5時に目が覚める。何故だか分からないけど、どんなに夜更かししてもその時間にすっきりと目覚めるんだ。朝と夕方、近所の犬の散歩を引き受けている。動物が好きだから、別に仕事にするつもりもなかったんだけど、そう言うわけにはいかないと言うことで、少しずつバイト代を頂いて。みんな、ペットを飼うのはいいんだけど、すぐに散歩が面倒とか言い出すのよね。困ったものだわ。

 それが、どうしたんだろうなあ…何でだろう。今朝に限って、ぐっすりと寝入ってしまった。何だかね、気持ち良かったのよ。このままもうちょっと寝ていたいなあって感じで。やっぱり、疲れていたのかな、あれだけ雨に打たれて歩けばね。

 …ともあれ。あの、絶対に誤解してる振られ男。どうやってあしらおうかな?

 もしも粘着質に付きまとわれたら嫌だなあ。そんなタイプにも見えなかったけど、人は見かけだけじゃ決められないし。着替えて外に出たら、いきなり襲われたりして…それだけは嫌だわ。まあ、あれだけふらふらしていたら、無理だろうけど。お酒ってたまには役に立つのねえ。


 昨日はあれから。大雨の中、どうにか彼のアパートの前まで辿り着いた。

 男の取り出した鍵を、鍵穴に差し込むとあっけなくドアが開く。良かった、とホッとする。部屋まで送り届けたら、義理は果たしたろう。本来なら、あの駅前で放置しても良かったんだもん。ここまでしてあげたんだから、上出来。

「…じゃあ、私ここで。濡れた服の始末はきちんとした方がいいよ? そのシャツ、まだ新しそうだから、下のTシャツに色移りすると大変。濡れたまま、くっつけておかない方がいいかも…」

 ひさしの中にはいると、濡れた体がすううっと横風に撫でられて、ぞくぞくっとする。やだなあ、もしかして風邪ひいちゃうかしら? まあ、仕方ないか。そうなっても。

 

 だって、その時。私は不思議な気分でいたのだ。

 身体はずぶぬれ。鏡に映してみたら、かなりヤバイ状況だろう。暗闇の道でタクシーを拾ったら、幽霊と間違えられたりして。制服は着てるけど、私は髪が長くて、しかも真っ黒。昔のお化けみたいだ。三角の布を額に当てていたら、そのまんまね。かなり情けない姿になっていると思う。

 …でも、私。そんな悲惨な状況でありながら、とってもすっきりしていた。雨に打たれて、失恋の痛手から立ち直れない男の泣き言を繰り返し繰り返し聞かされて。そうしているウチに、どうしてだろう、自分の中に詰め込んでいたどろどろやもやもやまで、綺麗に洗い流されていたみたい。

 今まで、お姉ちゃんを嫌いになっちゃ駄目だと思っていた。だって、お姉ちゃんは誰から見ても、どこから見ても、愛らしくて守ってあげたくなる存在。モテモテなのに、不思議と同性から嫌われることもなく、親友もちゃんといる。どこかに欠点を探そうとしても、見つからないのだ。お姉ちゃんのことが嫌いになる妹なんて、最低だと思っていた。

 …だけど。自分の悲しみを洗いざらい吐き出している男を見て、分かったんだ。おなかに溜めておくと、どんどんそれは沈殿していってしまう。決して消えることなく、どんどん積もって。私の心の中は知らないウチに沈殿物でいっぱいになってた。

 思い切り雨に打たれて、格好付けることも出来なくなってみたら、逆にすべてのしがらみから解放されたみたい。お姉ちゃんが嫌いだと思った瞬間に、今までの緊張感がぷつっと途切れた。大嫌いなお姉ちゃん、でもいいんだ。苦手なのは分かってるから、それなりに合わせていけば。無理に仲良くすることもないんだから。

 

「ええっ!? …帰っちゃうのっ? どうしてっ!?」

 私がきびすを返そうとしたら、彼はいきなり私の腕を掴んだ。ものすごい力だった。振り解こうとして、振り向いたら、思い詰めた瞳とぶつかった。

「ど、どうしてっ…! 帰らないでくれよ〜、ひとりにしないでくれよっ! 今夜は俺の話、もっともっっと聞いてくれないかっ? 行かないでくれよ〜〜〜〜っ!!!」

 そう言いながら、またコンクリートの通路にずるずると座り込んでしまった。身体から、服から流れた雫で、彼の下には水たまりが出来ている。それを確認してから自分の足元に視線を移すと、私の下も水浸しだ。

 ハッとして、もう一度確認する。あああ、何してんのよっ!? こんなところで、寝ないでっ!! やだ〜、あっという間にっ!? いびきまで、かいてるっ!!

 こんなところで寝込んだら、間違いなく風邪をひく。別に見ず知らずの男が風邪をひこうが、肺炎をこじらせようが知ったことじゃないはず。でも、無事に送り届けようとわざわざ頑張ったのに、ここでコケられたら、今までの私の努力が無駄になるじゃないの。

「あああっ! しっかりしてよっ! 馬鹿っ!!」

 こう言うのを「火事場の馬鹿力」というのだろうか?

 背負い投げの要領で持ち上げると、やっとの事で男の身体を担ぎ上げることが出来た。そのまま一気に部屋の中に投げ込む。柔道で、何度も何度も自分よりも大きな身体の先生たち相手にやってきた技だったが、ぐってりとした男が相手だと、二倍くらい重い。一本取った私の方が、くらくらとその場に膝を付いて座り込んでしまった。

「う〜んっ、何だかぐしょぐしょして、気持ち悪いなあ…」

 力任せに床に叩きつけたので、かなりの衝撃になったと思う。男はようやく意識が戻ったらしく(ただし、すごい酔っぱらい状態なのは変わらない)、よろよろと立ち上がった。そして、まるでゾンビのように、ずちゃ、ずちゃ、と水音を立てながら奥へ進んでいく。やだ、真っ暗じゃないのっ。電気のスイッチは何処っ!? 慌てて立ち上がると、またもお節介に灯りを付けてやった。そして、もう一度、目の前を遠ざかる背中に目をやる。

 

 …え? えええええっ!?

「きゃああああっ!! ちょっと、あんたっ!! 何してるのよっ!?」

 いっ、いつの間に脱いだのっ!? ほんの30秒くらいの間に、目の前を行く男が…男が、ちょっと待ってよっ!! すっぽんぽんじゃないのっ!!!

 がに股に歩くのやめてっ!! だって、だって…そう言う時って、視線が必ずとんでもないところにいってしまうのよっ! 股の間から…見てはいけないものが見えるっ!! 信じられないっ…! ウチ、パパも弟の樹も人前でストリップなんてしないわよっ!! 見たことないわよっ、こんなのっ!!

 そりゃあね、私もパパがデューダしたころは、夜遅くまで仕事してるふたりに代わって、弟の世話をした。お風呂にだって一緒に入ったわ。でもっ、それだって、樹が小学校の3年になった時にやめたんだから。

 やだ〜〜〜〜っ! こんなところで男性ストリップなんて見たくないっ!!!

 

 一気に脱力。もう一度、膝ががくんと落ちそうになって気付く。ああっ! あんなに注意したのに、脱ぎ捨てられた服が無惨に山になってるじゃないのっ…!

 ブラックのジーンズと、チェックのシャツ、そして白いTシャツに、トランクス。全部全部、濡れたままくっついてる。人の服の心配まですることないんだけど、白いシャツに色移りしそうで気が気じゃない。

「ねえっ!! 服っ…!!」

 こっちの言う事なんて、全然聞いてない。彼はずんずん進むと、そのままガラス戸の向こうに消えた。


 ざんざんと建物に打ち付ける雨の音。こうして室内で聞いているとすごい天候だ。そんな中を、私たちは傘もなしに歩いたの? そりゃ、濡れるわよ。はっきり言って、私も寒いっ…。真夏なのに、ガクガクと身体が震えちゃう。制服が肌にべっとりとへばりつく。ううう、本気で風邪ひきそう…あの男の心配だけしてるわけにもいかなそうだわ。早く、楽になりたいっ…っていうか、もう疲れた。…家まで帰る気力ない…。

 腕時計を見た、12時過ぎてる。うわ、これって「午前様」!? 今日は日曜日だしなあ…この時間にタクシー走ってるかしら…?

 

 ふらふらと、男の消えたガラス戸のところまで辿り着く。左にあるのが水回りかなあ。開きかけのドアから中を見ると、洗濯機が見えた。奥の部屋、薄暗いその中で、ぐおーぐおーと声がする。猛獣が唸ってるみたいだけど、多分、彼のものなんだろうな。ちらっと覗くと、奥にベッドがある。その上で大の字になって寝てる男がいた。

 …大の字…と言うことは、もうはっきりと見える、全開に。嫌になっちゃう、仮にもうら若き乙女の前で、良くもまあこんな情けない格好が出来るものね。

 馬鹿馬鹿しくて、どうしようもない奴。…そう思うのに。

 私ってば、どうしちゃったんだろ。ふらふらと歩いていって、床に落ちていたタオルケットを掛けてやった。一応、隠すものは隠した感じでホッとする。それにしても、気持ちよさそうに寝てるわね。

 がた。

 ベッドがきしんで、そのあと彼の身体がこちらに向いた。もちろん寝てるから、私を見てるわけではないんだけど。歪んでいた口元が、ふっと緩む。

「…ありがとう、いずみ…」

 寝言。それだけ、言った。

 やだ、最低っ! 私はいずみさんじゃないわよ。だいたい、ここまで連れてきてやったのだって、いずみさんじゃない。でも、この人の心の中には、別れた、しかも惨めに振られた彼女さんしかいないんだ。

 ――岩男くんは、お姉ちゃんが好き。どんなに私が想っても届かないんだ。それと同じ次元で…この男もいずみさんが好きなんだな…そうか、そうだよなあ。当たり前なんだけど、ちょっと口惜しいな。どこもかしこも、みんな私のこと見てくれない人ばっかりだ。

 あんな風に、感情を全部ぶつけるみたいに、人を好きになっていいんだな。あんなの恥ずかしいし格好悪いし、全然良くないと思っていた。でも、どうしてだろうね。そんな風に想って貰っているいずみさんが、ちょっとだけ羨ましいよ。
 私だって、「好きだ」とか「付き合って」とか言われたこと、ある、何度も。でもそれは、どすんとぶつかってくる強いものじゃなかった。みんなみんな、自分の安全な場所を確保して最初から逃げ腰だった。その時は気付かなかったけど、この泥酔男と出会って分かった。人を好きになるって、私が思っていたよりも、ずっとずっと深いものだったんだ。深くなってもいいものだったんだ。

 同志だって、言ってくれたのに。頑張ろうなって、言ってくれたのに。ちょっとだけだけど、心が軽くなったって、思ったのに…。


 悲しくて、惨めで。

 ついでに、とろんとろんと眠くなってきた。何だか、もう動きたくない。制服、シワになっちゃうから脱がなくちゃ。バスルームに干して、換気扇を回したら乾くかなあ。生乾きでもいいから、そうしてみようかな…。


 明日は、早く起きればいいや。そして、この男が起きる前に、出て行けば。こんな、別れた彼女をいつまでも想い続ける情けない男なんて、一晩で忘れちゃえばいいや。


 沈み込んだ意識が、そこで途切れてる。

 飛び込んだバスルームにはほとんど乾いた制服が綺麗に掛かっていて、ついでに男の来ていた服もピンチハンガーに干してあった。多分、自分でやったんだろうな…と自分の律儀さに情けなくなりながら、熱いシャワーをたっぷり浴びた。全て洗い流したかった。そして、違う自分に生まれ変わりたかった。

 

***   ***   ***


 ――二度と、会うこともないんだよな?

 制服を着込んで部屋を覗くと、彼がさらに目玉が飛び出るくらいに目を見開いて、私を見ていた。何よ、昨日たくさん見たでしょ? 覚えてないの…? 本当に何にも…?

「私、帰るから。じゃあね」

 男ががばっと立ち上がったから、また見てはいけないものが視界に入る。しかも、昨晩とは違って、かたちが…とか冷静に見入っていたら、彼の方がささっと隠してしまった。

 ま、いいか。もう、どうでもいいや。

 吹っ切れた気分だけが残った。ドアを開けて外に出ると、朝の日差しが思い切りまぶしくて。キラキラと輝く雨上がりの風景が、今までとはちょっと違って見えた。


 もう、会わないんだろうな。それでも構わないな。…でも、ちょっと会ってみたいな。ヒリヒリとした瞼の感触が残る。あの雨の中で、私は泣いていたのだろうか。そんなつもりもなかったのに、嘆き悲しむ彼の隣を歩きながら、自然に感情が溢れ出していたのかも知れない。

「俺たちは同志だ、辛いけど頑張ろうなっ…、きっと今に、いいことあるからさっ…!」 

 耳に残る言葉。彼はきっと覚えていないだろう。だって、私の顔すら覚えていなかったんだもん。

 

***   ***   ***


 ――いいこと、って、何だろう? 何なんだろう…?

 もしも願いが叶うなら、私は何を願うだろう。

 

 翌日、予備校に行く前に、用事があってひとつ前の駅で降りた。ボーっと歩きながら、まだそんなこと考えてる。自分がすごく滑稽で、苦笑いしてしまう。

 こんなにたくさん、人がいる。彼ともう一度会う方法なんて、あるんだろうか。いっそ、アパートまで押しかけるとか?…ううん、会ったからと言って、私はどうするんだろう。どうするつもりなんだろう…?

 ――そもそも。何故、会いたいなんて思うんだろ。


「…梨花ちゃんっ!!」

 そのとき、耳に届いた声。私は、ハッとして振り返っていた。


 

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