霞んだ視界に、ぼんやりと白いものが映った。はっきりとした映像を捉えられなくなった眼でそれを追う。頬をさらさらと気が流れ、それに乗って甘い香が漂ってきた。 ――白鴎(はくおう)の、花だ。 季節がもう夏を告げていたことに、狼駕は気付いていなかった。いつの頃からか、自分の脇を通り過ぎていく時間の流れを数えることをやめた。そんなことに動かす心すら消え失せ、その日一日を生き延びることだけで手一杯であった。 凍った気がさらさらと舞い踊る中をあてどなく歩いた日々が昨日のことのようなのに。今はもう、足元に白く凍てつく地はない。たったひとつの背中を探して、彷徨い続けた。もう、自分がどこまで行けばいいのかそれも分からない。いつか、重い朽ち果ててゆく身体など脱ぎ去り、精神だけの旅をしたいとすら願った。だが、まだ心が身体から放たれようとはしない。 薄暗い森を抜けると、小高い丘に出ていた。まるで目の前のこの風景だけが切り取られて存在するような錯覚を覚える。何故か今まで歩いてきた道のりとは気の色が明らかに違って見えるのだ。ひなびた風景が真夏だというのに涼しげな水の底に佇んでいるかのように感じられた。 ――また、同じことの繰り返しなのだ。 そんな諦めの気持ちが先に心を飛び出していく。彼は重い足を引きずりながら、丘を下っていった。
◆◆◆
声を掛けられたのは小柄な女子で、小声で何度も礼を言いながら腰を折っていた。細い背中が揺れて、頼りなさ気な印象だ。大きな籠を背負った中年の男がその場を去っていくと、彼女は足早に戸口から中に入っていった。 隠れる必要などないのに、そのやりとりが終わるまでは物陰に潜んでいた。がたがたと立て付けの悪い戸が閉まるのを確認してから、よろよろと足を踏み出す。この頃は身体がもう思うように言うことをきかなくなっていた。 「……だれ……?」 中は一間しかない板張りのささやかな部屋であった。多分、先の男が何かを告げに戻ってきたのだと思って応対に出たのだろう。 ふんわりとかたち取られていた笑顔が、訝しげに凍り付いた。後ろでひとくくりにされた髪はどこまでも淡い色で、やはり淡い肌の色と区別が付かないほどだ。だが、脇の窓から差し込んでくる光に、一瞬きらりと光った。――そう、あの懐かしい輝きに。
「すず……!」
乾いた喉から、かろうじて声が出た。だが、まだ目の前の女子は警戒の色を瞳に浮かべたままだ。もしかすると、こちらの言葉が上手に伝わっていないのだろうか。 「すず、俺だ。……ああ、すず……! 探したよ、本当に……!」 すぐさま駆け寄り、我が腕に抱きしめたかった。だが、狼駕の力ではこうして戸口の柱を押さえて立っていることが精一杯である。こうしていても膝がぐらぐらして、今にもこの場に崩れそうだ。震える指で、日よけに被ったぼろ布を取る。さらりと流れ出た艶のない髪を見たとき、目の前の翠の瞳が色を変えた。 「……いやっ……!」 しかし、次の瞬間。飛びつくように戸口に駆け寄った彼女は、狼駕の身体が挟まるのも構わず、引き戸を閉めようとした。 「知らない……、誰! あなた、知らないっ! 帰って……!」 ぐいぐいと押し出そうとするその力の強いこと。鶸の髪が舞い上がり、辺りに輝きを放ちながら広がっていく。あの冬の宵、きらびやかな寝所の奥で見たのと寸分違わぬ流れ。だが、これこそが妻のもの。そうか、かすれてはいるが声も戻ったのだ。……良かった。 「……すず……」 もう身体はひからびて、水分すら残っていないのかと思っていた。それなのに、頬を伝う熱いものは一体何であろうか。視界が白く滲んで何も見えなくなる。ああ、もっとその姿をしっかりと見つめたいのに。
生きて再び巡り会えることすら、もう叶わぬことかと思い始めていた。それなのに、夜が明ければ足がひとりでに動き出す。己の意志などお構いなく、本能が愛しい人を追い求めているのだ。凍てつく冬に、照りつける夏に、やつれていく身体を鞭打って歩き続ける。さながら、黄泉の地を求めてさすらう亡霊の如く。 このようにしっかりと自分の足で立って歩いている。暮らしぶりも落ち着いている様子だ。ひとりでは何も出来ないと思っていた女子が、自分よりもよっぽどしっかりと生き抜いていた。
――だが、やはり。 ここにももう自分の居場所などはなかったのだ。それを思い知らされる瞬間にすら、狼駕には妻であった人の無事を喜ぶ感情しか生まれてこなかった。
◆◆◆
追いつめられた妻の実家の庭で。狼駕を助けてくれたのは、愛しい妻と共にこの地に下がったはずの侍女であった。 「お久しぶりでございます、……ご主人様」 ようやく一息付ける場所まで来て、声だけを頼りにしてきた狼駕は、うっすらとした月灯りに浮かび上がった彼女の姿に思わず声を上げた。 「……どうして」 かつてはこちらの侍女たちにも勝るとも劣らない豪奢な衣装を身にまとい、きびきびと務めをこなしていたはずの女子。それが……どうしたことだろう。今は洗濯女にも劣るようなみすぼらしいぼろを着ている。さらに、剥き出しの腕や足には無数の打ち身や傷があった。しばらく前に付けられたものだとは思うが、まだ癒えるには時間が掛かる感じだ。 こちらの視線の意味など、とっくに察しているのだろう。だが、彼女は狼駕が知っている勝ち気な笑顔でしっかりと面を上げた。 「まさか、このように単身で乗り込んで来られるなど。……どうなさったのですか、このようなことになることくらい、少しお考えになれば分かりそうなものを……」 自嘲気味に笑うのは、その言葉がそのまま自分にも当てはまると悟ったからなのであろう。変わり果てた暮らしぶりに胸が痛んだ。一体、この半月ほどの間に何があったのだ。 「双葉……すずは……?」 狼駕はわずかながらの希望を込めて、訊ねた。だが、女子の口からこぼれたのは、望むべく答えではなかった。 「あの御方は……もはやこちらにはいらっしゃいません。もう、お分かりでございましょう……こちらの姫は……ご主人様のご存じの御方ではございません」
――娘を……この地を治める領主様の奥に差し出す。 このままでは一豪族として、いくら財があろうとも政治がらみの発言権がないままである。しっかりした家柄でないことが唯一欠けている部分だと分かっていた。それならば、ゆくゆくは跡目の実家となれる地位に就きたい。そのためにはどうしても娘には正妻としての地位が欲しかった。 ようやく最終候補に残り、嬉々として館に戻った主は愕然とする。蝶よ花よと育てた美しい娘が、自分の思っていた程にはしっかりとした教養を身に付けてはいなかったのだ。 「何と言っても、財力のある御館のお姫様です。存分に甘やかされてお育ちになったためか手習いもおざなりで。どんなに頑張ってもお輿入れまでに他の候補のご息女様を黙らせるほどのものは身に付かないと、とうとう側近たちも匙を投げました。もう、道はないと誰もが思ったときに、あの御方が……」 噂はすでに館主の耳にも届いていた。 娘の母親の方はその美貌が災いし、行く先々で流れの遊女紛いのことまでさせられていたらしい。それが元で体を壊し、すでに病の床についていた。もう治る見込みのないやつれ方でたいした薬も与えることが出来な有様。娘は途方に暮れていた。娘の方もあれだけの美しさであったから、出来ることなら自分の店で使いたいという遊女小屋や宿屋も多くあったが、何しろ病的なほどに人を怖がって使い物にならない。 半年、見知らぬ土地で替え玉として暮らすこと……もう娘には選択の余地はなかった。もしも母親が良くなるなら何でもすると泣きじゃくった。「たった半年足らずの辛抱だ、すぐに母と暮らせるようになる」――素直に言うことを聞く娘に……館主は微笑んで、一杯の薬湯を差し出した。 「……御館様は、恐ろしい御方です。あの女子様が決して身代わりのことを他言しないと言っているのに、どうしても信じられないと仰いました。そして、挙げ句に……喉を潰してしまう薬を。あの方は文字を書くことが出来ないのを分かっていましたから、何があっても誰かに真実を伝える手段を断ちたかったのだと思われますが――」 血の気が引いていく、というのはこのようなことかと狼駕は今このときに悟った。すでに自分の指先は冷たく凍り付き、身体中の震えも止まらない。だがそれは一気に押し寄せてきた冬の夜の寒さのせいばかりではなかった。 「そんな……そのような。ならば、すずは……」 恨むのは筋違いだと分かっている。だが、目の前の女子は初めから全てを分かっていたのだ。それなのにこの半年もの間、狼駕を始め領主の館の全ての者たちを欺いてきたとは。何と言うことであろう。 「お怒りはごもっともと存じます。しかしながら、わたくしも……親兄弟を質に取られておりました。もしもお役目をまっとうしなければ、いつでもなぶり殺してやると言われて……。琴の音も、文の代筆も、全てわたくしが。なるべく狼駕様にも悟られぬようにと、おふたりがあいまみえることがないようにと言いつけられておりました。流行病とでも伝えておけと言われて……でも」 どうして、婚儀の夜。双葉の言葉を鵜呑みにしてしまったのだろう。もしも初めから疑ってかかっておればこんなことにはならなかったのに。 「領主様の御館に上がって二月ほどが過ぎたでしょうか、あの御方の母上がお亡くなりになってしまったと連絡が。それをお耳に入れたのが、ご主人様が大臣様の元に出仕なさっていた時のことだったのです」
もはや、詳しい説明はいらなかった。全てはもう知り尽くした。 どうして妻が、いきなり出仕から戻った自分の衣を掴んだのか。人が変わったように駄々をこね、泣きじゃくったのか。 ただですら見知らぬ土地に来て、どんなにか心細くしていただろう。それに……何も知らぬ身だったとはいえ、あまりに冷たく当たってしまった。自分は妻にとって、どれほどに恐ろしい存在だったに違いない。
「ああ……すず……!」 こんなことがあってたまるものか。ここにいるみすぼらしい女の言うことなど、本気にすることはない。そう思いたい、思いたいが……これですべてのつじつまが合う。 「あの御方は……こちらに戻る途中の宿場で、私の一存で別れました。もしもこの地に戻ってくれば、お命も危ないと言うことは承知しておりましたから」 足元に泣き崩れたかつての主人に、双葉は慰めるように言った。 「幸い……宿下がりのことを文で送ると、こちらの館主様はわたくしの家族を解放してくださいました。彼らをひそかに遠方に逃がして、それでもう怖いものなどはございませんでしたわ」 「双葉……お前は」 話を聞くまでもない。忽然と消えた替え玉の行方を、厳しく問いつめられたのだろう。つい先ほどのあの男のすさまじい形相が脳裏に蘇る。己の欲のためならば、何でもしそうな感じである。今までも表に出ないだけで、どれほどの悪事を働いてきたか分からない。 罪を全て我が身に被ること――この女子が成し得たことに比べ、自分は何と愚かであったことか。この屋敷の寝所で妻と名乗る女子に対面しても、あれが誠に偽りの者であるとは信じ切れなかった。確かに我が記憶の中にある妻とは違う、だが……それも薬の効用か何かであり、すぐに治るものだと信じていた。この館に出向けば、妻と再び巡り会えると全く疑っていなかったのである。 「わたくしの苦労など、あの御方に比べたら何てことありませんわ。……こうしてご主人様がこちらまでいらして、あの御方が御領主様の館にあれ以来姿を見せていないことも証明されました。これでわたくしも自由になれます、家族の元に参りますわ」 西へ行く者と宿で部屋が隣になり、そこであの女子を託したという。その後の消息は双葉も知らないと言った。
◆◆◆
鶸の髪が狼駕の胸元まで広がる。あの春の霞の中に暮らした日々。この髪を愛で、やわらかなぬくもりを抱きしめていた。しかし……それも、やはり己の寂しき心が抱いた幻想であったのか。 どうしても諦めきれなかった。だから、追い求めたのだ。西へ……ひたすらに西へ。そして、北へ。どんなに彷徨っても、消えた女子の行方は知れなかった。何しろ真の名も生まれた土地も知らぬ。手がかりはあの鶸の髪と頼りない姿だけ。気が付けば年が改まり、時が移り……ふたりが初めて出会った季節が再び訪れようとしていた。 流浪の中、荒んでいく心で幾度となく思った。自分はこんなにも妻を求めている。どこへ消えたのか、その足跡すら残してくれなかった人を。だが、果たして妻の方はどうであろう。 潔く諦めなければならなかったのだ。何度も心に言い聞かせ、だが己の言葉に従うことが叶わなかった。
「との」 空耳が聞こえる。そればかりではない、瞼を閉じれば、か細い腕をこちらへと伸ばしてくるあの泣き顔が浮かんでくるではないか。恥ずかしそうに俯いた横顔、面を上げたときのはにかんだ笑顔。そっと絡め取るその指先の儚さ。 どうしても会いたかった。会って……再び、あの時間を取り戻せるならそうしたかった。春の淡雪のような望みであれ、それしか自分の求める道はなかったのだ。だがしかし、その夢すらもついえた。
――ここまで拒まれるのだ、もうすでにねんごろになっている相手が他にいるのだろう。 絶望が胸を締め付ける。すぐに立ち去るべきなのは承知している。だが、この身体が動かない。たとえ己を拒む悲痛な叫びだったとしても、それは恋いこがれ続けた人のもの。他の何者にも代え難い、愛すべき音色なのだ。
「……やっ……!」 ふいに胸をつかれて、大きく後ろに身体が泳ぐ。そのまま夕焼けに染まる通りに背中から倒れていくかと思った身体をどうにか持ち直したとき、少し下がった視界に新たに映ったものがあった。 部屋の隅に置かれた、一抱えほどもある籠。中身ははっきりとはうかがえないが、布きれの間から何かが、もぞもぞっと動く。 「……あーっ!」 それは猫の甘えた声に聞こえた。目の前の人が、ハッとしてそちらを振り向く。ちらりと小さな何かが覗いた。 「……え……?」 狼駕が体勢を立て直すよりも早く、女子はその籠に駆け寄ると上に覆い被さるようにうずくまった。さらさらとその身を覆っていく鶸の髪。その一房を、つんと掴んだ小さな手を見た。小さな……そう、生まれて間もないと思われる赤子の。 狼駕の顎が、外れてしまうほどにわなわなと震えた。 「すっ……すず、それは。その子は――」 もう力など残っていないと思ったのに。弾けるように身体が気の中を泳ぐ。足も洗わぬまま板間に上がり込み、娘の背後に寄った。 「やっ……、やああっ! 来ないでっ、違うっ、来ないでっ!」 細い背中でも隠せるほどの籠。その中身を確認することは出来ない。だが、……そうなのか、そうなのであるか。狼駕にとってそれは、この長い旅の中、夢見にも思い描くことの出来ない程の儚い希望であった。
――赤子、が。 月満ちるその時を数えれば、あの時の子が今頃に産まれていても不思議はない。いや、他の男との子であるなら、まだ産み月に至るわけもないであろう。
狼駕はにわかには次の声も出なかった。 妻は……すでに我が子を身籠もっていたのだ。そして、こうして産み落とし、育てていたとは。夢のようにも思えたあのわずかばかりの日々が、ふたりの愛をしっかりと遺していた。こんな幸福があるのだろうか。 「すず――……」 震える指先がようやく肩に触れたとき、強い力で振り払われていた。わずかばかりの気のうねりに、力の入らぬ身体が後ろに飛ばされる。 「やっ、やあっ! 違うっ……!」 「違うっ……、違う! これは、女子。とののじゃないっ……! あたしのっ、とのがくれるって言った。とののじゃない、あたしの子……!」 そこまで告げると、大きく肩で息をする。彼女の中には想像も付かぬほどの激しさが渦巻いている、それが表からも容易に感じ取れた。 「帰ってっ! ……あなた、知らないっ! これはあたしの子、……帰ってっ……!」 立ち上る恐怖に身体は大きく震え、それでも何度も繰り返す。言葉は刃となり、狼駕の胸に突き刺さってくる。激しい痛みが襲いかかった。まるで身体に残った魂が強引に抜き取られるが如く……それほどの衝撃。
――そうか、そうだったのだ。 ひとつの想いに辿り着いたとき、波が静かに引いた。足元はずぶずぶと地の中に潜っていくほど深い絶望に導かれながら、それなのに、心だけが信じられないほど凪いていく。己の口元に柔らかく笑みが宿ったのをわずかに残された感覚で知った。
「すまない、人違いだ。……すぐに出て行こう」 はっとして顔を上げる。娘の翠の瞳が揺れていた。ゆっくりと微笑んで、立ち上がる。身体が今までの辛さが嘘のように軽かった。 ――これで、良いのだ。そう思った。 ……この女子にとって。やはり、西の対でのあの暮らしは不本意であったのだ。妻としての役目を果たすために閨の相手もつとめたが、それも彼女の欲するところではなかった。それに気付かぬまま、何と愚かだったことか。真に打ち解けた夫婦と思っていたとは。 最初から、我が身は愛を語ることなど出来ぬ愚かな存在であったのだ。この女子が自分の存在をここまで厭うのなら、目の前から消えるしかない。 赤子だけは慈しみ育ててくれるのであろう。それだけで、もう他には何も望むまい。
よろよろと戸口に振り返ったその時。 壁に作られた棚の上に、見覚えのあるものが見えた。それは……あの寝所の奥で、妻が大切に保管していた文箱。黒い塗りの上に、白い花が描かれたそれが何よりも気に入っている様子だった。そうか、確認はしなかったがこれを持ち出していたのだ。 「あ……」 ほとんど無意識に、足が動く。腕を伸ばしていた、優しい思い出に。きっとあの中には、過ぎ去った時間が詰まっている。 もはや今となっては、一筋の希望すらなかった。だが、この胸の内にはあの頃のふたりがいる。共に微笑みあい、寄り添って互いのぬくもりを分かち合った。ささやかな心のふれあいを頼みに、大切に紡いできた頃が。 もう、戻れない、戻れるはずもない。だが……今ひとたび、夢を見ることは出来ないのであろうか。ほんの一瞬でもいい、ふたりのあの時が戻るなら……! 「やっ、やあっ……!」 その塗の箱を手にしたとき、また背後からつんざくような悲鳴が聞こえた。 「やっ、駄目っ……! それは、とののじゃない、あたしの! 返してっ、あたしのもの……!」 思いがけず強い力で袖を引かれる。 もう耐える力も残っていない愚かな身体はぐらりと傾いた。がた、と手元の箱が揺れる。浮き上がった塗の蓋が外れて足元に落ちた、その刹那。
床に落ちていく狼駕の目の前に、――無数の白が舞い上がった。
(2004年6月7日更新)
|