【 セレクション 】


小倉へ向う車内では、喧々諤々の議論が展開されていた。



バンブー「おいっつ!真っ昼間からソープかよっつ!」


凡作 「ちゃんと俺にも考えがあるんだよ!」


バンブー「こういうのは夜のが盛り上がるんじゃないか?」


ズッキー「昼間の方が安いからね。」


凡作 「それもあるけど、それだけじゃなくて・・・」


バンブー「まあ、どうせ行くんだからいいけど・・・」


凡作 「前回の”名古屋ツアー”の時にな、」


バンブー「・・・」


凡作金津園に車で夜行ったろ?」


ズッキー「行ったね。」


凡作 「そしたら、スッキリしちゃって、キャバクラ行く気がしなかったろ?」


ズッキー「そうだったね。」


凡作 「今回も、夜行ったら、その後キャバクラ行く気がなくなるぞ。」


バンブー「ソレはマズいっつ!!」


凡作 「だろ?」


バンブー「でも・・・中洲のソープでいいじゃんか?」


凡作 「中洲はもう俺・・・行ったから


バンブー「俺は行ってないよ!どうすんだよ。ハズレだったら・・・」


ズッキー「あっ、それは大丈夫だよ。」


バンブー「何で?」





ズッキーこの間行ってきたから・・・良かったすんごく!」



・・・ズッキーはこういう男である。頼りになる。





議論が終わった車中には、モーニング娘。のアルバムが鳴り響いていた。

私、と言えば

そのアルバムのジャケットの保田 圭を見ながら

自分でもビックリするぐらい臨戦態勢に入っていた。




【 小倉へ・・・ 】


小倉に到着。



18歳の頃、私が見た光景と大して変わりはなく、

むしろサビれた感じすら受ける情景である。

相変わらず”本陣”という仰々しい名前のソープをはじめとした店が

狭い一角にひしめきあっている。

あの頃、青春真っ只中の私の目に映った光景と違う点は

真っ昼間ゆえに、ネオンが妖しく誘わない点のみである。



意気揚々とその一角に飛び込むのもやぶさかではないが、

そこは手錬の3人衆。細心大胆がモットーゆえに

ズッキーは近隣のコンビニで風俗雑誌を買い集め、

バンブーはノートパソコンで店を吟味する。



当然、そのセレクションに私も参加するのであるが、

その会議の場所は繁華街の『ミスタードーナッツ』内。



隣に5歳ぐらいの子供と、その母親がいたのだが、

その5歳児が私たちのマネをして



「♪ソープぅソープぅ・・・」



と言って、母親に頭を叩かれていた。





そんなことは関係なく、

今回は『Win』というお店に決定する。




【 小倉のソープ 】


『Win』という店は、福岡市在住のズッキーちゃんの耳に入るほどの有料店らしい。



ま、ヤツは

神奈川在住時代に茨城のソープの情報も入手するような男だから

話半分、眉毛につばをつけて話を聞いていたものだが、



入店してみると、これはビックリ!



出てきた女の子が

雛形あきこをもっとカワいくした感じの女の子である。





やったぜ!小倉!



あばれはっちゃくのように、大きくガッツポーズ。

多分君達がワールドカップを見ていて、日本軍が決めた時は、こんな感じかな?





「私、この仕事1ヶ月ぐらいなんですよお♪」



んまあ!ういういしい!



ちょっと擬古地ないところも散見されたが、

そこは慣れてる私がリードすべきところ。

プロがプロの仕事をするために、

お客がすべきこともあるのですよ皆様。






「マットでします?ベッドでしますぅ?」





ええっつ?!両方出来ないの?」



後からズッキーちゃんから聞いたのだが、九州はマットオンリーというのがメインらしい。

そういや中洲もそうだった。





じゃあさ。マットでいろいろなこと、してもいい?」



と、カワイらしく聞いては見たが

実態はカワイくもなんともなく、ローションまみれで体位を4〜5回変えるという

関が原のような激しい大技を繰り出した、というわけだ。





「もおう!こんなことまでするお客さん、初めてですう!」



そりゃそうだろーね。私の10年弱にも及ぶキャリアの中でも

ここまでやったのは初めてだよ。



いや〜。アレですけど、

マットで自分が主導権握ってあれこれってのもいいですな。

ヌルヌルでバックやら松葉崩しやらなんやら、

そこから正常位に持ち込む時の”にゅるっ”という時の

なんというかまあ、おたまじゃくしのようなプ・・・って誰か止めてくれ!



・・・



そんな感じで、すんごく良かったです!





コトを終え、車中に乗り込み

バンブーとズッキーちゃんに同じ話をすると、



ズッキー「その子、何て名前なの?」



「●●ちゃんって子」といった瞬間、ズッキーちゃんの目が妖しく光った。





・・・絶対また来るなコイツ。



しかも一週間以内に。




【 インターバル 】


せっかく小倉に来たのだから、山口県まで足を伸ばし、

その帰りに、関門海峡のSAでふぐのから揚げを食す。



前出、学生時代のバイト。振り返ると

今も交友の続く親友と、共にトラックに乗り込み

真夜中に高速道路を爆走し、仮眠を取ろうと立ち寄ったのがそのSAだった。

小雨の降りしきる中、雨音を遮るために、橋の下の部分にトラックを停めた。

これから始まる大学生活への期待と、夜通し話してきた青春についての話の余韻で

なかなか眠れなかったのを覚えている。



意外にセンチだった自分。

そして、今現在もセンチメンタル・ジャーニーを驀進する自分・・・



多分、数年後、数十年後にこの場所を訪れても、きっと今日の日のことを思い出すだろう。

”心に刻む旅”・・・ 空港から降りてその趣旨を、何分の一かは達成していることを知る。





夕方からお祭りで賑わう天神方面に繰り出し、

郷土料理っぽい飲み屋にで飲み会を開始。

そこで初めてズッキーちゃんの近況に触れる。



私も群馬の高崎で、一人暮らしをしていたから、わかる部分も多い。

今度、ズッキーちゃんは先輩の紹介で、とある女性と会うらしい。

仕事以外での知り合いが出来にくい社会人生活。

とりわけ転勤組はそれが顕著なので、とにかく、寂しいのだ。



何でも、会社の先輩と先輩の彼女と、その彼女の知り合いの女性と一緒に

海水浴に行く段取りをしているそうである。

当然、会社の先輩の段取りで。私の時もそういう先輩がいたものだ。

ズッキーちゃん。

そういう話の時は、大抵うまくいくもんだから、頑張ってな。





ズッキー「いやあ〜♪今度水着パーティーでさ♪」



・・・う〜ん。海水浴を水着パーティーとはいわんな普通。



水着パーティー・・・なんだか強烈にエロい匂いがするぞ、その単語。

友達の部屋かなんかの個室で、参加者全員水着で飲み会を始める・・・

絶対にタマらない気分になるだろうね。

あ〜あ。ホントにまたタマらなくなってきた。





えっつ?何ですかバンブーさん。



キャバクラですか?ええ。わかりました。

早速これからですね。お供しますよ師匠!




これも小倉。なんだか寂れた温泉街のような風景ですな。

まさか私も、あんなパラダイスが待っているとは夢にも・・・


最近、私に対してあらぬ疑いの声がかかることが多いので、

ココで一つはっきりさせておくから、ちゃんと聞いておけ!


断じて、俺にはそっちのほうの趣味はないっつ!


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