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のっけから、所持金額を30%以上損失した俺。

まず一泊したホテルは、空港から目的地「パタヤビーチ」へ向かう繋ぎであったことから

まずもって何もしていない状況で、ごっそりと行動費を削られてしまったことになる。

まあこれだけあれば楽しめるでしょ。と楽観的に観光を行うように気分を入れ替えた。



・・・(気分の入れ替え中)



なんだかんだ「観光はキライだ!」と偉そうに言ってたけど

それは「〜寺院」とか「〜の跡」とかの観光がキライということであって、

結構ミーハーな面はあるわけで。じゃあ観光でもしますか?って話。



特に動物とかの生き物とかがいるテーマパークなんて、結構はしゃぐよ、俺。

動物園とか、水族館とか、サファリパークとかは大好きね。

最近では「ヒト科:メス」しかいないテーマパークソープランドぐらいしか行ってないけど、

まあ、タイではそれなりに観光しちゃいましたね。





まず動物園。

「なぜタイで動物園?」という疑問が未だにぬぐえないのだが、OKです。俺的に。

元気ですよ、動物が。日本の動物園に比べて。


あとね。アトラクションがダイナミックですよ。

起きてるデカイ虎の横に顔を近づけて写真を撮るサービスなんてのがあったりして。

ちょっと虎が気まぐれ起こしたら、確実に死にます。日本じゃ考えられないね。


当然、俺はその写真を撮りましたよ。

虎の横に顔を寄せて「はい、チーズ」って。虎の生肉くさい吐息をかいでのスマイルなんで

ちょっと笑顔が引きつってますけど。



それとかね。人間が歩いている歩道で、カッポカッポ象さんが歩いているんです。

聞いてみると、象さんに乗っかることができるらしくてね。

ええ、当然ここでも象さんに乗っかって写真を撮りました。ミーハーですからね。

象さんのお鼻に巻かれて持ち上げられてる写真も撮りました。

こんなことまでは日本の動物園じゃできないでしょ?動物好きの俺にはたまんないね。

それでは、どこまでできるか、と

象さんに踏まれる写真を撮ろうとしたら、そこでようやくNG。

タイにおいても安全管理があるんだなあ、とわかった訳ですね。





しかし次にいった「へび園」で早速覆されてしまいます。

現地のお兄さんと、

そこら辺で捕まえてきた毒蛇ガチンコのバトルを繰り広げるショーです。

別にショーでも何でも無いんです。旗から見てれば逃げちゃった蛇を捕まえるだけ。


お兄さんが蛇をつかんで悶絶してると、がぶっ!とか噛まれてたりして。

見てるほうは、何が起こったのかわからないんだけど、お兄さんが急に舞台から引っ込んで

何やら手当てをしてから、また舞台に戻っておっぱじめる。


芸でやってるんだったら面白いけど・・・


どう見てもお兄さん、ウケ狙いでなく「素」でやってるようです。

???って感じで見てると、しばらくしてお兄さん。ハアハア息を切らせながら



「は〜い。じゃあ皆さんの中でやってみたいヒト、手をあげて!」って



誰がやるんじゃあ!おいっ!って感じですよね。

ええ。間違いなく何の危機管理もしてないでしょうね。



楽しいですね。観光。

ええ。気分を入れ替えただけあって、楽しいですよ。結構。









・・・と、気分良く観光を続ける俺であったが



楽しそうに観光の感想を語りかけるような文体は、多分これが最後である。

もし私が分別のある大人であったなら、これからタイにいく方々の為に

何かご参考になるような旅行記もかけるのであろうが、



これより先は、俺に何も期待しないほうがいい。



動物園、へび園などは、まあこれ以上起こりようがないわけだが、

俺のような人間が何かしらの目的を持って行動しようとしたら、

何がしかのおまけがついてくるのは自明の理。これより先はそんな話ばかりだ。





例えば、こんな話をしよう。



タイに旅立つと決めたときから、是非経験して見たいと思っていたことがあった。

それは「銃をブッ放すこと」。これもなかなか日本ではできないからだ。



観光ガイドに目を通すと、一発4円ほどで銃が撃てると書いてある。



これは安すぎにしても、かなり安価に銃が撃てるとなれば、記念としては安いものだ。

とりわけ俺の場合は、記念、なんて生ぬるいものではない。



妖しく黒光りする鋼鉄の物体・・・嗚呼、拳銃!

どんな感じなんだろうか・・・と恍惚感を覚えながら、ついにはその射撃場についたわけである。





山を切りひらいた広大な射撃場では、かなり離れたところに標的があり、雰囲気が出ている。


銃を渡され、コーナーに入る。

ズシーン、と感じる確かな手ごたえ。堪らない・・・

ちょっと人格が変わる頃合いだ。





まず一発目を撃ち、感動。

その余韻をしばらく楽しんだ後の2発目以降は

まるでバカボンに出てくる本官さんのように乱射。

一発4円という値段が、俺を強気にさせていた。



それを見ていたタイ人が俺に擦り寄り

「アンタにはマグナムの方が見合うよ・・・」



すでに気分は松田優作。「じゃあ、それを頼む。」と言って

これまたいいペースでマグナムをブッ放す!



「アンタ・・・これはどうだい?」再度現れていたタイ人が手にしていたものは

ライフル!!これは堪らない!



「ほう・・・それも頼む。」気分は蘇える金狼。

ドキューン!しかし的には当たらない。



「違う。こう撃つんだ。」とタイ人は俺の体に手を添え、姿勢を正してくれる。

「これで、必ず当たる!打ってみるといい。」と拙い英語で話すタイ人。



Fire!!と促すタイ人。

ズキューン!とブッ放すも、残念ながらはずれ。





まあ、それでもご満悦である。憧れの銃を撃てたのだから。





それでは会計を・・・とそのタイ人にチェックを頼むと










「5,000バーツ(約2万円強)になりま〜す。」





???

そんなに高いの?



内訳を聞いてみると、普通の銃で撃った分は約3,000円分。

奴の口車に乗って撃った分が残り。



平たく言うと、ボラれたということだ。

奴のドテッ腹にマグナムで一発ブチこみたいところだが、

また追加料金を取られそうだからヤメておこう・・・







さあ、どうする凡作?



二日目にして、残り金額あと僅か!





スケールの大きい象さんの●●・・・




象の分際で・・・と、ひがむでもなく

あまりのスケールの大きさに

有料でしかこの行為をしたことがない自分

器の小ささを再認識した次第だ。



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