【日本妖怪】

 

※水木しげる様のご冥福をお祈り申し上げます。


ほうき神 産神の一種。ほうきは産婦のあいだで、またぐと難産するといわれ、産気づくと、急いでほうきを逆さに立てて安産祈願をするという。産婦の腹をほうきでなでたり、産婦の枕元や床にほうきを祀ったりする地方もある。
海座頭 海にいて、通る舟を手招きして難破させたり、船を丸ごと呑みこんでしまうという妖怪。他にも「海法師」「船入道」などがおり、これらの姿が見えたら凶兆であるという。
おきなわ
キジムナー
沖縄独自の妖怪であり、ガジュマルの古い木の精霊である。子どもや赤ん坊ぐらいの大きさで全身が毛で覆われている。別名「キジムン」「セーマ」「ヤーマグ」「ブナガイ」「ブナガヤー」「ミチバタ」など。
うばが火 雨の降る夜、30センチほどの火の玉が飛びまわることがあり、これを見た者はほとんどの人が肝を冷やす。この火は、昔一人の姥がいて、毎夜のように神社の油を盗んでいて、その姥が死んで亡霊が燐火になったものだという。
とうふ小僧 雨がしとしと降っているとき、竹藪に大きな笠を被った子どもが現れて、手に持ったお盆に豆腐が乗っていたらそれが「とうふ小僧」である。おいしそうに見えて、うっかり食べてしまうと、体にカビが生えてしまう。
ちょうちん
お岩
四谷怪談に出てくるお岩の霊が、提灯に乗り移って仇を討つということから生まれた妖怪。夏祭りのときなど、家の軒下に吊り下げた提灯を夜遅くまで眺めていると、それがだんだん大きくなって形が崩れお岩のような恐ろしい形になる。怖い怖いと思っていると必ず現れるという。
子なきじじい 人があまり足を踏み入れない深山にいて、「オギャー、オギャー」と赤ん坊のように泣いている妖怪。人がその赤ん坊を抱くと、しがみついて離れなくなり、逃げようとすると重さが50貫(約188kg)にも100貫にもなる。つかまれた人は動けなくなって、ついには命を奪われる。
かっぱ おかっぱ頭の上に皿が乗り、一見愛嬌者のように見えるがそうでもない。子どもや、時には牛や馬まで自分の棲んでいる川の中に引きずりこみ、尻の穴から内臓を取って食べる獰猛な妖怪。
おどろおどろ
(おとろし)
住む人がいなくなって、うらびれてしまった廃屋にいて、お化け屋敷のような気配を感じさせる妖怪。実は神様を守る妖怪で、普段は人の忘れてしまった神社に住みつき、そこでいたずらする人を脅かしたりする。
八百八狸
(たぬき)
各地にたぬき話はあるが、八百八狸とは、伊予松山のたぬき集団の総称で、隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)が八百八家の眷属を従えているから呼ばれた。
コロボックル 主にアイヌの伝承に現れる、大変気立ての良い小人の妖怪。コロボックルとはアイヌ語で「蕗の下に住む人」という意味で、北海道の原野に生えている鬼蕗の葉は、一枚が非常に大きく、コロボックルはその下に数人は入ってしまうという。
ももんじい 普段は山奥に住むといわれ、人通りのなくなった夜遅く、村の辻や街角に出てくる妖怪。一説には、深山にいる「野衾」が町に出るときに化けて「ももんじい」になるといわれており、旅人がこれに出会うと必ず病になるという。
お歯黒
べったり
女の妖怪で、夕やみ迫る町外れの人気のない神社とか寺に現れる。美しい着物を着て、顔を隠し、通る人が声をかけると、のっぺぼうの顔で、お歯黒をべったりつけた顔を出してニタニタと笑う妖怪。
赤舌 かっぱによく似た妖怪だが、頭に皿は無く、体は赤くていつも赤い舌を出している。田んぼが日照りの時、水が来ない田にいつの間にか上の水門から水が流れてくる。いくら水門を閉じても流れてくる。それが赤舌の仕業である。
どろた坊 昔、北陸地方の米どころに出現した妖怪。月夜の晩に泥田の中から恨めしそうに、「田を返せ、田を返せ」と叫ぶ妖怪で、目が一つで色の黒い老人であるという。
さざえ鬼 30年も生き延びたサザエが妖怪と化したもの。サザエに体と手足が生えたもので、普段は大人しく海中深く潜んでいるが、月夜の晩などには海上に浮かび上がり、浮かれて踊るという。
砂かけばばあ 神社近くにあるさびしい竹藪などに潜んでいて、通る人に砂をパラパラとふりかけて脅かす妖怪。出現は近畿地方に集中しており、日本各地に現れる「砂まきたぬき」とは違うものである。
ねこまた 10年以上生きた猫が化けたもので、尾が二本になり悪事をはたらく妖怪。俗に言う化け猫である。
天井なめ 人のいない間に、屋敷や堂に出現し、天井を長い舌で舐める妖怪。綺麗にペロペロと舐めるのならよいが、汚いしみをつけてしまう厄介な妖怪。
ほねからかさ 古い傘が温度と湿り気の具合で骨傘になって踊りだす妖怪。温度が下がると元に戻る。
からすてんぐ 一般に羽が生えて烏のような顔をしている天狗を「からすてんぐ」という。隠れ蓑という藁で作ったレインコートのようなものを持っており、姿を隠すともいわれている。修業を積んだ天狗は「天狐」いう化け狐の最高位と同じものになるといわれている。大阪〜江戸を一時間位で飛行する。
はんにゃ はんにゃはインドのサンスクリット語で「ブラジナ」といい、「大いなる智恵」という意味であった。般若坊という人が鬼女の面を作ってから、鬼女のことを般若と呼ぶようになった。鬼女とは嫉妬と憤怒の業火に燃える女である。
のっぺらぼう 人の顔を盗み、自分の顔につけて楽しんでいる妖怪。目も鼻も無い妖怪で、鬼太郎を餅にして食べようとした。
うわん 静かな夜道を歩いていて、古い家の近くを通ると、いきなり「うわん」という声で人を脅かす妖怪。正体は全くわからない。
はたおんりょう 昔、凶作で餓死した人々が、葬式も何もせずに放っておかれると畑怨霊(はたおんりょう)になるといわれている。
せんたくぎつね 人間の女の子を嫁にしたがるくせに、人間の弱みに付け込んで悪いことをする古狐妖怪。石や宝石などの無生物に化けるのが得意。
鉄鼠(てっそ) 三井寺の頼豪阿闍梨が、白河天皇が自分との約束を破ったのを恨み、断食の行で衰弱死してしまった。その頼豪が鉄鼠(大ねずみ)の妖怪としてよみがえり、無数のねずみを従えて比叡山に現れ、教典などを食い破ったという。
雪女 各地で呼び方が違うが、共通していることは、白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくして殺すということである。
化け猫 昼は縁の下にひそみ、暗くなると奥女中に化けて人間を襲う。
年を取った猫や、殺された猫が化けたもの。
ろくろ首 首が伸びるものと、首が抜け頭部が自由に飛行するものの2種が存在する。
首が抜けるろくろ首は、夜間に人間などを襲い、血を吸うなどの悪さをする。